Tommorrow 〜陽はまたのぼる〜

脚本/篠崎絵里子

http://www.tbs.co.jp/Tomorrow2008/


第1話 医療は人か金か!?


1999年。とある一家の母親が病院に運ばれてくる。
娘は心配し助かる様懇願するが、その甲斐も無く亡くなる。
2008年、森山航平は海沿いをバイクで疾走する。
もうすぐこの町では"七夕どんつく祭り"。
町人達に声を掛けつつ向かった先は、西山室市役所。
彼はこの役場で勤める公務員だった。
昼休みが近づくと、総合病院の将棋仲間・仙道郁夫が将棋盤
を片手にやってくる。時間に厳しい森山は勤務時間ぎりぎり
まで市民の対応に追われていた。
そんな彼に副市長である蓮見から声が掛かる。大切なお客を
駅まで迎えに行って欲しいとのこと。手製のプラカードを
持たされ、嫌な顔一つ見せず駅へと向かうことになる。
駅に着くというとき、電話ボックスの中からお腹を抱えて
倒れる妊婦の女性・安田涼子が居た。森山はすぐに救急車を
呼ぶと、巻き込まれるように救急車に搭乗させられ、病院
にいく。受け入れ先の病院が見つかるも、いざ現場に行くと
担当医が居ないので受け入れは難しいことを告げられる。
そこに女性(遠藤)がやってくると彼女が対応するという。
町では見慣れない顔。彼女は今日からこの病院で働くことに
なった医師だという。妊婦の涼子は家族には連絡しないで
欲しいと告げる。胎児には異常が無く胃炎から引き起こった
ものだと診断される。涼子はここで産ませてくれないかと
相談するが、この病院には分娩の施設が無く、妊娠9ヶ月の
妊婦を受け入れる所など何処にも無いと語る。現在は何処の
地域でも出産できる所が少なくなっているので、早めに対処
して備えるだけの自覚が必要だと告げた。

30億という赤字に喘ぐ市民総合病院。
病院再建に送られてきた女性は、金のある患者を受け入れ、
効率的に金が稼げる循環器系、脳神経系に集中し、小児科
や産婦人科は他に回すべきだと主張する。

僻地医療の問題と国の医療改革に伴う医師不足の問題、
それに伴い激減していく小児科、産婦人科医療、救急車の
患者の受け入れ・たらい回し問題などを扱う内容のようだ。

初回を見た最初の印象は、やたらと8年前の過去がキーワード
となる演出だった事だ。森山が医師を辞めたのは8年前であるし、
町を出て行った安田涼子は8年間、母親と音信不通だった。
熱血看護師を演じている田中愛子の母親が亡くなったのは
8年前である。まさに森山が死なせた母親とは田中愛子なんて
いうベタな展開が用意されている訳はないと思うが、
取りあえずどの人物も過去が有ると言うことだろうか。

病院再建の為に患者を見捨てる事が出来るのか。
金が無ければ医療は出来ないというのも真理だし、実に難しい
ところである。

初回は医師不足や病院としてのキャパシティに問題が生じ、
きちんと医療を施せない現実が描かれた。
目の前で患者が亡くなるくらいならば、自分が医療行為を行うと
いう展開は、「Nsあおい」でも描かれた気がするが、あのドラマ
程シビアで厳格さは無いような気がする。ただその分問題は
より現実的で日常生活に溶け込んだもののように映るね。

最後に森山がメスを握るというのは有る意味想定内の出来事
だった。出来ればもう少し問題が煮詰まるまで、森山には
実際の現場に立つのは避けて欲しかった気もする。

Dr.コトー診療所」の様な人情的なものは存在したとしても、
医師=ヒーローの様な描き方は無いと思う。ひたすら医師は
社会への奉仕者としての貢献を求められるのかな。

取りあえず緒川たまきさん、黒川智花さん、有村実樹さんと
私好みの俳優さんが配置されている所が嬉しい(^o^;)

森山航平 … 竹野内 豊 (市役所職員)
田中愛子 … 菅野美穂 (看護師)
遠藤紗綾 … 緒川たまき (脳外科医)
田中七海 … 黒川智花 (愛子の妹)
原田和子 … エド・はるみ (看護師長)
加藤圭太 … 永田 彬 (看護師)
杉山麻衣 … 橋本真実 (看護師)
滝沢希美 … 有村実樹 (看護師)
三島千夏 … 秋田真琴 (看護師)
マコト … 沢木ルカ (ぜんそく持ち患者)
橋元聡子 … 氏家恵 (看護師)
金子 歩 … 村松利史 (患者)
薮内二郎 … 六角慎司 (外科医)
片岡庸一 … 田中 実 (医師)
柿沼高太郎 … 志賀廣太郎 (院長)
安田涼子 … 大沢あかね (妊婦・早苗の娘)
安田早苗 … 松田美由紀 (西室山市婦人会の書記長)
田中好美 … 永島暎子 (愛子と七海の母)
蓮見洋治 … 陣内孝則 (特別出演) (副市長)
仙道郁夫 … 岸部一徳 (病院・事務長)

九十九一、石本武士、吉田里琴、田鍋謙一郎、奥田ワレタ
貴詞いち子、柳田努、森本臣泰、高月純子、滝裕次郎
大西耕治、津田聖子、上村敬治、原田哲夫、肴フィッシュ
ミノケンジ、阿部紺、大野清志、宮腰裕貴、深沢謙司
緒方心咲、山形祐代

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