Tommorrow 〜陽はまたのぼる〜

脚本/篠崎絵里子、八津弘幸

http://www.tbs.co.jp/Tomorrow2008/


第7話 見捨てられた患者 涙の訳


新聞の記事に目を通すナースステーションの看護師達。
西山室市民病院の事が取り上げられており、医師不足の深刻化
地域医療の崩壊が問題となっていた。松永議員は秋の選挙選に
於いて再建を公約に掲げており、今回マスコミが取り上げた
事に苛立ちを隠せない。遠藤や副市長の蓮見を呼び出し、この
ままでは銀行の融資も打ち切りになるとはっぱを掛ける。
もう一度だけチャンスをくれというと遠藤は早速病院を脳外科
専門病院にすべく、島谷哲という脳外科医を招聘し、この病院
の半年後の未来図を述べ、この病院に来てくれる様説得する。
そして遠藤は職員達に対して、給料の3割カットと能力に応じて
人員整理を行うことを宣言。それに反発するのは看護師達
だった。病院は医師だけで成り立っているのではなく、看護師
や栄養士、薬剤師や事務員など様々な人が支えている。
看護師長の原田は職員の代表として遠藤の方針には納得できない
事を告げるが、遠藤は気にする様子も見せない。
そんな中急患の受け入れ要請が来るも、急患は禁止だとして
受け入れを拒否した。副市長も断腸の思いで、これしか方法が
ないと唇をかみ締めた。
そんな折り、事務員の仙道と森山はパソコンの画面に向かって
何やら話し合う。そこに看護師達がやってきて、何をしている
のか尋ねると、出会い系のホームページを見ているのだという。
怪訝な顔を見せる看護師達に、医師たちの募集希望が記載され
ている出会い系である事を説明し、隣町で赤字体質の病院が
再建された事例を説明する。再建に必要なのは医師を集める事。
一人増えると年に一億五千万円の利益が増えるという。遠藤
とは違う方法で我々もアプローチすべきだという言葉に愛子
らは微笑みの表情を見せるのだった。

救急患者の受け入れ要請拒否、一般外来の受け入れ拒否、
職員も脳外科専門の医師だけを受け入れるという方針を貫く遠藤。
それが果たして病院再建に正しい道なのか。

ドラマとしてはそんな方針を打ち出した遠藤自身が、救急患者
として運ばれるというシチュエーションを用意し、彼女にも
一定の理解と妥協を促す展開を用意した。

最後に必ずオペシーンを用意し、展開を劇的に変化させよう
としているシナリオの流れでは有るが、今回もこれまでと
同様にそれなりの心境の変化を促すことが出来るのか。

ドラマとしては面白い展開だが、現実として見ると遠藤の手術
シーンは出来すぎているし、現実問題として何の問題の解決に
もなっていない所が悲しいところ。
専門病棟と併設する形で市民病院を存在させても果たして
採算は合うのかが今後の興味の示すところだろうか。

このドラマで一番の疑問だった、こんな偏狭の地に専門病院を
建てたところで患者が来るのかという問題を、今回の主張の中
で盛り込んでいるところも興味深い。
実際にはどうなるか分からないが、主張の中に地域振興と結び
つける点に於いてはとても狡賢いものが有る。

金子歩のエピソードは、医師達の間に初心を顧みさせる為に
存在するような内容だった。金子歩自身が妙に低姿勢だった
ところが印象的だが、ここで彼の病状が悪化して亡くなること
になる場合、遠藤はどうするつもりだったのだろうか。

森山航平 … 竹野内 豊 (市役所職員)
田中愛子 … 菅野美穂 (看護師)
遠藤紗綾 … 緒川たまき (脳外科医)
田中七海 … 黒川智花 (愛子の妹)
原田和子 … エド・はるみ (看護師長)
加藤圭太 … 永田 彬 (看護師)
杉山麻衣 … 橋本真実 (看護師)
滝沢希美 … 有村実樹 (看護師)
三島千夏 … 秋田真琴 (看護師)
マコト … 沢木ルカ (ぜんそく持ち患者)
橋元聡子 … 氏家恵 (看護師)
金子 歩 … 村松利史 (患者)
薮内二郎 … 六角慎司 (外科医)
片岡庸一 … 田中 実 (医師)
柿沼高太郎 … 志賀廣太郎 (院長)
安田涼子 … 大沢あかね (妊婦・早苗の娘)
安田早苗 … 松田美由紀 (西室山市婦人会の書記長)
田中好美 … 永島暎子 (愛子と七海の母)
蓮見洋治 … 陣内孝則 (特別出演) (副市長)
仙道郁夫 … 岸部一徳 (病院・事務長)

九十九一、石本武士

guest
松永泰三 … 品川徹

山田明郷、上杉祥三、神尾佑、小島康志、勝倉けい子
柴田次郎、古賀清、瀬戸寛、柳田努、上杉敬治、井上浩
原田哲光

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