アイシテル〜海容〜

脚本/高橋麻紀、吉本昌弘
プロデューサー/次屋尚、千葉行利
演出/吉野洋、国本雅広、久保田充

http://www.ntv.co.jp/aishiteru/


第1話 すべての母親へ捧ぐ家族愛の物語

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事件の有った三日前の出来事・・
小沢家は幸せな家族。小2の清貴は母・聖子に特に可愛がられ
娘の美帆子も嫉妬するほど。母は美帆子に最近変質者が多い
から清貴を途中まで連れて行ってと頼むも、反抗期中の彼女は
言うことを聞かず飛び出してしまう。仕方なく聖子は清貴の手
を引いて友達の居る所まで連れて行く。
一方野口家はごく普通の3人家族。息子・智也が反抗期なのか
あまり口を聞いてくれず、妻・さつきは頭を抱える。夫・和彦
に今度一緒にキャッチボールでもして会話してあげてと頼む。

聖子は友達とバッタリ遭遇すると、ランチを一緒に取ることに。
今日は清貴は5時限の筈だから時間には余裕が有ると思ってい
た。しかし時間割の変更により4時限で帰宅してしまう清貴。
入り口のドアの前で寂しく座り込んでいると、清貴の前に智也
が現れる。
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ありがちな2つの家族。
2つの家族の最も違うところは、加害者家族と被害者家族という
点だ。

今回は一時間かけてゆっくりと小沢家の長男・清貴が殺害され
野口家の一人息子・智也が殺害したことを描いた。

事件は子供が発するシグナルを見誤ったためのものなのか。
反抗期などどの家庭にでも有るもので、特に一人っ子の家庭に
とってそれがどんなものなのか、経験がないために分からない。
日夜インターネットで情報を書き込み、同じ様な悩みを持つ
主婦達との交流を持ってしてもそのシグナルを見落としてしま
う。

運命の皮肉さを描いたような感じに、僅かな掛け違いがこの
悲劇を生んでしまった感じである。被害者家族の母・聖子に
してみれば、いつも通りに帰宅していればこの様な事件など
起こるべくもなかった。清貴が殺されなくても別の誰かが
殺されたのかも知れないが、それでも自分の息子だけは失う
事はなかった。長女・美帆子にしても、弟など消えてしまえと
陰口を叩いたばかりに、死へのフラッグを立ててしまうような
展開上の罠にはまってしまった。

ドラマとして興味深いのは、どの家庭にでも起こりうる事態
として、あくまで設定が平凡な家庭に限られているという事。
野口家の夫・和彦の言動には少し鼻につくようなセリフが並べ
立てられているが、それでもこれが特異な家庭とは言い切れ
ない。寧ろさつきが語っていたように、金さえだせば子育てや
家庭に於ける責任の全てを果たしたと思っている人は多い筈だ。
心が傷ついているときにも次々と直球を投げかけてくる和彦
が悪人の様な描かれ方だが、色んな段階に於いて落ち度がな
かったかと反省させられる様な内容なのかも知れない。

映画「手紙」「誰も守ってくれない」など、加害者と被害者
の視点に立つ作品は多いけれど、このドラマはどんな内容が
待っているのだろうか。

野口さつき …… 稲森いずみ (37) 妻。ファミレスでバイト
小沢聖子 …… 板谷由夏 (37) 妻
野口和彦 …… 山本太郎 (36) 夫。仕事人間
小沢美帆子 …… 川島海荷 (14) 長女。少し反抗期
野口智也 …… 嘉数一星 (小5) 両親とあまり口を聞かない
小沢清貴 …… 佐藤詩音 (小2) 可愛い子
森田彩乃 …… 田畑智子 (30) さつきの妹
小沢秀昭 …… 佐野史郎 (45) 夫。市役所勤め
富田葉子 …… 田中美佐子 (45) 家裁調査官
森田敏江 …… 藤田弓子 (62) さつきの母

富田健太 …… 吉川史樹 (小4)
麻衣子 …… 志村怜那 (14)
宏美 …… 折山みゆ (14)

小泉刑事 …… 小松和重
菊池刑事 …… ダンカン

猫背椿、野口真緒、山野史人、高山猛久、伽代子、浅見小四郎
並木幹雄、朱源実、品川景子、能見達也、田野良樹、大塚和彦
矢代和央、小森郁子、向井恭介、福田温子、猪岐英人
今泉あまね、野沢賢二、堀口敬巧、足立学、真日龍子
野村楓、石川美佳、野仲伸二

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