相棒 シーズン8 (2009年度10月期・テレ朝) チーフプロデューサー - 松本基弘 プロデューサー - 伊東仁、西平敦郎・土田真通 脚本:輿水泰弘(1)、太田愛(2) http://www.tv-asahi.co.jp/aibou_07/

第2話 さよなら、バードランド
--------------------------------------------------------
証拠品(福助人形)を民間人に返しに行く、右京と神戸。
右京は神戸の運転が嫌でバスでやってくる。返却したまでは良か
ったが神戸が近道だとして別の路を選んだことで軽く道に迷っ
てしまう。最終の上りのバスは目の前を通り過ぎてしまい、
仕方なく近くのレストランで腹ごしらえする。
そのレストランには先客がいた。
下りのバスが有ったために取りあえず今晩泊まる宿へと向かう。
するとその宿で殺人事件が起こる。
殺害されたのは広田哲夫。捜査には既に一課のメンバーや鑑識
が来ていた。背後から青銅の花瓶で一撃を喰らって亡くなって
いた。最後に仲居が被害者を見たのは17時30分。遺体を見つけ
たのは18時。30分の間に殺害したことになる。犯人は庭から
浸入したことは明らかだった。

広田が閲覧していたノートPCの中に、出資を打ち切る企業の
リストが有る。そこに青柳の会社の名が掲載されていた。
しかし青柳のアリバイは右京達がレストランで見掛けているこ
とから存在していた。しかし右京は近くに宿があるのに何故
青柳はレストランで食事をしていたのか気になる。
青柳は大学のジャズ研の仲間の集まりに来たという。
九段商事の渡辺政雄、CMプランナーの黒木芳彦、東都大の准教
授の宇野宗一郎。みんなに話しを聞くが四人の関係は複雑そう
に見える。右京は個別に話しを聞けば色んな話が聞けるかも
知れないと考える。

黒木に話しを聞く。
渡辺と青柳が特別な関係に見えるのは、かつて渡辺の父親が
多額の負債を背負ったときに青柳が金を貸したのだという。
また宇野が書いた論文は青柳と学生時代共同で書いたモノだと
いう。梨絵はかつて渡辺の彼女だったが、黒木が強引に奪い取
ったという事も聞く。
--------------------------------------------------------

ドラマでは交換殺人をテーマとした話だった。

今回の黒木芳彦という人物は何故妻の梨絵を殺害したいと思って
いたのだろうか?土地の権利を奪うためのものなのか?

かつての4人の仲間の全員が捜査線上に上がり犯人当てになると
いう展開は面白かったが、正直広田哲夫という人物を殺害する
だけの動機として存在するのは青柳和樹だけだったし、青柳に
協力して殺害に及んだのか?という点に於いては相当理由として
は弱いものがあった。

右京の頭がよく切れるのは分かるが、随分彼の頭の中だけで処理
したところも多く、物証から真相にたどり着くには相当難しい
ものが有るようにも感じる。
物証の少なさに比べて随分と手の込んだ解法を用意してあり、
かなり説明っぽくなってしまった所など、もう少し簡潔にすべき
だったのかもしれない。

しかし結局階段に細工したわけではないし、音楽を鳴らしただけ
で殺害することを予期出来る物なのかという点で、裁判でも
立証できるとは考えづらいし、正直今回犯人が否定すれば、
殺意の立証は難しかったのではないかなと思う。

交換殺人に於いて、黒木自らが殺人のターゲットになってしまっ
たという点では面白い皮肉なのかも知れない。

かつてジャズを通して時間を共有していた仲間ではあるが、
現在の集まりがほぼ形だけのものとなっている感じなど、
なんとなく切なさを感じるシナリオだった。

杉下右京 …… 水谷豊 (警視庁・特命係)
神戸尊 …… 及川光博 (警部補・特命係)
宮部たまき …… 益戸育江 (小料理屋"花の里"。元右京の妻)

伊丹憲一 …… 川原和久 (警視庁刑事部捜査第一課員)
三浦信輔 …… 大谷亮介 (警視庁刑事部捜査第一課員)
米沢守 …… 六角精児 (鑑識課)
角田六郎 …… 山西惇 (組織犯罪対策五課)
内村完爾 …… 片桐竜次 (警視長)
中園照生 …… 小野了 (警視正)
小野田公顕 …… 岸部一徳 (警察庁/警視監)
大河内春樹 …… 神保悟志 (警察庁長官官房室長)
芹沢慶二 …… 山中崇史 (捜査一課。伊丹の後輩)
大木長十郎 …… 志水正義 (組織犯罪対策部)
小松真琴 …… 久保田龍吉 (組織犯罪対策部)

青柳和樹 …… 大浦龍宇一 (ジャズ雑誌"バードランド")
渡辺政雄 …… 吉見一豊 (九段商事)
黒木芳彦 …… 神尾佑 (CMプランナー)
宇野宗一郎 …… 増沢望 (東都大の准教授)
黒木梨絵 …… 大竹一重 (妻)
広田哲夫 …… 牟田浩二 (被害者)

奏谷ひろみ、沼崎悠、牟田浩二、さいとう芽美、小田マナブ

評価：★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)