小児救命

脚本/龍居由佳里

http://www.tv-asahi.co.jp/kyumei/


第3話 たらい回しの命!!女医の決断


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啓翠会総合病院に移送された患者。
一刻の猶予も無いとして宇宙は自らメスを握ることになる。
ちょうと腹を切り裂いている所で陽介がやってきて、今から
開始した事にせよと周りにいた職員達に告げる。
手術は成功に終わり一命を取り留める。
陽介は宇宙の病院に赤池小夜子が居るのを見て驚き話しかける。
関東医大の要職を蹴ってまで街のクリニックに勤務している
とは思わなかったという。私もいつまで宇宙について行ける
か分からないと告げる。
一方陽介は宇宙に対して、余所の医師が無理矢理乗り込み病院
の施設を利用するのは問題であることを告げる。そして部下で
も無いキミのことをいつまで庇わなければならないのかと。
命を救うのは当たり前という思いにつけ込んで、私のスタッフ
をキミの勝手な行動の巻き添えにはしないで欲しいと告げた。

俊介も宇宙にやり方が無茶苦茶だと告げる。
しかし宇宙は一歩も引かず、受け入れ先が無く時間もない様な
状況の中で、場所があってスタッフさえ居れば私にはオペを
することが出来ることを告げ、問題を恐れて命を見放すことは
出来ないという。宇宙は俊介ならばどんな風にするのか尋ねる
が、宇宙の様に手術が出来ない自分ならば必死に考えた末に
死なせていたかも知れないと告げる。

クリニックに戻る宇宙達。
相変わらずクリニックは子供達で溢れていた。
真柴綾が応対した患者の父親は、長時間待った末に、治療も
せず薬だけ出されたことに激怒。その声を聞いてすぐに宇宙が
飛んでくる。そして懇切丁寧に説明すると父親は納得した表情
を見せた。
またクリニックには11歳の女児・上原レイナは喘息の薬を保護
者の連れもなく一人で取りに来た。薬は診察しないで渡すこと
は出来ないし、両親が来ないことには話にならないとして、
すぐに親元に電話をかける。すると母親は仕事で忙しく、薬を
渡したら一人で返してくれと言い残し、すぐに電話を切ってし
まう。深夜に子供を帰す事も出来ず、取りあえずレイナを病院
のベッドに寝かせることになる。
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子供を助けるためならば、形振り構っていられない宇宙。
自分を犠牲にしてもガムシャラに子供のために行動できる
彼女の原動力は何なのか。

ドラマではその原動力が過去の自分の体験に有ることを描いた
話だった。
今回のドラマを見ていれば明らかに子供たちの叫びが感じ取れ
大人はその叫びに対してしっかりと受け止められるのか、それ
とも見て見ぬ振りをするのかが描かれた。

他の医師が他の医療施設で腕を奮うことに対して、問題は有ると
は思うが、人の命と比べた場合、それは案外些細な事では無い
のかと疑問符を投げかける。
全く素性を知らない関係でもないのだし、この辺は柔軟に
対応しても良いんじゃないかと感じさせる内容だ。

後半部は子供の叫びに対して、より鋭いアンテナを張り巡らして
いる宇宙がそれに気がつくというエピソードが用意された。
このクリニックを開業した意味があったというもの。
仕事にかまけて子供の相手が出来ない両親の行動に、全てを
非難できない部分が有るのも確か。そういう社会の世知辛さを
感じる展開であり、昔ならば近所の大人がフォロー出来る社会
だったのだろう。この辺は近代人が築き上げた結果だ。

赤池小夜子の素性が語られたり、青山宇宙の過去が語られたり
とても内容の濃い話だった。相馬彰夫のキャラクターの一端にも
触れるような感じだが、この人の頑張り具合が悪い方向に進ま
なければ良いなと思う。

クリニックの存在意義が大きく感じられ、そこは診療だけでなく
昔ながらの人間の触れあいと、地域医療の連動性の問題を
上手く取り入れている感じがするね。

なんだかんだ言って結局宇宙のフォローをしてくれる柾陽介は
とても良い医者だと思う。

青山宇宙 ……… 小西真奈美 (『青空こどもクリニック』の院長)
狩矢俊介 ……… 塚本高史 (啓翠会総合病院の小児科医)
木暮賢斗 ……… 勝地涼 (青空の小児科医)
青山冬悟 ……… 大杉漣 (元小児科医で、宇宙の父)
赤池小夜子 ……… 渡辺えり (青空の小児科医)
柾陽介 ……… 陣内孝則 (啓翠会総合病院の小児科医)
樋口流衣 ……… 山口紗弥加 (青空の小児科医)
片桐弥生 ……… 笛木優子 (青空の小児科医)
名波大地 ……… 藤原一裕 (青空の小児科医)
相馬彰夫 ……… 正名僕蔵 (青空の小児科医)
森崎潤一朗 ……… 名高達男 (啓翠会総合病院の院長)
真柴綾 ……… 田実陽子 (青空の小児科医)

久保奈緒 ……… 石原あつ美
白石亜由美 ……… 立花彩野
橋本茜 ……… 松岡恵望子
林拓実 ……… 田中碧海
広瀬由美 ……… 西舘さをり
宮坂悦子 ……… 宮澤美保
高水桃子 ……… 国本綾
根本真紀 ……… 石井春花
幼少期の青山宇宙 ……… 松田七星
安藤保 ……… 植松洋

鳥居かほり、米山善吉、松浦愛紗、櫻庭博道、飛田光里
東武志、鯉沼トキ、土師野隆之介

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