相棒 シーズン8
(2009年度10月期・テレ朝)

チーフプロデューサー - 松本基弘
プロデューサー - 伊東仁、西平敦郎・土田真通
脚本:輿水泰弘(1)、太田愛(2)(3)、戸田山雅司(4)、徳永富彦(5)
福田健一(6)

http://www.tv-asahi.co.jp/aibou/


第6話 フェンスの町で

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拳銃を持った一人の男性が郵便局を襲う。
監視カメラの映像を見る限り、無駄のない動きで強盗に及んで
いることから軍事訓練を受けた者の仕業ではないかと疑う。
警察の対応は早く、すぐに主要道路の検問を行うことが出来た
事。特にこの郵便局は軍事基地と隣接していることで逃げ道
としては限られており、バイクでやってきたと思われる犯人を
外部に逃がしたとは考えづらい状況だった。
やはりフェンスの向こうの外国人による仕業なのか。
しかしそれを察して内村や中園たちからは、フェンスの向こう
側の事は忘れろとし、自分たちでは決して判断するなと釘を
刺される。

そんな中、監視カメラの映像を調査していた米沢から面白いも
のが出来たと報告を受けて右京と神戸は見に行く。
犯人が犯行に使ったと思われる銃にはコードが伸びてバッグの
中へと続いていることから、スタンガンを改造して電流が流れ
るのと同時に赤い液体が出るようになっていたのではないかと
いうもの。実際に米沢はインターネットで調べた改造法を元に
比較的容易にそれを再現してみせる。こうすることによって
簡単に行員たちに恐怖心を与えることができるし、何よりも
負傷者を出さなくて済むというのである。
右京は神戸からこれまでの話を総合して、どんな犯人像か尋ね
る。神戸は的確に指摘していくが右京にはあまりに模範的過ぎ
る解答に思えた。右京は単に拳銃を買う金が無い人物か、それ
を手に入れるだけのコネクションが無い人物であり、立地の悪
い郵便局を襲ったのも、恐らくここしか思いつかなかったので
はないかと告げる。とても手慣れた犯人に見えるが、死角に
有る通報ベルに関してあまり気にした様子が無いところが
気になる。捜査本部の見解ではライダースーツやヘルメットを
着ていることから、犯人はバイクで逃走したと思っているが、
ハーフキャップのヘルメットを被っている事に目を付け、
持ち運びにかさばらない為に使用したのではないかと疑う。
ライダースーツはあくまで偽装する為に使い、来ていた服や
リックサックをバッグの中に入れ替えて、自転車で逃げたので
は無いかと告げる。

この界隈はミリタリー関係のサークルが多いことでも知られて
いた。それらのサークルに精通している大瀧の元に行き、
サークル名簿の提出を求める。それを拒否すると銃刀法違反の
改訂の話を持ち出し、捜査しない変わりに名簿の提出を求める。

右京が最初に目を付けたのは土本公平15歳だった。
バイクの免許を取れる年齢ではない事が着眼点となったという。
家に置かれている自転車のタイヤ痕を調べると現場で採取した
タイヤ痕とピッタリ一致する。
彼が通う学校へ行き担任の教師・佐藤から事情を聞く。
そして土本公平の元に案内されると、屋上で村越良明という
人物から殴る蹴るされているのを目撃。それと同時に現場には
何故か伊丹ら一課の刑事もやってくる。母親の由香里が通報
してきたと言い、事情徴収のために多摩川西署に連行される。
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ドラマとしては意外なほどにあっさり解決した流れだった。

しかもタイムリーにも米軍基地の問題を絡ませて描いた話で、
とても興味深い部分だ。

右京と神戸の捜査に於ける見解の違いが面白く現れたり、
特命係と捜査一課の着眼点の違いなども面白く描かれる。

流石に郵便局の敷地外にあった自転車のタイヤ痕を容疑者の
タイヤ痕に決めつけてしまう辺りはかなり不自然だったけど、
15歳の少年にしては随分手の込んだ計画的な犯行で、強盗事件
の裏に隠されていた犯行動機を探っていくという面で、二重の
仕掛けがしてありとても重厚な話だった。犯行動機の面でも
納得できるだけのものが用意されている点が大きいね。

とても精巧で大人顔負けの犯行だけど、その影響力を考えた場合
子供っぽい一面が垣間見られるものかもしれない。

イジる側と虐められる側で実際には仲がよいにもかかわらず
偽装している辺りはちょっと凝り過ぎな設定かも知れない。

中学生にしては事情徴収の場で堂々としている点を疑っていた
けど、それだけの決意が有ったというところなのだろうか。
それとも予め捕まることを想定して心構えが出来ていたという
事なのか。

杉下右京 …… 水谷豊 (警視庁・特命係)
神戸尊 …… 及川光博 (警部補・特命係)
宮部たまき …… 益戸育江 (小料理屋"花の里"。元右京の妻)

伊丹憲一 …… 川原和久 (警視庁刑事部捜査第一課員)
三浦信輔 …… 大谷亮介 (警視庁刑事部捜査第一課員)
米沢守 …… 六角精児 (鑑識課)
角田六郎 …… 山西惇 (組織犯罪対策五課)
内村完爾 …… 片桐竜次 (警視長)
中園照生 …… 小野了 (警視正)
小野田公顕 …… 岸部一徳 (警察庁/警視監)
大河内春樹 …… 神保悟志 (警察庁長官官房室長)
芹沢慶二 …… 山中崇史 (捜査一課。伊丹の後輩)
大木長十郎 …… 志水正義 (組織犯罪対策部)
小松真琴 …… 久保田龍吉 (組織犯罪対策部)

土本公平 …… 森田直幸 (イジメられっ子、犯行を主導)
土本由香里 …… 仁藤優子 (母親、夫から暴力を受けた)
村越良明 …… 阪本奨悟 (イジメっ子、実は公平と仲良し)
村越由美 …… 滝沢涼子 (母親)
大瀧 …… 本田誠人 (ミリタリーサークル)

藤岡大樹、岸本光正、高松克弥、安達大、遠藤宏至
村上恭未、鷲津秀人、依田真一

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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