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第8話 未来への選択

1992年1月。バブルの煽りでSUBの売り上げも下降気味。
そこで槙野はショールームをダンスステージにする企画を立て
る。真理子も招待。企画は大成功し、槙野は社長直々に誉めら
れる。真理子はショールームで吾郎を見かけ声を掛ける。
吾郎は真理子の前で現在の心境を語る。バブル時代は世の中
を動かしている様な錯覚に陥り、成り上がったつもりが
犯罪の片棒を担いでいただけであるという。そして真理子を
抱きしめずっと好きだった事を告白する。そんな吾郎に対して
真理子は、私と似ていると語る。私もチャコに負けない人生を
送ろうと思っていたと話し、互いに自分の人生を歩むべき事
せ告げる。
一方通産省ではアメリカの圧力によって部品購入を迫られ
対応に苦慮していた。190億ドルという購入目標を数値として
入れたことは、かつての半導体の時と何ら変わっていない事を
意味していた。
1993年8月。ミヤケの本社では円高の損失補填のために、
下請けからより一層の部品を買い叩きを指示すると共に、
国産からより人件費の安い海外へのシフトを指示。柴田は反対
意見を出すが、部長の浜崎は会社が生き残る為には仕方が
無いという。
一方槙野は城東支店に異動になる。売り上げ最下位の店の
店長となるが、彼女は客と接するのと同じように、部下と
付き合うときにも好意と尊敬を持って接するよう心がける。

バブル後、日本の経済に降り掛かる不況の嵐と同時に、
アメリカからの部品購入圧力によって、自動車産業が振り
回される話しを描いた。

槙野のエピソードは出世街道まっしぐらの彼女。
外資企業でも結局考えていることは同じで、彼女を広告塔に
しか考えていない寂しい一面が見られる話しだった。しかし
それでも社長というポストを用意するところは、日本企業
以上に先進的な考えを持っているだろうか。

社長になり現場の事が疎かになる。
経営者として数字ばかりに目が回るようになり、初心を忘れて
いたということで、再び現場に戻ることを誓う。
それと同時に苦境の日本自動車産業に舞い戻り、初めて勤めた
ミヤケの販売店に戻ると言う、まさに初心に返るまでを描いた
話しだ。

吾郎のエピソードはとても心細いものがあったが、バブルで
犯した自らの罪を償うべく、町工場を走り回って実情を訴える
など、彼らしい位置に戻った感じか。

このドラマ、配役のポジション設定が絶妙に割り振られており、
高村は政界、柴田は経済界、吾郎はマスコミ関係と、面白い
連携が取れている所が、今回改めて感じる作りだった。

柴田の敵はアメリカばかりでなく、日本政府の政策決定にも
その目が向けられている。
国としてのメンツを取るべきか、実利を取るべきかで主張を
戦わせているところなど、とてもよく出来た点。
ただこのドラマを少し広い目で見ると、柴田のやっている
事も自動車産業の事ばかりを考えて動いている感じだけどね。
全ての面に於いて完璧な解決方法など無い点が、このドラマを
より深いドラマにさせているような気がする。

槙野久子 ...夏川結衣
柴田隆男 ...椎名拮平
柴田(野沢)真理子 ...石田ひかり
大森吾郎 ...山口馬木也
高村雅之 ...大沢健
槙野光枝 ...十朱幸代
槙野浩太郎 ...石橋蓮司
岡野英二 ...蟹江敬三
谷口克彦 ...鈴木一真
藤山邦子 ...梅沢昌代
中野晴美 ...佐藤仁美
佐々木義男 ...塩野谷正幸
森達郎 ...櫻井章喜
阿部幸雄 ...塩谷瞬

guest
西脇社長 ...夏八木勲 (SuB社長)
有吉 ...根本博成 (城東支部営業)
高部奈美 ...天城純子 (吾郎のアシスタント)
田口 ...土屋良太 (通産省)
足立則辰 ...中西良太 (顧客)
山村専務 ...利重剛 (SuBの専務)
笠井所長 ...上杉陽一
末永智史 ...金子昇 (SuBの支店長)
ヒロ山川 ...パク・ソヒ (アメリカの工場)
浜崎部長 ...益岡徹 (ミヤケ自動車)
八代修 ...北村有起哉 (町工場)
八代富雄 ...高橋長英 (町工場)
春田部長 ...酒向芳

黒沼弘巳、じゃんじゃん、すがぽん、森川弘和、北山徹子
亀山助清、三浦清光、唐木ちえみ、南風佳子、和川未優
佐藤旭、須藤正三、斉木隆行、遠野祐起、信國輝彦
横山大樹、関彰文、多田光、星野美穂、吉村京太、広島光
二津一行、小川功治朗、島田陽、奥悠輔

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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