Tommorrow 〜陽はまたのぼる〜

脚本/篠崎絵里子

http://www.tbs.co.jp/Tomorrow2008/


第3話 暴かれた医療ミス


通勤途中の森山は、ペンキ塗り立てのベンチに腰を掛けて
しまい村上工務店の主人・伸介に怒鳴られる。すると一台の
バイクと共に男が現れ、搭乗していた男・真一は主人に対し
て、"就職祝"と書かれた封筒を投げつける。二人は親子。
真一が過ぎ去る頃、伸介はよろめいてその場に倒れてしまう。
いつもの事だと言うが、具合の悪そうな彼にすぐに病院に
来るよう忠告する航平。
病院に着くと、航平の仕事は遠藤から告げられる。
彼は外科と同時に新設する透析センターを任されることになる。
透析に通う患者は一人500万円が見込めるという。
設備投資や紹介料を差し引いても、随分利益率の高いもので
病院の再建にはうってつけだという。その利益で有能な医師
を招くことも可能であると。
金儲けの手先にされていることに対して、悔しくはないのか
と航平に問うのは愛子だった。
そんな折り、先程倒れた村上伸介が病院を訪れる。
本来週に三日、一日五時間の透析を行わねばならないのに、
一週間も通院せず仕事に没頭していたという彼。
もう少しで心不全も有り得る状況の中、病状は悪化し、一刻も
早い腎移植しかないという結論に達する。血縁者による
生体肝移植が必要と言うことだが...

市民病院と大学病院の違いを描いたような話しだった。

一人の患者に入れ込む事が医師として正しい判断なのかを
問われ、大学病院の時には患者に感情移入するよりも数を
こなせと言われてきたという航平。
しかしここでは患者と向き合いながら治療をしていきたい事、
そして再建するためには寧ろ信頼関係こそ必要なものである
事を示した流れだった。

ドラマではそれを証明するように一人の患者に対する完治まで
の道筋を、医師であり看護師である市民病院のスタッフによって
導き出したモノ。

一見村上伸介の意固地な性格は、不真面目な一面と同意義で
あるかと思えば、実は親思いであり、子供思いである事を
段取りの中から描いていく展開で、上手く過去の記憶などを
使って、自分勝手な行動ではないことを描いてみせた。

冒頭から出しゃばり続ける田中愛子の存在。
相手の気持ちなどお構いなしに先走り過ぎて、土足で入り込んで
来る様は実に嫌らしく思えたが、次第に航平の考えや意図が
分かるにつれて、彼に対する信頼感を得ていくという流れだった。

一話の感想の中にも書いたが、やはり航平の過去には、田中
愛子の母親は絡んでいそうだ。まさかそんなベタな展開は
無いだろうと思ったが、ドラマの中で偶然など有り得ない訳で
そつなく絡ませていくようだ。

七海と愛子の航平を巡る争奪戦に発展するかと思えば、そんな
過去が信頼関係を崩してしまうのか。

森山航平 … 竹野内 豊 (市役所職員)
田中愛子 … 菅野美穂 (看護師)
遠藤紗綾 … 緒川たまき (脳外科医)
田中七海 … 黒川智花 (愛子の妹)
原田和子 … エド・はるみ (看護師長)
加藤圭太 … 永田 彬 (看護師)
杉山麻衣 … 橋本真実 (看護師)
滝沢希美 … 有村実樹 (看護師)
三島千夏 … 秋田真琴 (看護師)
マコト … 沢木ルカ (ぜんそく持ち患者)
橋元聡子 … 氏家恵 (看護師)
金子 歩 … 村松利史 (患者)
薮内二郎 … 六角慎司 (外科医)
片岡庸一 … 田中 実 (医師)
柿沼高太郎 … 志賀廣太郎 (院長)
安田涼子 … 大沢あかね (妊婦・早苗の娘)
安田早苗 … 松田美由紀 (西室山市婦人会の書記長)
田中好美 … 永島暎子 (愛子と七海の母)
蓮見洋治 … 陣内孝則 (特別出演) (副市長)
仙道郁夫 … 岸部一徳 (病院・事務長)

九十九一、石本武士

guest
村上伸介 … ベンガル
村上真一 … 塩谷瞬

小貝珠樹、豊島佐恵子、藻田留理子

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