ぼくの妹

脚本/池端俊策
制作プロデューサー/八木康夫
プロデューサー/高橋正尚
演出/金子文紀、清弘 誠、加藤 新

http://www.tbs.co.jp/bokunoimouto/


第11話 さよなら…妹の結婚

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妹を幸せに出来ないのならば立ち去れ。
盟は手術を終えた九鬼にそう告げると間もなくして彼は居なく
なる。それを受けて颯は兄が追い出したものだと思い絶交宣言
を告げる。

盟は暫く花畑で作業する颯の姿を見守るが、翌日になると彼女
は花畑に来なくなる。心配する盟。ある時突然箱根の龍宮殿と
いうホテルから連絡があり、宿に泊まった颯の様子が変だと
してすぐに来て欲しいと告げられる。
いざ箱根に向かった盟。到着して早々に颯が宿の屋根に登って
いる姿を目撃。またしても失恋故に高いところに登ったもの
かと思わせたが意外にも颯は自らハシゴを下りてくる。
事情を聞くとネコが屋根から下りられなくなって泣いていたの
を助けたという。人騒がせな妹。その日は一晩4万円もする宿
に泊まり豪華な食事をとることになる。
新しい門出を祝おうとしてこの宿をとったのだというが・・・
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いよいよ最終回。
盟と颯は幸せになることが出来るのか。

恋愛病の妹によって完全に振り回される兄の顛末記だった。

熱しやすく冷めやすい妹。
どんなに妹が道から外れようとしても、凜として存在している
兄の存在が心強くもあり頼もしくもあり、それを分かっている
からこそ妹も自由に動き回れているのであろう。

結局ドラマとしてはこの世に二人しか居ない血の繋がった兄妹
のブレの無いドラマが描かれた。
手を変え品を変え妹に色んな事実をぶつけて行くも、いつまでも
変わりない二人の関係。例え妹から絶交宣言されてもその関係
は決して揺らぐことはない。
妹は妹としての役割をきっちり演じ、頼るもの頼られるものの
存在が実に上手い形で合致している。それこそまさに兄妹って
事なのだろうね。

九鬼と別れた事に嘆きながらも、すぐに次の相手を見つけて
しまう颯の性格と展開の妙さに笑えるものだった。
常に今度こそ間違いないと思っている妹の幸せを求める気持ち
に共感できるのだろうし、常に外れくじを引いてしまう彼女に
同情も出来るドラマ。妹の中には裏が存在しているの
だろうと思っていたが、そんなの一切無く真正面からぶつかって
いく辺りの性格に、とても単純だが興味深い人物像を見た気が
する。

そういえば九鬼ってまだ母親が生きていたのね。
この人も不器用な性格で颯とは境遇からしてとても合う感じが
したけど、結局別の道を選んでしまった。しかし江上家に出逢う
ことで毒素を全て抜き去り、人生をリセット出来たという事実
に何処か納得し、スッキリするようなエンディングが用意でき
たと思う。

なんだかんだ言ってなかなか面白いドラマだった。
なんで視聴率が取れなかったのだろうね。

江上盟 ・・・オダギリジョー (32歳・大学病院・外科講師。)
江上颯 ・・・長澤まさみ (24歳)
九鬼研次・・・千原ジュニア (38歳)
桐原里子 ・・・ともさかりえ (27歳)
瀬川欽也 ・・・田中哲司 (39歳・弁護士)
大河原龍三・・・若林豪 (62歳・「戸山医科大学病院」理事長)
櫻井忠治 ・・・大滝秀治 (72歳・年金暮らしの老人)
瀬川茂子 ・・・鈴木砂羽

大河原春奈 ・・・笹本玲奈 (理事長の娘)
塚本准教授 ・・・佐戸井けん太 (盟を嫌う上司)
小高教授 ・・・山田明郷 (盟を気に掛ける上司)
英機美 ・・・西原亜希 (看護師)
築山達夫 ・・・波岡一喜 (庭師)

深澤大河、鎗田千裕、鈴木美穂、岩手太郎、須永慶、木村翠
澤井孝子、渡辺道子、いせゆみこ、角野哲郎

評価:★★★★★☆☆☆☆☆ (5.0)

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