相棒 シーズン8 (2009年度10月期・テレ朝) チーフプロデューサー - 松本基弘 プロデューサー - 伊東仁、西平敦郎・土田真通 脚本:輿水泰弘(1)、太田愛(2)(3)、戸田山雅司(4) http://www.tv-asahi.co.jp/aibou/

第4話 錯覚の殺人
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AM10:55。城東大学で知覚心理学を専攻している好田究はこの
日、テレビ番組の収録のためにセントラルテレビへと向かって
いるが、車が渋滞していて予定の11時までに到着しないと制作
の大岡に電話する。11時半までには着きそうだと連絡を取り
了承を貰う。
電話すると彼はLUNA CRISISのキャップとスタジャンを着て
機材の搬入スタッフの一人として紛れ込む。隙を付いてテレビ
局内部に浸入し、テレビ局の総務部・山名絵美と逢う。
AM11:00になると絵美は誰も居ないAスタジオへと足を運ぶ。
仕事中には髪の毛を後で束ねているが、彼氏の好田に会うと
して髪の毛を垂らす。そして階段の所にいると好田がやってく
る。彼はポケットから婚約指輪を取りだし彼女に指輪をプレゼ
ントする。しかし指輪のケースには指輪がなかった。階段の下
を覗くと下から光る物体が見つかり、彼女はあそこに落とした
のではないかと告げ手すりから乗り出す。その隙に乗じて、
好田は彼女を階段から突き落として落下させて殺害する。

その頃右京と神戸は番組スタッフの坂本に呼ばれてテレビ局に
来ていた。番組宛てに送られてきた謎の粉の件で、何か怪しい
物質ではないかと疑っていたが、検査してみると単なる蕎麦に
使われる中力粉だった。子供向け番組"あつまれトンチッチ!"
の中で、そば粉が足りなくなった場面が放送され、それを不憫
に思った子供から送られた来たのではないかという。

AM11:15。好田はテレビ局内から逃げようとして裏口に回るが、
裏口はLUNA CRISISの事を出待ちしているファンたちが屯して
いた。好田はその場に有った衣装を盗み、ポスターに書かれた
宅配業者"タツミ急便"に成り済まして出て行く。

右京らは折角テレビ局に来たのだから食堂でランチしようかと
話し合っていると、そこに好田が番組スタッフの大岡と竹井に
引きつられて入り口から入ってくる。神戸は好田は最近テレビ
にも出演している有名人でよく知っていた。
そんな中、Aスタジオで女性が階段から落下して亡くなったと
警備員らが騒ぎ出すのを耳にする。

警備員が遺体を発見したのはAM11:25。手すりには被害者の
指紋が有り、階段の上から落下したのは明らかだった。
遺体の近くにリップグロスが落ちていたので、それが落ちて
のぞき込んだ時に誤って滑り落ちたのではないかという。
しかし誰も居ないようなスタジオに何故彼女が居たのか。

被害者の山名絵美はテレビ局内の総務部のスタッフとして働い
ていた。彼女の同僚から話しを聞くと、真面目だったというが
あまり自分のことを話したがらないので、彼氏が居たのかどうか
は良く解らないという。机の上の写真を見る限りでは仕事中には
髪の毛を後で束ねていたようだった。右京は絵美のスケジュール
帳の中に謎の数字が書かれていた事。そして彼女の異性関係を
同僚に尋ねたときに、池谷佳彦だけは動揺するような表情を
見せた事に気がつく。
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テレビ局で起きた転落事故。
果たしてこの一件は事故なのか、それとも殺人事件なのか。

転落事故を事件とするまでの着眼点は、誰も居ないハズのスタ
ジオに何故関係のない被害者が訪れていたのか・・という事だ
ろうか。

アリバイのトリックを暴く物で、主に容易に入ることは出来な
いテレビ局への出入りをどのようにしたのかというのが今回の
メインとなる所だった。

厳密に言うと彼がテレビ局に居たことを暴いたところで、それが
殺人の被疑者とするにはまだまだ煮詰めなければならない所も
多い。

今回は神戸も推理に加わり彼らしい洞察力で捜査をするが、
それ以上に犯人が上手で、その犯人の思考を上回るのが右京だ
という構図だった。

錯視の専門家という事で、その特徴をアリバイトリックの中に
加味したという点では面白いし、一連の殺人事件の動機の中にも
人間の錯覚を取り入れたという事で、やや不可解さも感じる
殺害動機だが、形としては上手くできていると思う。

テレビ局で盗んだシャツを何故何時までも着ていたのだろうか。
着ていたという事実の中にこのドラマ最大の物証が含まれている
為に脱がれては困るのだが、用意してきた服だって有るだろうし
右京に着眼点を持たれるハメになる靴の件でも、思わぬ所で
計画犯罪の綻びが有るところは、人間らしいところでも有るのか
も知れない。

被害役の高松あいさんが可愛らしかったな。
長良プロダクションの人みたいだけど、事務所のタレントリスト
を見るとかなり異彩を放っている人って感じもする。

伊丹が神戸の存在についてちょっと不審に感じ始めたね。

杉下右京 …… 水谷豊 (警視庁・特命係)
神戸尊 …… 及川光博 (警部補・特命係)
宮部たまき …… 益戸育江 (小料理屋"花の里"。元右京の妻)

伊丹憲一 …… 川原和久 (警視庁刑事部捜査第一課員)
三浦信輔 …… 大谷亮介 (警視庁刑事部捜査第一課員)
米沢守 …… 六角精児 (鑑識課)
角田六郎 …… 山西惇 (組織犯罪対策五課)
内村完爾 …… 片桐竜次 (警視長)
中園照生 …… 小野了 (警視正)
小野田公顕 …… 岸部一徳 (警察庁/警視監)
大河内春樹 …… 神保悟志 (警察庁長官官房室長)
芹沢慶二 …… 山中崇史 (捜査一課。伊丹の後輩)
大木長十郎 …… 志水正義 (組織犯罪対策部)
小松真琴 …… 久保田龍吉 (組織犯罪対策部)

好田究 …… 近藤芳正 (城東大学教授、知覚心理学)
山名絵美 …… 高松あい (24歳、セントセルテレビ・経理部)
池谷佳彦 …… 松尾正寿 (セントセルテレビ・経理部)
福永ミノル …… 坂本真 (TVのMC)
大岡 …… 宮本大誠 (テレビ局・制作)
竹井 …… 坂本恵介 (テレビ局・スタッフ)
加藤 …… 蒲田哲 (セントセルテレビ・経理部／池谷の上司)
坂本 …… 加藤忠可 (テレビ局。不審物が送られて右京らを呼ぶ)
--- …… しのへけい子 (衣装)

高田彩香、仲原舞
永井博章、三国由奈、津阪雄一、常石梨乃、長野真歩

評価：★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)