ありふれた奇跡

脚本/山田太一
演出/田島大輔、谷村政樹

http://wwwz.fujitv.co.jp/arifureta-kiseki/index.html


第1話


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出社途中の中城加奈は電車から降りると、ホームの隅で一人の
男性・藤本誠が不自然な行動を取っていることに気がつく。
まさか自殺しようとしているのではないか・・・
声を掛けるべきかどうかで悩んでいるとやがてホームに電車が
入ってくる。その瞬間彼女は誠に向かって駆け寄るが、その前
に近くにいた男性・田崎翔太が先に誠の元に駆け寄り、彼の
体を抱きかかえてその場に押し倒す。
当時の事情を警察の前で話し合う三人。すると藤本誠は自殺を
考えていたことなど頑なに否定し、寧ろ突然暴力を奮われたと
訴え始める。その状況を冷静に聞いていた警察官の権藤は、
事件性は無いモノとして、加奈と翔太を先に帰した。
そのまま二人は駅で別れるが、翔太は何かをし忘れたものだと
思い、再び加奈が歩いていった方向に走り出す。
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日常有りそうで無さそうな、無さそうで有りそうなエピソード。

ドラマとして興味深く映るのは、普通ならば出会うはずもない
人間同士が一つの事件をきっかけにして出会うというシチュ
エーションに有るのか。
今後展開していく上で難しいのは、出会うためのきっかけを
作っていくことだろうか。

最初から全てを語るのは惜しいとばかりに、互いに自分の事
を話さない。警戒心を露わにしつつも、相手に興味を持つと
いう複雑な状況は、今の世の中ならば当たり前の防衛意識と
同時に、コミュニケーションを求める老若男女の面白い状況
を描いていると言える。

警察官のプライバシーを全面に出す姿勢も、今時当たり前の
光景なのだろうが、必要以上の厳しい視線に何処か世知辛さ
を感じるのは気のせいだろうか。
そんな既成を打ち破るべく男女が出会い、世代を超えた繋がり
を求め、自ら抱える悩みや問題とどう対峙していくのか。

自殺を考えたことが有るからこそ、自殺しようとした人の
行動心理が分かったのではないかという核心部のセリフが、
最後にドキっとさせられる内容でした。

取りあえず今のところ最も気になるのは親子関係かな。
あと中城朋也が部屋でこそこそしていたのは何が有るのだろう
か。

中城加奈(29) - 仲間由紀恵 (娘:業務用厨房機器販売)
中城桂(50) - 戸田恵子 (母:人形教室)
中城朋也(54) - 岸部一徳 (父:サラリーマン)
中城静江(76) - 八千草薫 (祖母)
田崎翔太(31) - 加瀬亮 (息子:左官)
田崎重夫(54) - 風間杜夫 (父:水道局勤務)
田崎四郎(77) - 井川比佐志 (祖父:左官)

藤本誠(50) - 陣内孝則 (妻・娘を火事で亡くす)
安藤律子(48)- キムラ緑子 (翔太の母。離婚)
神戸幸作(42) - 松重豊 (左官)
権藤(53) - 塩見三省 (警察官)
時枝春美(25) - 黒坂真美 (加奈の同僚)
妙 - 宮田早苗 (スナックのママ)

ふせえり、下村恵里、福地亜紗美、宮坂あゆみ、小森清一
神農直隆、松浦慎一郎、横塚真之介、土屋史子、深沢エミ
神道寺こしお、飯口美穂、積圭祐、福田敦子、肥田俊輔
石田まどか、大久保浩、宇都宮英子、江畠蓮

評価:★★★★★☆☆☆☆☆ (5.0)

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