猟奇的な彼女

脚本/坂元裕二

http://www.tbs.co.jp/ryokiteki/


第9話 言えない気持ち


祖父江は凛子に会いに来るがまだ帰宅して居らず、帰宅する
三朗と鉢合わせになる。三朗は部屋に招き入れるとぎこちない
ながらも話題は凛子の事になる。
凛子が帰宅すると祖父江は忘れていたものがあるといい、
改めて凛子の前でプロポーズの言葉を述べる。その様子を見て
いた三朗。凛子は三朗と視線が合いながらも、結婚すること
に了承する。
暫くして凛子は三朗の部屋を訪れる。
三朗は何かの冗談だと思い、彼女に早く種明かしするよう
告げる。俺には君が一番であり、君にも俺が一番だと思って
いたのに、俺の勘違いだったのかと。
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凛子が三朗の元に戻ることは火を見るより明らかであり、
これ程ドラマの先行きの展開の中にトキメキを感じないドラマ
も珍しいかも知れない。

有る意味そんな事情も踏まえて、ドラマではどんな形で凛子は
祖父江との縁談を断り三朗の元に戻るストーリーを構成するの
か。

結婚には納得が行かないものの、好きな相手が自分で選んだ
結婚に対してケチを付けるなんて男らしくないと考える三朗。
観念したように、サムシング云々のアイテムを相手に渡し、
幸せにする相手は自分ではなく祖父江だとして、レポート用紙
に凛子との付き合い方をまとめて彼に託すが、次の瞬間掌を
返したようにやっぱり嫌だと考える。
男らしさとか女らしさとか関係ないと思うのだが、ここまで
気持ちの整理を付けておきながらも、嫌だという行動に出る
三朗。彼の性格も吟味して考えついた行動だったのだろうか。

ドラマの中に登場する気の利いたアイテムとか、印象に残らせ
ようとするシチュエーションが古すぎる。

一万年前の氷をもらって誰が喜ぶのか。
形有るもの何時かは壊れるものだけど、これ程扱いづらい
アイテムなど存在するのか。

空港のアナウンスを使い好きな相手が行くのを止めようとする
なんて相手の心の響くのか。

凛子の心に訴えかけるのではなく、周りのものを説き伏せて
しまった感じで、肝心の本人は相手に言われるがまま行動を
取ったに過ぎない辺り、消化不良の感じが否めない。

出来ればあのレポート用紙を読むシーンの中で、彼女の心を
揺り動かすだけでなく実際の行動に移らせて欲しかった。

そして最後に都合良く浅倉南のエピソードを持ってきたが、
三朗との関係の中に少しでも彼女の存在が有ればまた違って
見えたのだろうけど、既に手打ちになっている状況の中で
彼に何を求めるのだろうか。如何にもドラマっぽく都合良く
出てきたシチュエーションとしか感じないところが残念。

眞崎三朗 … 草なぎ 剛
高見凛子 … 田中麗奈
浅倉 南 … 松下奈緒
如月春夏 … 鈴木えみ
五藤茂市 … 山田親太朗
林田若葉 … 大石参月
湯江朝美 … 千野裕子
嶋木優衣 … 小久保利恵
曽根雅史 … コッセこういち
祐天寺柚子 … 松嶋尚美
林田五月 … 市毛良枝
数島健作 … 谷原章介
夏目圭輔 … 上川隆也

guest
高見誠司 … 蟹江敬三
祖父江信彦 … 池内博之
高見良祐 … 大東俊介

梅宮万紗子、朝倉あき、岡田さつき、城田純、渡辺蘭
平川博晶

評価:★★★★☆☆☆☆☆☆ (4.0)

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