SCANDAL

脚本/井上由美子
プロデューサー/生野慈朗 植田博樹
演出/生野慈朗、高成麻畝子、山本剛義

http://www.tbs.co.jp/scandal2008/


第10話 友よ!大切な人よ


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待ち合わせした教会に貴子、真由子、たまきの三人が揃う。
そして時間通り理佐子がやってくる。
ずっと待っていたのよ!そう声を掛ける貴子に対して、私は
頼んでいないと理佐子。
理佐子はすぐにこれまでの事について語り始める。
彼女は男性を刺したという。あの晩に昔の男と会い別れ話が
縺れてやってしまったという。相手は金沢光介。
しかし貴子は別れ話で縺れている人が私達に勝ったと言うだろ
うかと疑問を投げかける。
すると才能と将来性を持つ人間を捕まえたからだと理佐子。
女が勝ったと言えるときは、地位やお金を手に入れた時では
無いと貴子は反論。どんなに安定した暮らしやお金が有っても
それだけでは勝ったとは言えないと告げた。そしてあの時は
その言葉を聞いて誰にも負けない愛情を手に入れたものだと
思い圧倒されたと語る。

そんな話をしている時にひとみが教会に入ってくる。
ひとみは逢うなりいきなり理佐姉は悪くない。夫のせいだと
告げる。

その頃ひとみの夫・雄一は哲夫を呼び出すと、弁護をお願い
する。警察に出頭すると雄一は語る。

理佐子は居なくなった経緯についても全て語る。
金沢にお金を要求されていたこと。始まりは一杯のワインだっ
た。8年前の事、外資系銀行に接待を受け一本10万円もする
ワインを御馳走されたという。それをフリーライターが監視
しており、金沢の元に一通の封書が届く。接待を受けた事実を
書いた記事を幾らで買ってくれるかというもの。もう一度
理佐子の働くクラブに行くと、そのフリーライターの名前を
聞き出そうとする。しかし守秘義務を理由に語ろうとしない
理佐子に対して、金沢は"誰でも寝る女"だと罵倒する。
それを聞いていた久木田慶介は、留学を控えていた身では有る
が我慢できずに金沢を殴り飛ばし、鼻骨を折ったという。
留学が取り消されてはいけないとして、河合雄一が間に入って
1000万の示談に取り付け、その金をフリーライターに渡したと
いう。しかしライターからの要求は更に続き、そのしわ寄せは
理佐子に回ってきたとの事だった。

褒められた人生を送ってこなかった理佐子だが、そんな私を
慶介だけは認めてくれたのだという。
失踪した晩に金沢を殺そうとしたのだと言い、四人を呼んだ
のはアリバイ工作のためだと告げた。完璧な計画ではあったが
結局殺すことが出来なかったという理佐子。警察には行かない
という理佐子はこの事は誰にも言わないで欲しいと約束を取り
付け出て行こうとすると教会は警察官で取り囲まれていた。
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いよいよ最終回。
理佐子が居なくなったときの真相が全て語られる。

ドラマで一番盛り上がったことは、失踪した理佐子が何処に
居たのかという事と、理佐子は久木田の事が嫌で抜け出した
のではなく、逆に愛していたからだという事。
今回はこれら後者の部分が語られたって事で、一応ドラマと
しての興味は詰まっている感じはする。

ただこのドラマ、四人の不思議な友情は描けているが、
この中に理佐子を含ませる事にイマイチ説得力がない。
確かに彼女は四人を出会わせ、各々の家庭の事情やそれぞれの
問題点を浮かび上がらせた触媒にはなっているのだが、何処
までこの四人の輪の中に入ることが出来るのかは、伝わりづら
いものがある。
そういう意味で友情を理由に金沢殺害への実行を鈍らせた所は
多少なりとも違和感を感じたが、人を容易に傷つけることは
出来ないという点では犯行に及ばなかった所はそれなりに理解
出来るところである。

結局このドラマで浮かび上がった問題に於いて、どう向き合い
結論を告げるのかが最終回に於ける醍醐味となっていた。

この四人から互いに影響を受けた事。女性としての、そして
一人の人間として生き方、プライド、そして夫婦としての在り
方など、様々な事を吟味し、それぞれの性格を加味した結果、
結論へと繋げていった。

「セックス・アンド・ザ・シティ」に設定が似ているとか
「デスパレートな妻たち」に似たミステリアスな雰囲気を持つ
ドラマと言うことで日本のドラマにしてはアメリカンテイスト
なドラマでとても面白い内容だった。
続編を作らないにしても、新たなスキャンダルが発生しようと
しているいうオチで繋げても面白かったのだろうなと思う。

高柳貴子 ・・・ 鈴木京香 (40歳/元客室乗務員。)
河合ひとみ ・・・ 長谷川京子 (32歳/小心者)
鮫島真由子 ・・・ 吹石一恵 (25歳/自称・元モデル。)
新藤たまき ・・・ 桃井かおり (52歳/敏腕秘書)
***
高柳秀典 ・・・ 沢村一樹 (42歳/大手広告代理店)
河合雄一 ・・・ 光石 研 (36歳/財務省官僚)
鮫島賢治 ・・・ 遠藤憲一 (45歳/医師)
新藤哲夫 ・・・ 石原良純 (44歳/弁護士)
浮田夏子 ・・・ 滝沢沙織
甘利俊樹 ・・・ 小浜正寛 (礼儀正しい警察官)
高柳咲希 ・・・ 荒井萌 (中2反抗期真っ只中)
河合晴彦 ・・・ 平野心暖
河合奈々 ・・・ 松本春姫
川島礼二 ・・・ 植田浩望 (美容師。やっくんすっぴん)
水谷隼人 ・・・ 細田よしひこ (証券マン)
久木田慶介 ・・・ 加藤虎ノ介 (ピアニスト)
白石理佐子 ・・・ 戸田菜穂
***
勝沼龍太郎 ・・・ 小日向文世 (口も態度も悪い威圧的な警察官)

金沢光介 ・・・ 春田純一

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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