Tommorrow 〜陽はまたのぼる〜

脚本/篠崎絵里子、八津弘幸

http://www.tbs.co.jp/Tomorrow2008/


第9話 妻の死と病院閉鎖


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森山はこの日、見知らぬ女性から診察を受けることになる。
その女性は仙道の妻・昌江だった。彼女は地元の開業医であり
この日市民病院の施設を見に来るついでに、患者を一人市民病院
へと紹介状を書き転院させようとしていた。

仙道と昨晩の食事の件で言い争う姿もとても仲が良く映る二人。
昌江は患者にも気さくに話しかけ、面倒見が良いことで有名
だった。もうこの市民病院に紹介も出来ないなるのねとため息。
施設を見せて欲しいと言う彼女だが、突然倒れることになる。

一方その頃、この病院に来るハズだった大学病院の医師達が
来られなくなる。遠藤は在学中の大学病院から何らかの圧力が
かかったものだと推察する。その事を副市長に報告する。

昌江の症状は重かった。
このまま意識が戻らない可能性が高いと診察。
遠藤からは自発呼吸が弱くなっているので人工呼吸に切り
変えれば延命措置も可能だという。仙道は考えさせて欲しいと
告げる。

遠藤はその頃、母親・恵子が入院する嶋脳外科専門病院へと
足を運ぶ。医師の佐竹から恵子が倒れていたときの荷物が
手渡される。

その頃西山室市民病院では副市長から、今月末をもって病院を
閉鎖することが告げられる。建物ごと取り壊して大規模なホテル
を中心としたリゾート地として再開発されるという。これは
全て松永議員のアイディアである事を言われ言葉を失う。
森山は立ち去る副市長に、どんな形であっても病院として残して
おけば復活の可能性が有るのに、その可能性を捨てるのか問う。
医師や看護師は身を削る思いで患者と向き合っており、地域医療
の中心としてどうしても必要であることを切実に訴える。
しかし副市長はその場で土下座し、病院が潰れるか市が潰れる
か、厳しい状況である事を説明する。
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仙道の妻が意識不明の重体。
彼女は亡くなる前に、延命措置に対する自分の見解を
"リビング・ウィル"と言う名の尊厳死の宣誓書を書いていた。

色んな要素が複雑に絡み合う展開だった。
延命措置に対して、それを見守る遺族のものたちの気持ちを
描いたのが、基本的に今回のテーマだと思う。その裏では
当然このドラマ全体のテーマである市民病院存続の是非が描か
た。

ドラマではかなりベタな展開ではあるのだが、人は愛されて
育たない限り、他人に配慮を見せることなど無い事を
暗に謳っている展開でも有る。
それを証拠に遠藤が母親から愛されていると分かった後の、
彼女の変わり身の早さ。初めて患者の気持ちが分かりたいと
思ったという。そして患者と向き合うことの意味を知る。

ドラマを見ているとこんな議員を誰が支持しているのかとか、
副市長の言いぐさやリアクションもかなりオーバーだなと感じて
しまう。財政破綻するほどの借金に見えないところがあるな。

しかし遠藤の悩みが一つ解決した所で、病院閉鎖が決定して
しまうというのが皮肉だね。彼女も存続側に回ればとても力
強いものになったのにね。

森山航平 … 竹野内 豊 (市役所職員)
田中愛子 … 菅野美穂 (看護師)
遠藤紗綾 … 緒川たまき (脳外科医)
田中七海 … 黒川智花 (愛子の妹)
原田和子 … エド・はるみ (看護師長)
加藤圭太 … 永田 彬 (看護師)
杉山麻衣 … 橋本真実 (看護師)
滝沢希美 … 有村実樹 (看護師)
三島千夏 … 秋田真琴 (看護師)
マコト … 沢木ルカ (ぜんそく持ち患者)
橋元聡子 … 氏家恵 (看護師)
金子 歩 … 村松利史 (患者)
薮内二郎 … 六角慎司 (外科医)
片岡庸一 … 田中 実 (医師)
柿沼高太郎 … 志賀廣太郎 (院長)
田中好美 … 永島暎子 (愛子と七海の母)
蓮見洋治 … 陣内孝則 (特別出演) (副市長)
仙道郁夫 … 岸部一徳 (病院・事務長)

九十九一、石本武士

guest
松永泰三 … 品川徹
仙道昌江 … 水沢アキ
佐竹 … 山田明郷
遠藤恵子 … 勝倉けい子
幼い頃の紗綾 … 柴田杏花

森山米次、結城さなえ

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