上海タイフーン

脚本/福田靖

http://www.nhk.or.jp/dodra/typhoon/index.html


第3話 再チャレンジの街


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美鈴は香がオーナーの花屋からクビを宣告され、日本人仲間
たちとの場で酒を飲みながら不満をぶちまける。
"悪いのは上海でも上海人でもなく、他人の気持ちが分から
ない貴方だ"と香にハッキリ言われ少なからずショックを受け
る。

一方香はバローネの上海進出に際して曹飛の元に相談に訪れる。
彼らの店の装飾を手がければ一気に有名になるという香。
仕事を取るにはコネが必要だという曹に、その為の人物を紹介
して欲しいと懇願する。そして美鈴の話になると、香は彼女を
クビにした事を告げた。意味のないプライドは邪魔だという
のである。

曹は美鈴のアパートに足を運び様子を見に行く。
すると隣人の黄琳に声を掛けられる。二人は親友の間柄だと
聞かされる曹。会話していると泥酔している美鈴が麻里によっ
て連れてこられる。曹は手を貸し美鈴を部屋まで運んでいく。

翌日目が覚めると麻里から昨晩の顛末を聞かされる。
そして曹が置いていった給料を渡される。あんな奴に同情され
るなんて・・・そう感じる美鈴。
麻里は落ち込む美鈴を見かねて、今日一日遊びに行こうとして
上海の町中を散策する事になる。とても良いリフレッシュに
なるが、帰宅した美鈴に麻里は貴方には上海は向いていないと
言われ、楽しい思い出を胸に日本に帰った方が良いと言われる。
更に落ち込む美鈴は外で佇んでいると、黄琳に声を掛けられた。
彼女は美鈴が日本に帰国するのではないかと心配する。
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今回は職を失った美鈴がどのようにして再起を果たすのか、
落ち込んでいる彼女がどのようにして立ち直るのかを描いた
話だった。

人と人との繋がりを上手く描いた話で、上海に居る理由の中に
自分以外の他人の存在も上手く抽出した話だった。

きっかけは曹飛の言葉によるものだった。
落ち込む彼女に考えるきっかけを与えてくれた人で、冷たい
と思っていた中国人によって立ち直させる皮肉を演出した。
しかし展開が進む毎に皮肉が皮肉ではない事が分かっていく
ものだったのではないかな。

ポイントとして、自分以外にも苦労している人は沢山いる事
を彼女の中で昇華させ、自分の努力した分だけその見返りを
与えるという上手い展開を用意したことだと思う。
努力しても報われない人は多いわけで、そういう意味では
彼女は随分と幸運な持ち主ではないか。

彼女の欠点は、他人の気持ちが分からない姿でもなく、
意味のないプライドでも無く、諦めが早いことでしょう。
一つの物事に執着したり固執する地道な忍耐力が足りず、
表面的に虚勢を張ることかなと思う。

落ち込んでいたときには嫌なものに見えたものが、成功を
収めていくと同時によく見えてくる。心を閉ざしていた美鈴が
いよいよ心を開いて現地人に認められ始めたのかなと思うと、
ドラマとしてはようやくスタートラインに立った様にも見える
ね。

今後の展開を占うような幾つもの伏線が描かれている。
父親の件もそうだし、麻里の絵に関しても、今後美鈴に感化
される形で何かしらアクションを起こしそうな感じ。
取りあえず来週は父親編かな。

野村美鈴 ……… 木村多江
曹飛 ……… ピーター・ホー
遠野麻里 ……… MEGUMI
黄琳 ……… 林丹丹
野村君江 ……… 原日出子
三井香 ……… 松下由樹
野村雅彦 ……… 古谷一行

guest
周玉成 ……… 張春祥
張正芸 ……… ポーロン
孫決濤 ……… 魏来
呉小梅 ……… シャドウ・リュウ

翁華栄、井上佳子、松尾諭、坂本真、佐藤真弓、久下恵美
なすび、京一郎、遠藤孝夫、益田愛子、小山かつひろ
リコウジ、岩原明生、莫西、耿宇、金国萍

佐藤詩音、劉威、[イ兒]増兆、朱剣峰、陳宏梅、千海燕
丁宇英、高明、ジョー・ノーマン、馮敏敏、王艶、盛祺栄
張静媛

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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