猟奇的な彼女

脚本/坂元裕二

http://www.tbs.co.jp/ryokiteki/


第10話 届かぬ想い


南が暴漢に襲われ階段から落下した。
病院に運ばれ手術した結果、命は取り留める。
遅れてやってきた凛子と合流する三朗。うわごとで三郎の
名前を読んでいると言いに来たのは夏目教授だった。
目を覚ました南に三朗は謝罪する。オレがあの時南の気持ちを
理解し引き留めていれば、こんな事態にはならなかったと。
夏目は凛子に語る。好きな男が別の女性の傍にいてヤキモチを
焼かないのかと。南が治ればその分取り戻すから良いと
平気な顔をするが、内心では少なからず傷ついていた。
一週間が経過。
凛子は三朗の知らないところでダイビングの講習を受けていた。
明日は夕方から試験。三朗に一緒について来て欲しいと頼むが
病院が有るからとその後に一緒に行くことを約束する。
そんな時凛子に意外な仕事が舞い込む。
出版社の西野恵から素人が行くアフリカの旅というルポ企画
の仕事。一年は最低帰ってこられない事を告げられ、彼女は
返答に迷う事になる。

流石に都合の良いばかりの展開で有ることは否めない。
それでもなかなか雰囲気作りは良くできていたと思う。

リハビリの一年間とルポ企画の仕事の一年。
南が暴漢に襲われるのは仕方がないとしても、凛子って
そんな夢が有ったんだと今更ながら気づかされた感じ。

そして何と言っても数島健作のラブレターを書くエピソード
は普通他人の手紙なんか書くのも変だし、頼むのも可笑しい。
都合良く核心部は見ないように描いて最後になって明らかに
される感じが如何にもドラマっぽく演出された話しだった。

ただ手紙に書かれた凛子の心情を綴る内容は、出来ること
ならば別の形でそれを表現してもらいたかった。
他人からは強くて一人でも生きていけると思われているけど、
本当は弱くて寂しがり屋であるという事。
三朗が誤解している部分が多々あって、すれ違いも含めて
それをなんとか表現したいとする気持ちが手紙に乗り移る
という所はなんとなく良くできていた場面。有る意味では
凛子を小説家という設定にしたのって、今回の話しにあるん
じゃ無いかと思う。

南が三朗への気持ちが残っていたのも少し驚いた。
なんか夏目先生は都合良く物語の中で利用された感じだ。
結局南の気持ちは当初から何処にあったのか。
中途半端な優しさは一番残酷だと言うが、このモヤモヤとした
中途半端な展開こそ視聴者にとって一番残酷だ。

元の韓国映画の方の細かい内容は忘れて居るのだけど、
今回の展開見て、そういえばタイムカプセルを埋めていたな
という事だけ思い出した。あのお祖父さんも何かしら物語に
関わってくるのだっけ。

眞崎三朗 … 草なぎ 剛
高見凛子 … 田中麗奈
浅倉 南 … 松下奈緒
如月春夏 … 鈴木えみ
五藤茂市 … 山田親太朗
林田若葉 … 大石参月
湯江朝美 … 千野裕子
嶋木優衣 … 小久保利恵
曽根雅史 … コッセこういち
祐天寺柚子 … 松嶋尚美
林田五月 … 市毛良枝
数島健作 … 谷原章介
夏目圭輔 … 上川隆也

guest
谷啓、奥貫薫、岡本麗、河田直也、篠原真衣、坂田聡

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