トップセールス

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第5話 別れ

1980年5月。優秀セールスで4度目受賞を果たす久子。
表彰式の一ヶ月後。営業所で父親らしき人影を目撃する。
気のせいかと思ったが近所の住民がより詳細に父親の居所
を知っていた。父親は現在寄席の呼び込みをやっているという。
半信半疑、久子は父親の様子を見に行くと、20年前の別れた
時と変わりない父親の姿があった。父親には一緒に住む女性
もおり、久子は少なからずショックを受ける。母親に話すべき
かで悩んでいると仕事にも影響が出始める。久子から事情を聞
いた岡野は、光枝と密かに会い父親の存在を告げる。
光枝は父親に会いに行き、一度くらい娘と真剣に向き合う様
告げる。その帰り営業所に立ち寄る光枝だが、その時岡野が
病で倒れてしまう。検査入院が必要だということで、営業所
には本社から臨時の社員が送り込まれてくる。なんとそれは
誰でもなく久子がよく知る柴田だった。

父親から見捨てられたも同然の久子。
今回岡野の顧客である横山家の事情と上手く重ね合わせて
描かれた話しである。
ただドラマでは時代性を反映し、この様な家庭は決して珍しく
無いことが叫ばれている。

豊かになる為に働き通し、結局日本人が手に入れたものは何な
のか。父親の居ない家庭の姿。家族の未来を作るための手助け
をするために車を売っているはずが、現実は違う方向へと
傾き始めている。

久子の家庭も車を購入し、借金の末に結局家庭は崩壊した。
そんな結果を残すまいとして、今回出てきた横山家の家庭の形
を再び取り戻すまでを描いた。

岡野が亡くなるというのは衝撃的だった。
彼は本社からの販売台数ばかりを押しつけてくる経営方針と
対峙し、そんな声から社員を守る防波堤の役割を果たしていた。
久子にとって父親代わりで有り、それは彼女一人だけではなく
社員の全員の父親でも有る。

置き土産として彼の残した言葉は「希望を売れ」との事。
生前の彼が車のセールスは狩りのように見えるが、実は
農業のようだといった。大事に顧客との信頼関係を築く事で
収穫が得られるのだと。とても上手い例えで納得するものが
有ったが、岡野の居ない営業所がどんな風になってしまう
のか少し心配ではある。

槙野久子 ...夏川結衣
柴田隆男 ...椎名拮平
柴田(野沢)真理子 ...石田ひかり
大森吾郎 ...山口馬木也
高村雅之 ...大沢健
槙野光枝 ...十朱幸代
槙野浩太郎 ...石橋蓮司
岡野英二 ...蟹江敬三
谷口克彦 ...鈴木一真
藤山邦子 ...梅沢昌代
中野晴美 ...佐藤仁美
佐々木義男 ...塩野谷正幸
森達郎 ...櫻井章喜
阿部幸雄 ...塩谷瞬

guest
梅田八重 ...秋野暢子
横山早苗 ...野村真美
横山敦也 ...浅利陽介
横山敏之 ...松澤一之

山田辰夫、上杉祥三、本間康之、平山佳子、堀田悠衣
松原菜野花

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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