アイシテル〜海容〜

脚本/高橋麻紀、吉本昌弘
プロデューサー/次屋尚、千葉行利
演出/吉野洋、国本雅広、久保田充

http://www.ntv.co.jp/aishiteru/


第10話 2つの家族…それぞれの結末

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清貴の墓参りに向かうさつきは、聖子と鉢合わせする。
さつきはすぐに彼女に向かって土下座し許しを請う。
そんなさつきに顔を上げるよう告げ、どんなに苦しんでも
楽になることはないという。それでもさつきに対して清貴の
為、そして子供のためにも生きてくださいと声を掛ける。
去り際にもう二度と会うことはないと告げた。

一年後、児童相談所が復帰する時の智也の環境を調べに来る。
さつきは調査員達に近所の人には施設に入っていることを話
ていることを告げる。受け入れ先の校長にも話を通しあり、
父兄達には事件のことは伏せておくという。
その一ヶ月後、ついに智也は退所になる。
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いよいよ退所後の智也を初めとする加害者側家族はどう立ち直
っていくのか。そして被害者側の家族は上手く立ち直れるのか。

ドラマとしては最後の仕事として、智也自身に犯罪に於ける
残忍性を感じさせると共に罪の重さを実感させるという展開
だった。

本来ならば智也自身が家庭を持ち、愛する子を手にしたときに
初めてその子を得た喜びと同時に失う事への恐怖心を感じさせ
る展開なのかも知れないが、ドラマではさつきが妊娠して
出産することで弟の存在を清貴にダブらせて、その気持ちを
味わせたような形だった。
なかなか弟の名前を言わないのでまさか"清貴"とか付けたり
しないだろうなと思っていたけど、流石にそれは無くて良かっ
た。
このドラマ、妙にどちらの家庭も"出来過ぎた"対応しか見せ
ない家庭なので、そりも有りなのかと思ってしまった。

ドラマとしてはどういう方向性を持たせるのか興味があった。
容易には社会に復帰出来ない事を描く為に、"学校裏サイト"
経由で智也の存在が抽出されて、イジメの対象になったり
するのかと思ってみていたが、学校周りの件は意外とバッサリ
切り捨てた感じ。

同じ枠で描かれていたドラマ"14歳の母"などは、生まれるまで
の苦労を描いただけだったので、そういう意味では多少なり
とも、事件後の影響力を知りたい視聴者の欲求に答えようと
したのかなと思う。

さつきが近所の人には施設に行っている事を話しているとした
時に、児童相談所の職員も興味深げにその事実を聞いていた
が、ドラマとしては殺人の原因以上に、それを犯したもの
が社会に復帰できるのかどうかも興味の対象として存在して
いる。これまで加害者家族が極普通の家庭であることを強調
している事もあったしね。

最後に美帆子に対して、苦しんでいる子を憎しんでも何も
生まれないとしたところは、このドラマの中でも一番良かった
所かも。両親からその言葉を聞けただけでも乗り越えた事を
実感できるね。

野口さつき …… 稲森いずみ (37) 妻。ファミレスでバイト
小沢聖子 …… 板谷由夏 (37) 妻
野口和彦 …… 山本太郎 (36) 夫。仕事人間
小沢美帆子 …… 川島海荷 (14) 長女。少し反抗期
野口智也 …… 嘉数一星 (小5) 両親とあまり口を聞かない
小沢清貴 …… 佐藤詩音 (小2) 可愛い子
森田彩乃 …… 田畑智子 (30) さつきの妹
小沢秀昭 …… 佐野史郎 (45) 夫。市役所勤め
富田葉子 …… 田中美佐子 (45) 家裁調査官
森田敏江 …… 藤田弓子 (62) さつきの母

富田健太 …… 吉川史樹 (小4)
麻衣子 …… 志村怜那 (14)
宏美 …… 折山みゆ (14)
小泉刑事 …… 小松和重
菊池刑事 …… ダンカン
佐伯エリ …… 猫背椿 (フラワーショップ経営)
佐伯遥 …… 野口真緒 (エリの娘)

山崎画久、川嶋秀明、伊藤正之
小松和重、岩田丸、原金太郎、小柳友貴美、西村いづみ
山崎千惠子

評価:★★★★★☆☆☆☆☆ (5.0)

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