おせん

脚本/大石静(1)、神ひとえ(2)(3)(9)、高橋麻紀(4)(6)(7)(8)
白金カナ(5)

http://www.ntv.co.jp/osen/


第9話 先発カツブシ王子!おせん暴行退場


一升庵に警察がやってくる。
おせんが馴染みの乾物店で人を殴って捕まった為の身元引受人
を求めるためのもの。
おせんは乾物店の主人が留守の間、対応に出た息子の非常識な
振る舞いと、荒節の削りを本枯節として店に出す彼の行動に
痺れをきたし、思わず殴ってしまったのだという。
今のご時世、手間の掛かる割りに儲けのでない本枯節を扱う
のは厳しく、またそれを製造している山上の方でも、本枯節を
作るのを辞める方向にあるというのである。おせんはヨシ夫
を連れてそれを作る西岡保男を訪ねる。すると借金体質に有る
かつお節業界に救世主のように現れたエンプールが工場を買い
取りパック詰めのかつお節工場を造るというのであった。

拘りを持つ職人がまた一人、時代の流れで消えようとしている。
ドラマとしての皮肉は、その流れを加速しようと手を貸して
いるのが、そんな職人の息子である点だ。

他人の家庭の事情を外野がとやかく言うのは野暮というもの。

日本の味を守りたいと願う気持ちとは逆に、借金体質にある
職人の事情に対して言うものが無いという複雑な状況。
時代の流れは国民の気持ちの一端であると言われると、なん
とも言いようのない雰囲気がドラマ全体を包み込んでいる。

当然ながらその味を守りたいとする一升庵の行動は理解でき
なくも無いが、必要以上に無理強いを迫る事への拒否感
はどうしても感じてしまう。ヨシ夫は今回そんなボーダーを
越えて完全に嫌悪感を感じるキャラクターを演じた。
一歩まかり違えばおせんがこのキャラクターになっていたの
かも知れないし、とても気難しい内容だと思う。

しかしヨシ夫と林隆史の関係が有る意味ではこんな展開を
打開しそうな所がまた皮肉だね。仕掛け人である林隆史が
庶民の料理として本枯節をブレイクさせれば、職人の需要性
が増すかも知れない。かつおぶしのパックの存在は否定しな
いが、少しでも後世に日本の文化を残して欲しいものである。

半田仙 - 蒼井優 ......女将
江崎ヨシ夫 - 内博貴 ......料理人
藤城清二 - 杉本哲太 ......板長
竹田留吉 - 向井理 ......二番板
鈴木テル子 - 鈴木蘭々 ......仲居
久保田冬子 - 工藤里紗 ......仲居
脇坂玉子 - 森田彩華 ......仲居
長谷川健太 - 奥村知史 ......追いまわし
林隆史 - 宅間孝行
珍品堂さん - 渡辺いっけい ......骨董店
浅井シズ - 余貴美子 ......仲居頭
半田千代 - 由紀さおり .......仙の母親
木下秀雄 - 松方弘樹 ......料理スクール

guest
西岡保男 ......夏八木勲
矢田守 ......加藤雅也
女将 ......李麗仙
----- ......須永慶 (エンプール海外事業部)
金池社長 ......内藤剛志
----- ......久保酎吉 (乾物問屋大将)
おせん ......須賀さくら (幼少期)

林沙織、松下さら、農塚誓志、瀬戸寛、山中聡、三井善忠
牟田浩二、渡部一翔

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