ありふれた奇跡

脚本/山田太一
演出/田島大輔、谷村政樹

http://wwwz.fujitv.co.jp/arifureta-kiseki/index.html


第10話


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仕事がない翔太は藤本に呼び出されキャッチボールを行う。
無性にやりたくなったという彼。
藤本は加奈にも逢い雑談をする。自分が死にたくなった
時のことを語る加奈。何度も電車に飛び込もうとしたときに
よせと声を掛けられ、胸を突き返される気がしたという。
まるで影だけの存在。その影は翔太のよう気がしたので、
それだけで恋人だと思いこんでいた気がすると告げる。
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今回は藤本メインの話だった。

藤本に対して散々馬鹿にするような態度を見せる四郎や朋也
の行動。それに対して数日間音信不通になる藤本が何を思い
どんな行動を取っているのかが興味の対象となる。

赤の他人である二人の事を結びつけようとする藤本に対し、
何か別の意図が有るのではないかと疑ってしまう。
三人の関係の特異性の事など他の人が知る由もないために、
そう疑われても仕方がない訳だが、そこから金に結びつけて
しまうというのは、ちょっと飛躍的な感じもする。

ドラマとしては加奈に赤ちゃんが出来ないことを理由に、男性
と結婚できない事を描いたのとは対照的に、今回は男性側に
定職が無い状況を描くことで女性側から結婚の対象者として
選ばれるハズはないという事を描いた。

翔太は赤ちゃんが出来なくても加奈のことを選ぶはずだという
事と同時に、加奈は結婚する相手に例え定職が無くても選ぶ
ハズだという事。

最後に藤本にちょっとした自信が蘇る展開は見ていて気分が
良いし、そういう状況の人はこの世の中沢山いるわけで励みに
なる事は間違いない。

"現実では無いものに憧れた"というケルトの昔話を現実に被せ
た辺りの展開にはなんの信憑性もなく、お遊びの演出にしても
かなりの滑り気味。あの場面に女装の朋也が来るわけ無いし。

最後の赤ちゃんのエピソード。実は加奈の同僚が出来ちゃった
結婚に於いて、赤ちゃんなど要らないとする加奈とは正反対の
人物を登場させるのかと思ったが、この流れはフェイクで
最後にそのエピソードを持ってきた感じ。この行動に信憑性が
有るのかもまた難しいモノがあるが、ドラマとしては有る程度
興味深い流れではある。

中城加奈(29) - 仲間由紀恵 (娘:業務用厨房機器販売)
中城桂(50) - 戸田恵子 (母:人形教室)
中城朋也(54) - 岸部一徳 (父:サラリーマン)
中城静江(76) - 八千草薫 (祖母)
田崎翔太(31) - 加瀬亮 (息子:左官)
田崎重夫(54) - 風間杜夫 (父:水道局勤務)
田崎四郎(77) - 井川比佐志 (祖父:左官)

藤本誠(50) - 陣内孝則 (妻・娘を火事で亡くす)
安藤律子(48)- キムラ緑子 (翔太の母。離婚)
神戸幸作(42) - 松重豊 (左官)
時枝春美(25) - 黒坂真美 (加奈の同僚)
妙 - 宮田早苗 (スナックのママ)
権藤(53) - 塩見三省 (警察官)

小谷美代 - 末永遥

宮坂あゆみ、山嵜聡弘、熊谷美香、児玉頼信、剛州
建部和美、富永あき

評価:★★★★★☆☆☆☆☆ (5.0)

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