相棒 シーズン8
(2009年度10月期・テレ朝)

チーフプロデューサー - 松本基弘
プロデューサー - 伊東仁、西平敦郎・土田真通
脚本:輿水泰弘(1)、太田愛(2)(3)(11)、戸田山雅司(4)(10)
徳永富彦(5)(8)、福田健一(6)、櫻井武晴(7)(12)
ハセベバクシンオー(9)、ブラジリィー・アン・山田(13)

http://www.tv-asahi.co.jp/aibou/


第13話 マジック

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右京はたまきに誘われMr.アキ(秋川満)のマジックショーを訪
れる。軽快なトークで魅了するアキのマジック。いよいよ佳境
という時、一瞬演出として場内の電気が落とされるが、次の
瞬間ドスンという音が聞こえ、アキの隣に一人が倒れていた。
上から落ちてきた様で、すぐに幕は閉じられる。
すぐに右京は現場へと歩み寄り、遺体の状態を見た後に警察
に通報する。

伊丹たち一課の面々や鑑識の米沢、そして神戸もやってくる。
被害者は21時05分に天井から落下。脳挫傷及び頸椎損傷により
即死だという。手の甲には三本の引っ掻き傷が見られた。

マジックをしていた秋川満に話しを聞こうとするが、ショック
で話が聞けそうにない。オフィス・イリュージョンを経営する
妻の香奈恵と息子の元が父親の様子を心配しつつ警察の対応に
応じる。亡くなったのは澤田郁哉で住み込みの弟子をしていた
者だという。しかしそれは芸名で本名は田中慎一郎で有ること
を免許を見て知る。妻の香奈恵も芸名だと知ってちょっと驚いた
顔。天井にいたのは瞬間移動のマジックをするためのものだと
言う。舞台監督の吉田忠雄は詳しくマジックについて説明する。
頭上から黒い布が落ちてきて舞台に居る満が消える者だという。
練習用のVTRを見せながら説明する。田中が天井のブリッジから
落とす段取りで、安全のためにブリッジにはケミカルライトが
置いてあったという。入念にリハーサルしていたのに変だと
いうが、争った形跡は無く、事故の可能性も有った。
右京は講演を見ていた際にケミカルライトが落ちた跡は見えなか
ったという。
満は4年間弟子を取らずにいた事を知る。

秋川家に行き事情を聞く。息子の元は受験生であり、将来は
マジシャンにする予定だという。手先が器用な上に華が有る彼は
稀に見る逸材であるという母親。しかし夫は大学を卒業してから
でも遅くはないとして大学に行かせようとしている事を知る。

亡くなった田中が住み込みしていた部屋を調べる。部屋には
小道具のトランプが一つしかなかった。しかも特注のトリック
カード。右京は一瞬の内にスペードのエースが無いことを指摘
する。更に部屋にはノック式のペンが落ちていたが、それがIC
レコーダーであることはすぐに判明する。
鑑識に持ち帰り中身を調べてみると、田中は香奈恵と不倫して
いるであろう音声が入っていた。三ヶ月で数十回の録音の跡。
田中の携帯電話を調べるが発着信履歴は削除されていた。
1番目の登録番号には東都リサーチという調査会社の番号が登録
されていた。右京は早速電話し、リサーチ会社の所長をする
新井俊輔と会う。そして右京は離婚したい妻が居るが、妻に落
ち度がまるで無いことを持ちかけると、俊輔は別れさせ工作と
いう手もアルと説明する。妻と自然な形で不倫させることが
出来るという。それを聞いて依頼人は満だと確信する。

満が居るマジックの練習場へ。
4年間弟子を取らなかった理由を尋ねると、4年前に弟子の一人
を事故でなくした事が有るのだという。しかし今回田中はどう
しても弟子になりたいとの熱意に負けて取ることにしたと。
ICレコーダーの件を告げ依頼主は満では無いのかと告げるが、
私は被害者だとして認めようとはしなかった。
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事件を調べていく内に過去にも弟子を取り死亡していた事が
発覚する。当時の弟子の死亡は事故として扱われたが、今回も
また事故によるものなのか。

脚本家が初めて見る人だ。
ブラジリィー・アン・山田さん。blogなども執筆されているが
ブラジル系の人ではないらしい。

ドラマとしては両親の子育てに対する不仲さ加減を描きつつ、
本当に子供の為を思って進路を考えているのは誰なのかという
内容だった。

冒頭から母親は子供の意思を無視してマジックの世界へとデビ
ューさせようとしているのに対して、父親は無理にその世界へ
入る必要がないとして子供を気づかっている。
息子が両親に対してどのような視線で眺めて居るのかが今回の
ドラマの面白さで、ポイントとなるべきものだった。

事件自体は比較的シンプルな構成だった。
目撃者の存在が全てで、それが誰でもなく息子だったこと。
徐々に発覚するのはそんな息子の思いとは逆に父親のエゴであり
心の貧しさとして昇華されていく切ないもの。

落下したときに現場に人は居なかったとしながらもきっちり
秋川元が居るとする辺りはやや不自然に映るし、あの場面にいた
のならば目撃者も出てきてしまうだろうなと思わせる。

実際には舞台で見ておらずに年配の女性の事を、舞台上の会話
の中から女の子だと証言してしまう展開は、ドラマ「古畑任三郎」
のSP版「しばしのお別れ」の中なんかでも似たようなトリック
を突破口としてアリバイを崩していたことがあったな。

今回息子役を演じた竹内寿くん。最近よくドラマの中でも見掛け
るけど本郷奏多くんに似ているな。最初見たとき彼かと思った。

杉下右京 …… 水谷豊 (警視庁・特命係)
神戸尊 …… 及川光博 (警部補・特命係)
宮部たまき …… 益戸育江 (小料理屋"花の里"。元右京の妻)

伊丹憲一 …… 川原和久 (警視庁刑事部捜査第一課員)
三浦信輔 …… 大谷亮介 (警視庁刑事部捜査第一課員)
米沢守 …… 六角精児 (鑑識課)
角田六郎 …… 山西惇 (組織犯罪対策五課)
内村完爾 …… 片桐竜次 (警視長)
中園照生 …… 小野了 (警視正)
小野田公顕 …… 岸部一徳 (警察庁/警視監)
大河内春樹 …… 神保悟志 (警察庁長官官房室長)
芹沢慶二 …… 山中崇史 (捜査一課。伊丹の後輩)
大木長十郎 …… 志水正義 (組織犯罪対策部)
小松真琴 …… 久保田龍吉 (組織犯罪対策部)

秋川満 …… 中村有志
秋川香奈恵 …… クノ真季子
秋川元 …… 竹内寿

大口兼悟、大月秀幸、下総源太朗、古澤蓮、きむらゆき

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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