ありふれた奇跡

脚本/山田太一
演出/田島大輔、谷村政樹

http://wwwz.fujitv.co.jp/arifureta-kiseki/index.html


第9話


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翔太の嫁になる人は子供が産めないとダメ。
そう告げる四郎は重夫にもその事を話していた。昨日の顛末
を重夫から翔太に伝えられる。加奈の祖母・静江が家に来た事。
更には貧血で倒れて救急車で運ばれたこと。
翔太はメールでどうして二人のことで家族を巻き込んでいるの
かと連絡するも加奈からはなかなか返信がなかった。
一方加奈は静江の様子を気にしつつ彼女に話しかける。
自分が分からなくなったという加奈は、今の自分が翔太の事を
本当に好きなのか自分もよく分からないのだという。
そんな折り、翔太の仕事先の倒産のために暫く仕事の見通しが
たたなくなる。翔太は藤本の仕事場に相談しに行く。メールを
送ったが返事がないこと。すると藤本は将来のことを気にする
よりも今を大切にする方が良いのではないかと告げる。明日な
んか無いかも知れないのだと。
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ついに前回視聴率が一桁に落ちてしまった。
ドラマとしては最も盛り上がるべき所で、家族にまで波及した
問題がどのように収拾していくのか興味深いのだけどね。

さてドラマでは問題が全て洗いざらい発覚してしまった後、
本人同士の気持ちはどうなのかに焦点が当たった。

加奈はこの関係を終わりにしようと画策するも、そうはさせじ
と翔太が彼女の意図を汲み取り拒絶する。
ドラマを見ていると加奈があれこれルールを設けては気持ち
を落ち着かせようとしたり、本音を探ったりして、恋愛を
コントロールしようとしている姿が伺えるけど、この辺の
展開に野暮ったさを感じる人は挫折するのかも知れないね。

今回、四郎の考えに賛同できないものの存在がドラマを盛り
上げる。勿論翔太もその先鋒だが、重夫までも家を出て行く
展開になるとは思わなかった。

子供が居たって暖かい家族ではない事だって有る。
今のところ祖父の言うとおり、翔太は加奈の事を思うが余り、
子供の存在を敢えて無意味だと見ているようにも感じる。
ただ少しずつ子供の存在を意識していくような感じにも
見えて、今後の進退に於ける結末を上手く揺さぶっている様な
感じ。

多くの人が悩み苦しんでいるのに、それを自らの心の中だけ
で抱えている現代社会を何処か嘆いている翔太のセリフが
印象的だった。人々の感情を色づけすれば、仲間がすぐに
見つかる訳で、加奈と翔太が出会ったような偶然も必然のよう
になるオープンな世界に思いを馳せている感じが、なんとなく
分かるような気がする。

ドラマとしてはあまり未来を見ずに今日を生きようと言った
藤本の言葉も良かったね。人は色々と先を考えすぎて必要以上の
悩みを抱えてしまうからね。

中城加奈(29) - 仲間由紀恵 (娘:業務用厨房機器販売)
中城桂(50) - 戸田恵子 (母:人形教室)
中城朋也(54) - 岸部一徳 (父:サラリーマン)
中城静江(76) - 八千草薫 (祖母)
田崎翔太(31) - 加瀬亮 (息子:左官)
田崎重夫(54) - 風間杜夫 (父:水道局勤務)
田崎四郎(77) - 井川比佐志 (祖父:左官)

藤本誠(50) - 陣内孝則 (妻・娘を火事で亡くす)
安藤律子(48)- キムラ緑子 (翔太の母。離婚)
神戸幸作(42) - 松重豊 (左官)
時枝春美(25) - 黒坂真美 (加奈の同僚)
妙 - 宮田早苗 (スナックのママ)
権藤(53) - 塩見三省 (警察官)

宮坂あゆみ、山嵜聡弘、豊原愛

評価:★★★★★☆☆☆☆☆ (5.0)

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