相棒 シーズン8
(2009年度10月期・テレ朝)

チーフプロデューサー - 松本基弘
プロデューサー - 伊東仁、西平敦郎・土田真通
脚本:輿水泰弘(1)、太田愛(2)(3)(11)(14)、戸田山雅司(4)(10)(15)
徳永富彦(5)(8)(17)、福田健一(6)、櫻井武晴(7)(12)、
玉田義正(16)ハセベバクシンオー(9)
ブラジリィー・アン・山田(13)、古沢良太(18)

http://www.tv-asahi.co.jp/aibou/


第18話 右京、風邪をひく

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3/4 竹林に穴を掘る樫山ジュンと戸倉翔。そこに被害者の西島
武彦を埋める。あの場所に来ることもなければあの人を捜す人
は居ないと樫山は彼に告げる。戸倉は西島が所持していたネッ
クレスを持ってきてしまう。

3/7 タケノコ狩りに来た老人たちが遺体を掘り起こす。すぐに
鑑識が入り死後3、4日である事を告げる。これではゲソ痕に
期待するのは難しいという。
この日、右京は特命の部屋で安静にする。風邪を引いていた彼
は熱を測るとようやく熱が下がったと呟く。
米沢の元に行くと、被害者の身元が分かる。西島武彦(65歳)。
顔や腹部に殴打された跡があり、死因はくも膜下出血によるも
の。西島には30年近く前に窃盗の前科が有るとのことだった。
米沢によると軍手の裏面に油性マジックで印が二点してあるの
が気になるとの事だった。

被害者のマンションに行くと、管理人から301号室に住む被害者
西島はハローワークに通うのが日課だったという。
地どりの設定を指示する伊丹。304号室の樫山ジュンにも尋ねる
と全く付き合いが無いとの事だった。しかし伊丹は樫山は目が
泳いでいたとして直感で怪しいと感じる。
再度伊丹たちは彼女のアパートへと足を運ぶと、鍵が開いたまま
であり彼女はベランダに居た。伊丹は目力を使って彼女に語り
かける。オレが力になると。すると樫山は殺すつもりは無かった
として自供を始める。
その頃戸倉が居た池袋のホテルにも警察がやってきて彼を逮捕
するのだった。

捜査は推理だけではなく、足力にハートだという伊丹。たまたま
通りかかってそれを聞いていた神戸は運も必要だという。右京は
この場合縁だろうと告げる。
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ドラマでは3/4に発生した殺人事件が3/7に解決するまでの顛末
を描いた話だった。

日本のドラマでも上手く時系列を入れ替えて構成すると面白い
ドラマが成立するね。アメリカのドラマでは決して珍しいモノ
ではなく時折この手の手法で事件を描く。
事件の見えなかった部分が、二度三度と別の角度から描かれる
事で、冒頭では意味のないと思われていた会話や事情が面白い
様に重要性を帯びて来るという手法だ。

刑事の捜査はキッチリとした段取りの元で解決を図る右京の
捜査法を否定する伊丹刑事。推理力では図れない物が有り、
我々の捜査こそ犯行を解決できると主張する彼に鼻を持たせる
結末かと思わせつつ、実際には右京らもその結末にたどり着い
ていたという段取りだ。

冒頭から起承転結の起と結を描いた。
美味しいところを伊丹らが持って行ったなと思わせつつ、実際
には右京らの説得力のある流れに凌駕されていく。

ドラマとして面白いのは、殺人事件の流れと、ネックレス捜索
の流れが複雑に絡み合っている点だ。
右京や神戸は何処からこの流れの転換点を迎えるのか。

3/4、3/5、3/6、3/7この4日間の中で、右京達は4日から捜査の
為に動いていたこと。伊丹らは7日の段階で動き始めたこと。
この両者の時差が捜査の厚みや偶然ではない物の流れを上手く
描き出す。

人との繋がりというのが隠れたテーマの様で、最後にそれらが
明らかにされる時のコメディチックなオチやほろりささせられる
オチにも脱帽ものの内容だった。
ただ軍手を見ただけでうさぎさんを作っていたとは分からない
だろうね。この部分は子供に真相を聞いていたのだろうか。

杉下右京 …… 水谷豊 (警視庁・特命係)
神戸尊 …… 及川光博 (警部補・特命係)
宮部たまき …… 益戸育江 (小料理屋"花の里"。元右京の妻)

伊丹憲一 …… 川原和久 (警視庁刑事部捜査第一課員)
三浦信輔 …… 大谷亮介 (警視庁刑事部捜査第一課員)
米沢守 …… 六角精児 (鑑識課)
角田六郎 …… 山西惇 (組織犯罪対策五課)
内村完爾 …… 片桐竜次 (警視長)
中園照生 …… 小野了 (警視正)
小野田公顕 …… 岸部一徳 (警察庁/警視監)
大河内春樹 …… 神保悟志 (警察庁長官官房室長)
芹沢慶二 …… 山中崇史 (捜査一課。伊丹の後輩)
大木長十郎 …… 志水正義 (組織犯罪対策部)
小松真琴 …… 久保田龍吉 (組織犯罪対策部)

樫山ジュン …… 東風万智子 (304号室の住民)
戸倉翔 …… 滝直希 (美容師)
西島武彦 …… うえだ峻 (65歳、被害者)
遠山ちず …… 前沢保美 (アパート管理人)
宮村美保子 …… 山田キヌヲ (自殺未遂、戸倉に二股)
東海林梢 …… 山田海遊 (ぜんそく持ちの子供)
東海林雅之 …… 松崎謙二 (TV局に勤める夫)
東海林緑 …… ふるたこうこ (妻)

早川純一、岸端正浩
中山玲、田中護、五頭岳天、北村伝次郎、彩文暎子、大木章
浅野昭子


評価:★★★★★★★☆☆☆ (7.0)

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