ありふれた奇跡

脚本/山田太一
演出/田島大輔、谷村政樹

http://wwwz.fujitv.co.jp/arifureta-kiseki/index.html


第3話


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これはデートではない。"死のうとした人のある会"だ。
男女が出会うと恋愛とか結婚を秤に掛けてしまうものだが、
これは男女の面倒な関係を徹底的に排除したものだという。
閉じていた自分が変わりそうだという加奈。

"どうして死のうとしたのか?"
加奈の突然の質問に答えようとするも言葉がなかなか出てこ
ない翔太。そうしている内に体が震えているところを加奈は
彼を落ち着かせようとして体全体で包み込む。
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今回は過去に何が有ったのかを語り合う話だった。

やはりドラマは女性側のイニシアチブによって進行している
内容だ。翔太は加奈の言動に再三の注意を払いながら差し
障りのない様気遣っているのに対して、加奈は意外にも唐突に
言葉を投げかけてくる。

"どうして死のうとしたのか?"、"私は翔太の事が好きなのかな"。
こんな言葉を真っ先に発してくるのは加奈の方だ。

冒頭からあくまで男女の関係は排除した間柄だと宣言する様な
展開は、大抵男女の関係に発展するというシグナルであり前振り
である事。
加奈側から男女の関係を臭わす言動を拒否したのに、最後に
言葉として出てくるのは興味深い部分。
もしかすると加奈って心は男性でその事に悩んで自殺しようと
したのかなと思っていたのだけど、今回を見たら何処か外国の
映像が出てきたので暴行受けたという事なのかな。

藤本誠というキャラクターの存在が二人の関係を邪魔する形で
登場する。キッパリと男女の関係を否定した付き合いならば
邪魔だとは感じないハズだろうが、抱きつかれて気分を良くして
いる翔太を見ると、完全にそれを払拭できていない。

翔太の父親や祖父が息子の恋愛に歓迎を見せるところを微笑ま
しい感じがする。ただ過去に翔太が自殺未遂した事実が有る
為にイチイチ行動を監視しているような態度に見えてしまう所
は、もしかすると主人公が煩わしいと感じている部分なのかも
知れないね。

あと母親の存在がフラフラしていて何を求めているのか気になる。

中城加奈(29) - 仲間由紀恵 (娘:業務用厨房機器販売)
中城桂(50) - 戸田恵子 (母:人形教室)
中城朋也(54) - 岸部一徳 (父:サラリーマン)
中城静江(76) - 八千草薫 (祖母)
田崎翔太(31) - 加瀬亮 (息子:左官)
田崎重夫(54) - 風間杜夫 (父:水道局勤務)
田崎四郎(77) - 井川比佐志 (祖父:左官)

藤本誠(50) - 陣内孝則 (妻・娘を火事で亡くす)
安藤律子(48)- キムラ緑子 (翔太の母。離婚)
神戸幸作(42) - 松重豊 (左官)
権藤(53) - 塩見三省 (警察官)
時枝春美(25) - 黒坂真美 (加奈の同僚)
妙 - 宮田早苗 (スナックのママ)

永島涼太、柳野幸成、宮坂あゆみ、片山景介

評価:★★★★★☆☆☆☆☆ (5.0)

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