ありふれた奇跡

脚本/山田太一
演出/田島大輔、谷村政樹

http://wwwz.fujitv.co.jp/arifureta-kiseki/index.html


第7話


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子供など要らない俺の気持ちは変わらない。
そう告げるが簡単に決めた事は簡単に気持ちが変わるとして
翔太の事が信じられない加奈。
そんな中、先日翔太が静江の前で語る"子供は要らない"と
言ったことが思わぬ方向に飛び火していた。
加奈の父・朋也が田崎家に乗り込み娘との結婚は認めないと
告げていったのである。
翔太の父・重夫はさり気なく翔太にその事を尋ねる。父親の前
では子供のことを言った覚えはないのに何故知っているのか?
朋也が来たことを聞かされ納得。
翔太は加奈と再び会うと、結婚の件で話し合う。
結婚なんて一言も言っていないのに、父が翔太の家に断りに
言った行動を疑問視する加奈。私にプロポーズしたか?と翔太
に尋ねるもやっぱりプロポーズしてはいないという。しかし
子供が産めない事実を語ったことで、それを意識しているもの
かと翔太は思ったと告げる。
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ドラマとしては複雑化しているような感じだが実は単純に
事実を隠蔽しているが故に、原因の全てが翔太自身にあるとし
て、彼が加奈の身代わりに酷い仕打ちになる展開だった。

ドラマとして面白くなっているのは、我が身の可愛さ故の事
なのか、他人のことは口うるさく詮索する割りに、自分の娘
の事に関しては疑いもしないという展開だ。

自殺しようとしていたなんて・・と中城家は翔太の事を変人扱い
する訳だが、すぐ近くにいる娘がそんな心境を味わっていた
なんて思いもしないのだろうね。

結婚はやはり本人同士の問題ではなく家族同士の付き合いで
あることも有り、周りのもの全体を引き入れていく展開は
良くできている。

これまで少しずつ探り合いのような状況が続いていた中で、
親が介入することで一気に話が展開してしまった。
翔太のサラリーマン時代の事とか鬱になっていた現実も、会話
の流れの中で加奈に話していくべき内容だと思うが、洗いざら
い父・朋也が暴いてくれたのだから、有る意味もう恐いものは
無くなった感じ。
ただ恋愛に関してはゆっくり進めていこうと誓った間柄だった
訳だが一気に結婚の話、そして子供の話にまで言及されて
いくことで本人同士には処理できない状況に追い込まれている
感じも受ける。

今回のサプライズは四郎が静江に会ったことだと思う。
静江は唯一中城家の中で翔太側の人間だと思っていたが、結婚
に関しては反対してしまう。子供欲しさなのだろうか。それと
も突拍子もない事を語ったからだろうか。
翔太が辛い境遇を味わったことで優しさを手に入れたことは
事実だけれど、それが他人に伝わらないもどかしさというのは
確かに感じる展開だね。これだけ自殺が多い日本の中でも
周りに死を意識する人が居るか?と加奈に問いかける桂の言葉が
何処か不思議な感じがした。

そういえばいつの間にか桂は立ち直っているね。
静江は娘・桂の浮気のことを知っているような感じだね。

中城加奈(29) - 仲間由紀恵 (娘:業務用厨房機器販売)
中城桂(50) - 戸田恵子 (母:人形教室)
中城朋也(54) - 岸部一徳 (父:サラリーマン)
中城静江(76) - 八千草薫 (祖母)
田崎翔太(31) - 加瀬亮 (息子:左官)
田崎重夫(54) - 風間杜夫 (父:水道局勤務)
田崎四郎(77) - 井川比佐志 (祖父:左官)

藤本誠(50) - 陣内孝則 (妻・娘を火事で亡くす)
安藤律子(48)- キムラ緑子 (翔太の母。離婚)
神戸幸作(42) - 松重豊 (左官)
時枝春美(25) - 黒坂真美 (加奈の同僚)
妙 - 宮田早苗 (スナックのママ)
権藤(53) - 塩見三省 (警察官)

宮坂あゆみ、泉晶子、長野里美、河野由佳

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