ぼくの妹

脚本/池端俊策
制作プロデューサー/八木康夫
プロデューサー/高橋正尚
演出/金子文紀、清弘 誠、加藤 新

http://www.tbs.co.jp/bokunoimouto/


第5話 鬼に恋した妹


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盟は警察の事情徴収の為に任意で警察署に出向く。
全ては九鬼研次の目撃証言のため。彼に振り回される事に
怒りを覚える盟。4時間の事情徴収の末、解放される。
警察署を出ると待っていたのは大河原春奈だった。彼女は
塚本準教授が担当するハズだった患者の手術の件を盟にお願い
したいという。

一方その頃、颯は九鬼に自ら連絡を取り待ち合わせ場所である
倉庫へと向かう。彼に会うと里子が亡くなるまでの顛末を語っ
て聞かせる。全てはスカーフを取ろうとして誤って落ちた事。
もっと早くに言うべきだったと反省し謝罪する。スカーフは
昨年のクリスマスに九鬼が買ったモノだという。殺したもので
は無いが里子を追いつめて殺したのはお前達だとして一生
かけて償ってもらうと告げる。

そんな中、倉庫には闇金融の取り立てやがくる。
九鬼はこの倉庫に寝泊まりしていた為に居場所がバレたので
有る。二人は隠れて取り立てやが帰るまでやり過ごす。
隠れている間に二人は色々と話をする。颯と盟には両親が居な
い事を知り心を開き始めた九鬼。里子は親友だった男の妹で
当時田舎に居たときに、東京に出て共同生活をしようと約束
し合っていたという。一人の親友の死をきっかけに全てが狂い
自分の元から消えたという九鬼。結局900万円の借金だけが
残ったという。九鬼は颯に金を払えば証言は取り下げると告げ
る。
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九鬼と接していく内に少しずつ誤解していた事が明らかになっ
ていく。九鬼もまた江上兄妹の事を誤解していた事が分かって
いくといった所だろうか。

このドラマを理解するには、目を瞑るべき所は瞑り、多少の
妥協点は必要なのかも知れない。

特に全ての責任を江上兄妹に押しつける所とか、予告で見せる
颯が九鬼の事を好きになっていく描写とか、とにかく無茶苦茶
なものだ。

しかしその壁を通り越えたときに訪れる妙な同情心やら共感
するような描写がこのドラマの良さなのかも知れない。

特にドラマとして良いと感じるのは、九鬼という人物の他人に
向けられる厳しい視線とは逆に、父親のようだと慕う櫻井に
対して優しい表情を向ける二面性が、彼の人生を物語っていて
良くできた点だ。

ただ金に執着するような貧しい環境で育ってきた颯が、900万
という金を突きつけられたとき、おいそれと他人のために出そう
とするだろうか。

まさか櫻井忠治が九鬼の父親とは思わなかった。
正直九鬼にとっては祖父くらいの年齢差が有るしね。

世の中を恨みたい気持ちはよく分かるが江上は違うという櫻井。
こんなに優しそうな表情を見せる櫻井にも愛する女性のために
子供を捨てたというダークな過去が有るわけで、人間の弱さ
というのが上手くあぶり出されているドラマだなと思う。

江上盟 ・・・オダギリジョー (32歳・大学病院・外科講師。)
江上颯 ・・・長澤まさみ (24歳)
九鬼研次・・・千原ジュニア (38歳)
桐原里子 ・・・ともさかりえ (27歳)
瀬川欽也 ・・・田中哲司 (39歳・弁護士)
大河原龍三・・・若林豪 (62歳・「戸山医科大学病院」理事長)
櫻井忠治 ・・・大滝秀治 (72歳・年金暮らしの老人)
瀬川茂子 ・・・鈴木砂羽

大河原春奈 ・・・笹本玲奈
塚本准教授 ・・・佐戸井けん太
小高教授 ・・・山田明郷

羽根田武美 ・・・小木茂光 (刑事)

蒲生純一、桜川博子、石井テルユキ、江藤純、古澤蓮
岡田正典、山中アラタ

評価:★★★★★☆☆☆☆☆ (5.0)

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