Tommorrow 〜陽はまたのぼる〜

脚本/篠崎絵里子、八津弘幸

http://www.tbs.co.jp/Tomorrow2008/


第6話 訴えられた病院


私は一生あなたを許せない。覚悟を決めて私と一緒にガンバって
と森山に声を掛ける愛子。七海が退院する。森山が医療ミスを
犯した医師だと言うことを知り複雑な表情を見せる。
愛子は昨日から20時間ぶっ続けて働いていた。看護師長の
原田和子からは休息を取るのもミスを防ぐことに繋がり、患者
の為だと忠告を受ける。愛子も分かってはいるが、職員の足り
ない分をカバーしようとして必死だった。
そんな愛子が担当する患者からナースコールが掛かる。
患者は小説家の二階堂志保。他の職人からは有名な小説家から
気に入られて羨ましいと言われるが、実際には不条理なコール
ばかりで迷惑していた。その様子を森山も見守っていた。
七海の退院にも居合わせることが出来ないほど仕事が山積して
いる愛子。昼食を簡単に済ませようとしてカップ麺を食べようと
するも容赦なく志保からナースコールが鳴る。
原田和子は最近病院にもモンスターペーシェントが増えている
事を告げられる。

地域に根ざした市民病院としての再建そして在り方を考える中
で、クレームをつける患者に悩まされる職員たち。そんな患者に
誤って薬を過料に摂取してしまい更に問題は複雑さを極めていく。

今回は市民病院としての一つの結論を描いた話しだった。
医者と患者が互いの立場を理解し歩み寄って助け合うこと。
亡くなる前に小説家が悟ったことだ。

医師は仕事なのだから患者の世話をするのは当然だという傲慢
な市民の態度。医師が治しているのだから患者は多少は
我慢すべきだという病院側の傲慢な態度。二つの間を隔てる
大きな壁の存在。
互いに歩み寄れば問題は解決出来る事を示唆する話しだった。

患者の笑顔が見たいが為に仕事をしていると愛子の言葉。
しかし患者・二階堂志保は、忙しさを理由とした医療ミスは
言い訳にしかならず、結局煩わしい患者をぞんざいに扱った
ものとして認知している。この様な不信感が生まれる原因の
一つにコミュニケーションの不足が考えられるが、互いに
なんでも仕事や責任を相手に押しつけず、やれることは自ら
率先してやるべき事を示唆している。

また今回は医療ミスを冒す側の立場を描くことで愛子に森山の
苦悩を実感させるという役割も描いている。
患者と医師の問題ばかりでなく、医師と看護師も互いに歩み
よらねばならないからね。

ドラマは冒頭から患者二階堂志保の暴走を描いた話しだが、
それと同時に自分が現在やっていることは不本意なもので、
人生は意味のないものだと認識している。更に彼女の役割を
金蔓としか思っていない編集者のお陰で、彼女の人生が孤独
であるかのような錯覚を起こす。そんな中で医師達の暖かい
対応を見せられ、そんな優しい姿に一度は信頼しかけるが、
医療ミスを冒すことで、関係が離れてしまうと言う難儀な展開
を用意した格好だ。

自分のやりたかった仕事である離島の人々を取り上げた小説。
亡くなる直前に人生の原点に立ち返らせ、人生に悔いは無か
ったとして見送る医師達の奮闘。
看護師は精神的なケアも同時に行わねばならないという難しい
ものだが、その分結果として戻ってくるとこれ程嬉しいもの
は無いのかも知れないね。

森山航平 … 竹野内 豊 (市役所職員)
田中愛子 … 菅野美穂 (看護師)
遠藤紗綾 … 緒川たまき (脳外科医)
田中七海 … 黒川智花 (愛子の妹)
原田和子 … エド・はるみ (看護師長)
加藤圭太 … 永田 彬 (看護師)
杉山麻衣 … 橋本真実 (看護師)
滝沢希美 … 有村実樹 (看護師)
三島千夏 … 秋田真琴 (看護師)
マコト … 沢木ルカ (ぜんそく持ち患者)
橋元聡子 … 氏家恵 (看護師)
金子 歩 … 村松利史 (患者)
薮内二郎 … 六角慎司 (外科医)
片岡庸一 … 田中 実 (医師)
柿沼高太郎 … 志賀廣太郎 (院長)
安田涼子 … 大沢あかね (妊婦・早苗の娘)
安田早苗 … 松田美由紀 (西室山市婦人会の書記長)
田中好美 … 永島暎子 (愛子と七海の母)
蓮見洋治 … 陣内孝則 (特別出演) (副市長)
仙道郁夫 … 岸部一徳 (病院・事務長)

九十九一、石本武士

guest
二階堂志保 … 杉田かおる
松永泰三 … 品川徹
牧田シュウジ … 緒形幹太

谷川昭一郎、小山弘訓、久保田智子(アナ)、竹内香笛(アナ)

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