相棒 シーズン8
(2009年度10月期・テレ朝)

チーフプロデューサー - 松本基弘
プロデューサー - 伊東仁、西平敦郎・土田真通
脚本:輿水泰弘(1)

http://www.tv-asahi.co.jp/aibou_07/


第1話 カナリアの娘

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暫く休暇を取りロンドンへと旅立っていた右京。
この日成田空港に戻ってくる。空港ではたまきが待っていた他
なんと神戸までもが待っていた。
右京はたまきの車で帰ろうとするが、たまきは早く解け合う
為にも神戸の車で帰った方が良いとして一人で帰ってしまう。
仕方なく神戸の車に同乗する右京。
帰り道で警視庁の白バイが車を止めている姿を目撃する。
千葉県なのに何故管轄外の警視庁の白バイが活動しているのか。
疑問に思った右京は神戸に言って白バイを追うことになる。
しかしパーキングエリアに入った所で不思議なことに白バイが
消えてしまったのである。

一方その頃、白バイ警官に扮した脇田輝之は、本多篤人に接触。
全ては脇田が作った偽造パスポートで帰国させ、偽造の免許書
も彼が用意したモノだった。今後はこの携帯電話で連絡を取る
として携帯を手渡される。携帯の画面には篤人の実の娘である
・早瀬茉莉が監視されている姿が写されていた。
彼は指示通り仲間のいる高倉俊司の元へと連れて行かれて、
娘の命と引き替えに爆弾を作るよう要求する。本多篤人は70年
代に活躍した左翼過激派"赤いカナリア"の幹部の一人だったの
である。

特命係に戻り白バイのナンバープレートを照会すると偽造である
事が分かる。右京は白バイに止められていた車のナンバーも照会
してみると、今宮幸夫のものだと判明する。
早速今宮の家を訪れると留守にしていた。近所の人によるとまた
欧州に旅行に行ったらしく、2週間くらいは帰国しないという。
右京は雨戸が閉まっていないことに気がつき、更には鍵が掛かっ
ていない事を知ると部屋の中に勝手に入っていく。
畳が不自然にふわふわしているのを知り開けてみると敷き詰めら
れているハズの板が無く、土が見えていたのである。しかも凄
い腐敗臭がするので掘ってみると遺体が見つかる。

現場は捜査一課に引き継がれて、右京らは内村と中園から呼び
出し。その後特命係に戻ると小野田が待っていた。
小野田は右京らに本多篤人が日本に帰国して潜伏中であり、
破壊活動を計画中であることを知らされる。小野田は篤人とは
友人であり同士であり、そんな彼から直接電話を受けたことを
語る。彼は破壊活動はしたくない立場の人間で、何者かに娘・
茉莉を爆弾を作らねば脅されている事。娘の安全が保証されれ
ば破壊活動を辞めると言っているとの事なので特命に警護を
任せたいという。公安の仕事ではないか?と問いかけるが、公安
が動けばテロリストと交渉したことになるというのだった。
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初回二時間スペシャル。
シーズン8にしてようやくリアルタイムで感想をかける時が来た
って感じ。

相棒では定番の"赤いカナリア"ネタだが、活動も終息しており
幹部連中も逮捕されている感じだし、今後このネタで引っ張り
通すのも難しいのかな。

ドラマとしてはあんまり捻りが無い展開だった。
唯一のサプライズは早瀬茉莉が実際にはテロ組織に加担していた
と言う点。復讐のために多数の死者を出すであろう破壊活動に
協力するというのは正直信憑性がないし、この二人の犯人も
何の信念もなく犯行に及ぼうとしている点には全くのリアリティ
は無い。

茉莉が服をクローゼットの中に収納しなかった事や化粧品が
洗面所にない点を指摘し疑っていたが、そんなものなのかなと
思った。

小野田と本多篤人の繋がりもまたかなり厳しい物で、かなりの
強引さを感じる。
ただ一連の事件でテロリストとは表面的には交渉できないと
言う割りに実際には交渉していたりする点や、確信犯的に動画
ファイルを削除している点など小野田らしい小狡さが出ていて
面白かった。

シーズン7の最終話で既に右京&神戸の相棒の姿は描かれていたが
今回からようやく本番という感じである。
右京が早くも神戸の煩わしい一面を感じて無視したり、単独で
捜査にあたってしまうという点が面白い要素として存在している。
意外に厳格な態度をもって右京に接してくる点など、好奇心が
強い右京が嫌いそうな要素だね。元々特命は何者にも
縛られないところが良いところなので、お目付役の神戸は今後
ともに活動に於けるアクセントとして使用されるのかも知れない。

そして神戸自身も薫とは違って優秀な一面を持っている。
右京ほどではないが今回の一件でも右京がしていたことの意図
を知り、茉莉が自作自演を起こしているところを見抜いた点は
立派だ。
しかし彼の中にも小野田のように優先的に処理すべき案件を
見比べて小さな犯罪を見逃すしてしまうという辺りは、今後
右京と衝突していきそうな要素として存在している。

杉下右京 …… 水谷豊 (警視庁・特命係)
神戸尊 …… 及川光博 (警部補・特命係)
宮部たまき …… 益戸育江 (小料理屋"花の里"。元右京の妻)

伊丹憲一 …… 川原和久 (警視庁刑事部捜査第一課員)
三浦信輔 …… 大谷亮介 (警視庁刑事部捜査第一課員)
米沢守 …… 六角精児 (鑑識課)
角田六郎 …… 山西惇 (組織犯罪対策五課)
内村完爾 …… 片桐竜次 (警視長)
中園照生 …… 小野了 (警視正)
小野田公顕 …… 岸部一徳 (警察庁/警視監)
大河内春樹 …… 神保悟志 (警察庁長官官房室長)
芹沢慶二 …… 山中崇史 (捜査一課。伊丹の後輩)
大木長十郎 …… 志水正義 (組織犯罪対策部)
小松真琴 …… 久保田龍吉 (組織犯罪対策部)

本多篤人 …… 古谷一行 (赤いカナリアの元幹部)
早瀬茉莉 …… 内山理名 (篤人の娘)
茉莉(幼少)役 …… 池田心雪
脇田輝之 …… 弓削智久 (自動車整備工)
高倉俊司 …… 鈴木一真 (大学助教授)

和泉ちぬ、水谷理砂、河野達郎、瀬戸口剛、中尾尚人
佐藤裕、瀬野和紀、須永慶、鈴木豊、速見領、矢代和央
新虎幸明、石塚初美、城戸光晴、笠井友規

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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