ありふれた奇跡

脚本/山田太一
演出/田島大輔、谷村政樹

http://wwwz.fujitv.co.jp/arifureta-kiseki/index.html


第6話


--------------------------------------------------------
"私のせいで私は子供を産めない。"
そう告げる加奈に起こった過去とは何なのか。
加奈からの呼び出しで藤本家で会うことになる。藤本は翔太が
来ることを聞かされていなかったこともあり、彼が来たことに
驚くが、彼女一人で来るはずはないなと意味深な言葉を告げる。
そこに遅れて加奈がやってくる。事情を聞けば藤本が加奈に
抱きつこうとして未遂になった事があったという。カタの付く
ことはカタを付けておきたいという加奈はその事を含めて本日
三人で会うことにしたという。
加奈は今日呼び出したのは、私に何があったのかを話せそうに
ないので、藤本に間に立ってもらいたいとの事だった。
--------------------------------------------------------

いよいよ加奈が抱えている問題が明らかになる。
自分のせいで子供を産めないとはどういうことなのか。

東南アジアの映像と、不妊の関係がどう繋がっているのか。
海外で襲われたのだろうと様々なblogで予想されていたと思う
が、結局自分が付き合っていた彼氏との間に妊娠し、その過程
で不妊に追い込まれてしまった。

翔太が加奈のことを気遣う余り、意固地になって自分は子供が
要らないと言っている言葉の中に、どの程度の真実が含まれて
いるのか。加奈にとっては複雑なもので、前の彼氏に裏切られて
居る分、余計に付き合う人に対して信じられない気持ちが有る
のだろう。

翔太にしても加奈にしても、子供を求める親の姿や、子供の存在
の偉大さを説く人々との触れあいによって、焦る気持ちをより
加速化させているのは事実で、結婚とは本人同士だけのものでは
無いことを端的に描いて居る。

それと同時に隠しておきたかった加奈にとって、少しずつ周りの
者達への告白の時が迫っている感じがなんとも言えない。
翔太が悪者として扱われることに対して、どれだけ"解決できる
時にカタを付けておきたい性格"の加奈が黙っていられるのか。

神戸と翔太の絡みが絶妙なものが有った。
あの無骨な神戸でさえ頬を緩めてしまう子供の存在が、如何に
大きな存在であるのか伝わってくるしね。
そして久しぶりの警察官・権藤の絡み。
加奈の悲しさを知る藤本が、権藤の発言を必死に抑えようとして
いたシーンもまた印象に残る。

中城加奈(29) - 仲間由紀恵 (娘:業務用厨房機器販売)
中城桂(50) - 戸田恵子 (母:人形教室)
中城朋也(54) - 岸部一徳 (父:サラリーマン)
中城静江(76) - 八千草薫 (祖母)
田崎翔太(31) - 加瀬亮 (息子:左官)
田崎重夫(54) - 風間杜夫 (父:水道局勤務)
田崎四郎(77) - 井川比佐志 (祖父:左官)

藤本誠(50) - 陣内孝則 (妻・娘を火事で亡くす)
安藤律子(48)- キムラ緑子 (翔太の母。離婚)
神戸幸作(42) - 松重豊 (左官)
時枝春美(25) - 黒坂真美 (加奈の同僚)
妙 - 宮田早苗 (スナックのママ)
権藤(53) - 塩見三省 (警察官)

宮坂あゆみ

評価:★★★★★☆☆☆☆☆ (5.0)

inserted by FC2 system