アイシテル〜海容〜

脚本/高橋麻紀、吉本昌弘
プロデューサー/次屋尚、千葉行利
演出/吉野洋、国本雅広、久保田充

http://www.ntv.co.jp/aishiteru/


第4話 被害者家族への手紙

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友人と喫茶店に入った美帆子は、富田とさつきが智也の事を
話している姿を目撃する。富田から智也は優しさから始まった
事件だったことを聞かされ、ほんの少し救われた気がしたと
して頬が緩む。美帆子は去り際に何か一言告げようとして席を
立つが何も言えず、ただ相手の顔を見るのが精一杯だった。

明日はそんな美帆子の誕生日。友人の麻衣子からは誕生日には
カラオケをしようとメールが入ってくる。

帰りがけに土手に座っている美帆子に対して買い物帰りの秀昭
が声を掛ける。その時の会話の中で秀昭は思った以上に美帆子
が元気なので、お前は強いなと告げる。
そんな中、智也は昨日の続きを話すとして語り始める。
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ドラマはいよいよ事件当時の全ての状況が語られるという展開
だった。

事件が有る前から既に抱えていた美帆子の問題点を取り上げた
点も実に興味深い。
自分は家族に必要とされていないのではないかと悩む美帆子
の心情。大抵はこの手の心情はなかなか外には吐露できずに、
家族崩壊に向けて美帆子がかき回す役目を担うものだと思う
けれどそれをやらなかった辺りは意外に映った。
また加害者側の家族であるさつきの妹・彩乃の件にしても、
この事件がきっかけで人生が狂い、その怒りをさつきにぶつけ
る事で事態の大変さを実感させていくものだけど、彩乃は
プロポーズしてきた相手に全てを語っても、関係が崩れること
が無かったんだね。

ドラマとしては例え親子であっても分からない事はあるという
展開を用意した。
さつきは手紙の中で、息子が何故こんな事をしたのか分から
ないと綴る。それに対して最も理解を示したのが、この件に
最も拘りを見せていた妻の聖子だという点は、同じ子供を持つ
主婦同士で通じるモノが有ったのか。

互いに子供の扱いの件で完璧な対応を見せられないことで、
相手の親にも一定の同情の余地を与えていくのかもしれない。

ドタバタ騒ぎで美帆子の誕生日は忘れられていると思ったが、
意外にも最後にそれを演出したし、彼女の事を決して望まない
子供としてではなく、望まれて生まれてきたことを示唆する
為の日記というアイテムがとても上手く使われた話だった。

和彦がいよいよプロジェクトからハズされた。
ある意味では一連のドラマの中で一番ダメージが少ないと
思っていた人物だけにこの措置は嬉しいというか納得するもの
が有ったな。

美帆子が加害者家族の顔を見たことでどう物語が発展していく
のか。

野口さつき …… 稲森いずみ (37) 妻。ファミレスでバイト
小沢聖子 …… 板谷由夏 (37) 妻
野口和彦 …… 山本太郎 (36) 夫。仕事人間
小沢美帆子 …… 川島海荷 (14) 長女。少し反抗期
野口智也 …… 嘉数一星 (小5) 両親とあまり口を聞かない
小沢清貴 …… 佐藤詩音 (小2) 可愛い子
森田彩乃 …… 田畑智子 (30) さつきの妹
小沢秀昭 …… 佐野史郎 (45) 夫。市役所勤め
富田葉子 …… 田中美佐子 (45) 家裁調査官
森田敏江 …… 藤田弓子 (62) さつきの母

富田健太 …… 吉川史樹 (小4)
麻衣子 …… 志村怜那 (14)
宏美 …… 折山みゆ (14)
小泉刑事 …… 小松和重
菊池刑事 …… ダンカン
佐伯エリ …… 猫背椿 (フラワーショップ経営)
佐伯遥 …… 野口真緒 (エリの娘)

越村公一、山崎画久、佐野圭亮、川嶋秀明、兒玉宣勝
野仲イサオ

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