相棒 シーズン8 (2009年度10月期・テレ朝) チーフプロデューサー - 松本基弘 プロデューサー - 伊東仁、西平敦郎・土田真通 脚本:輿水泰弘(1)、太田愛(2)(3)(11)、戸田山雅司(4)(10) 徳永富彦(5)(8)、福田健一(6)、櫻井武晴(7)(12) ハセベバクシンオー(9) http://www.tv-asahi.co.jp/aibou/

第12話 SPY
--------------------------------------------------------
特命係に居る神戸の元に電話が鳴る。しかし彼は誰から来たのか
確認した上で電源を切ってしまう。

そんな中神社で女性が殺害される。
外傷はなく財布やカードは盗まれた形跡はない。
彼女は銀座のホステスの青山まどかだった。バックに入っていた
彼女の携帯電話の最後の履歴は神戸にかけたものだと分かる。

彼女が勤めるクラブ"ポリリズム"に話しを聞きに行く。
すると神戸は半年くらい前までは何度か来たことが有ったと
いう。このクラブに来る半数は警察や警視庁の人間である事を
知る。
特命係に居た神戸の元に伊丹と芹沢がやってくる。
被害者は絞め殺されたと判明。解剖するまでは分からなかった
という。右京は何故それが分からなかったのかと問うが秘密を
貫く伊丹たち。何故被害者と知り合いなのか尋ねられると、
かつて上司に連れて行かれたことを証言。特命係になってから
は一度も行っていない事を告げる。彼女は他のホステスたちに
結婚するから辞めると言っていたという。しかし相手の男性に
関しては話せないで居たようだったとの事。落ちていく彼を
見ていられなかったと言っていたのを聞いていたものが居た。
神戸に掛かってきたのは営業の為だという。無視して電話には
出なかったことを語る。

遺留品を調べる米沢の元に行く。バックの中には今時珍しい
テレフォンカードが入っていた。更に携帯電話に登録されてい
るのは警察の幹部クラスのものが含まれているという。
更にバックの中には腕時計が入っていた。何故腕にはめずに
バックの中に入れていたのか。
米沢に首を絞められた件について尋ねると、手で締められた後
にブランデーで指紋を拭き取った跡が有るという。米沢は
被害者の自宅でブランデーが置いてあるのを見たとの事だった。
気になるのは防御創が無いこと。首を絞められれば大抵それを
阻止するためにその跡が付くはず。

そんな中、警視庁・首席監察官の渡辺真澄は警視庁人事課長の
佐藤静夫と話し合う。この件で神戸が関わっているため、処分
したら内偵捜査がばれてしまうのではないかというもの。官房長
に相談すべき案件だという。

被害者のまどかの部屋を調べる。米沢が言ったようにブランデ
ーのボトルが有った。恐らくここが殺人現場であるという。
その根拠として部屋の電気のスイッチに付着する被害者の指紋
を拭き取った跡が有ること。ここから発見現場までは5分。
遺体が発見されたのはPM10時で、死亡推定時刻はPM3:00から
PM5:00の間。神社で殺されたのならば5時間以上の間遺体が発見
されないのは不可解であるという。

警視庁警務部人事2課長の水木隆人は大河内の元に行き、神戸
と関係のあるものが殺害された事を報告する。隙のない報告書
を提出しろと大河内に告げる。大河内は以前より神戸が異動に
なった理由を知りたがっていた。水木に尋ねるも知らないという。
大河内は神戸の元を訪れ、処分された理由を尋ねる。右京を
追い出すために送り込まれたのか?と尋ねるも神戸はそれを否定
する。
--------------------------------------------------------

被害者と神戸の関係は一体何なのか。
ホステスの所持品の中から、その職業からは似つかないUSBメモ
リーが出てくる。果たしてどんな関係があるのか。

警視庁と警察庁の関係がきっちりと判別できている視聴者には
ドラマが興味深く映ったはずで、普通の視聴者ならば何が
何だかその関係性が良く解らなくなる話では無かろうか。

SとかMという略称がまるで性癖を表すサド・マゾに見えてきて
君はSなんでしょう?とか真面目な調子でやりとりされる中に
何処か滑稽さを覚えてしまうというものだった。

やはりドラマとしては、神戸のSに迫る展開であるという
点で緊迫感を生んだし、興味深さが有った。見方によっては
警察内部の不祥事の問題を扱う奥深さも有ったし、逆に
今回の殺人事件の事だけを見ると、もう少し艶っぽいロマンス
が見え隠れしても良かったのかなと思う。

殺すだけの動機がイマイチ実感できなかった点や、あまり場面
が変わらず同じような絵柄ばかりで構成された分、相当地味な
内容だった。


杉下右京 …… 水谷豊 (警視庁・特命係)
神戸尊 …… 及川光博 (警部補・特命係)
宮部たまき …… 益戸育江 (小料理屋"花の里"。元右京の妻)

伊丹憲一 …… 川原和久 (警視庁刑事部捜査第一課員)
三浦信輔 …… 大谷亮介 (警視庁刑事部捜査第一課員)
米沢守 …… 六角精児 (鑑識課)
角田六郎 …… 山西惇 (組織犯罪対策五課)
内村完爾 …… 片桐竜次 (警視長)
中園照生 …… 小野了 (警視正)
小野田公顕 …… 岸部一徳 (警察庁/警視監)
大河内春樹 …… 神保悟志 (警察庁長官官房室長)
芹沢慶二 …… 山中崇史 (捜査一課。伊丹の後輩)
大木長十郎 …… 志水正義 (組織犯罪対策部)
小松真琴 …… 久保田龍吉 (組織犯罪対策部)

青山まどか …… 小嶺麗奈 (銀座"ポリリズム"ホステス)
水木隆人 …… 美木良介 (警務部人事2課長)
三田園方正 …… 芦川誠 (警視庁総務部)

吉満涼太、なかみつせいじ、清郷流号、菅原あき、本多裕香
湯田美由紀、佐々木良子

評価：★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)