上海タイフーン

脚本/福田靖

http://www.nhk.or.jp/dodra/typhoon/index.html


第4話 許せない男


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美鈴は父親の居る街を訪れる。そこには散髪店として働く父
の姿があった。10年ぶりの再会。父は美鈴に元気かと問い、
母親の様子も気遣う。仕事で上海に来た事を告げ、街の散髪店
として気楽な生活をしている父のことを皮肉する。私達は大変
な生活をしていた事を訴えるために。10年前に失踪して以来、
生活が落ち着くのに3年は掛かったという美鈴。
父はそれを聞いて素直に謝罪する。
最後に残した手紙にもう日本には帰らないとする内容を見て
私達母子は捨てられたものだと思ったと告げる。
今更帰って欲しいとは思わないが、仲が悪かったわけではない
のに、どうして急にいなくなったのかを尋ねる。個人的な理由
だと返答するも私には聞く権利があるとして一歩も引かない
美鈴。しかしその会話中に若い女性と子供がやってくると、
父は二人を指して妻と息子だと告げる。まさか家を捨てた理由
が愛人を作った事だったなんてくだらな過ぎる。もう二度と
来ないとして美鈴は涙しその場を後にする。
麻里のアパートに帰り事情を説明していると日本にいる母親
から電話が鳴る。父親にあったことを告げ、妻子が居たことを
語る。そしてもう私達には関係のない人だから忘れた方が良い
と母親に告げ電話を切った。

翌日、曹飛が父親を見つけてくれたことにお礼を告げる。
そんな曹飛に一本の電話が鳴る。陳社長から儲け話だという。
約束の場所を訪れると財政や経済を支えている人たちが食卓を
囲んでいる姿が有った。

一方美鈴は店にいくとバローネ効果が早くも出ていた。
ホテルから新規の依頼が飛び込んで来たのである。早速ホテル
へ下見に行く途中で、香は美鈴に上海の一等地に店を出店して
ここを拠点にしたい事を告げる。

そんな二人に曹飛から連絡が来る。
店が再開発の指定区域に決まったのだという。話し合いなど
余地なとせなく一方的に決まったもの。これが上海だという。
変わりの場所が用意されると言うが、店に投資した金は戻って
来ず、大損害だという曹飛。香にはバローネとの契約が有る
からすぐに店を出せばいいとするが、香は落ち込んだ。
そんな香を見て美鈴はバローネの専属コーディネターなのだか
ら大丈夫だと励ます。香はいつの間にか美鈴に励まされている
自分に気がつき、逞しくなったわねと美鈴に告げる。

一方翌日大変な事実が発覚する。
再開発出資者リストの中に曹飛の名前があるという。
新聞に掲載されているのを知り美鈴は急いで曹飛のオフィスを
訪れると既に香が来ていた。後ろめたいから話さなかったので
しょうと告げると、それでも再開発は止められない事を告げる
曹飛。裏切り者だとして机の上のものを投げ飛ばして飛び出す
香。決して裏切ったわけでは無い事を美鈴に訴える。すると
机の上に有った資料には、何故は美鈴の父親の詳細調査した
形跡が残っていた。調べていたのはビジネスの為だった事を
知ると美鈴まで曹飛の事を白い目で見るのだった。
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今回は美鈴と香が散々な目に合う展開であり、曹飛もまた色々
と誤解を受け資産を失い板挟みになるような内容で、最悪を
極めた展開だった。

その中で一つ、美鈴の父親との関係がスッキリした事で、身軽
な思いにさせるのが今回のテーマだったのかもしれない。

幸せな家族だったのに何故自分たちを捨てたのか。
技術畑の人らしく美鈴の父親は不器用な人生を送っている感じ
がまた良い味が出ている。

人は裏切る。家族も同様に裏切る存在なのか。
上海に来て人は信じられない存在であることをすり込まれて
きた事、美鈴は被害者の立場だった故に、黄琳の親子の物語や
香の子供との関係を否定的な見解を持って眺めている。しかし
自らの問題が誤解である事が分かると、家族の絆を信じても
良い気分になったのでは無かろうか。

人に裏切られると言えば曹飛との関係も険悪だ。
上海の事情を知っていれば政府の立ち退きの決定の不条理な事、
反対できない事情も分かるだろうに、香の態度はやや不自然
にも見えた。っていうか生花店ってそんなに初期投資の必要な
業種だろうか?店舗さえ構えれば有る程度の悪条件でもやって
いけそうな気もするのだが、みんな諦めるのが早いこと。
ノウハウは持っているのだし、最トライもせずに諦めてしまう
のはちょっと諦めが良すぎた。

しかし身軽になったからと言って、美鈴はまた自分の畑である
アパレル業界に香も引き込むつもりなのだろうか。それよりも
競合の少ない生花店をオープンする方が成功する可能性は高い
と思うんだけどね。

野村美鈴 ……… 木村多江
曹飛 ……… ピーター・ホー
遠野麻里 ……… MEGUMI
黄琳 ……… 林丹丹
野村君江 ……… 原日出子
三井香 ……… 松下由樹
野村雅彦 ……… 古谷一行

guest
周玉城 ……… 張春祥
張正芸 ……… ポーロン
孫決濤 ……… 魏来
呉小梅 ……… シャドウ・リュウ

翁華栄、井上佳子、松尾諭、坂本真、佐藤真弓、久下恵美
なすび、京一郎、遠藤孝夫、益田愛子、小山かつひろ
リコウジ、岩原明生、莫西、耿宇、金国萍

佐藤詩音、劉金全、[イ兒]増兆、堀ひろこ、何昇平、曽媛
崔治彬、シンシア・チェストン、シェリー・フェニー、孟俊

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