BOSS

脚本/林宏司
演出/光野道夫、石井祐介
プロデュース/村瀬健、三竿玲子

http://wwwz.fujitv.co.jp/BOSS/index.html


第6話 天使?悪魔?天才少女の罠


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名門校として有名な英明女子学園で体育教師・増岡剛が殺害
される。死亡推定時刻は22時から23時。頭部を複数回殴られた
事による脳挫傷で、凶器は犯人によって持ち去られていた。
酵素入りの漂白剤が遺体の回りにまかれており、指紋など全て
が拭き取られていた事から推測し、身近な人物であり頭が切れ
て几帳面な性格であることが伺えるという。
冷蔵庫に飲みかけの水が冷やしているのに、遺体の近くには
別のペットボトルが置かれている事に違和感を感じる絵里子。

教師達に話しを聞いて回る。校長、そして被害者の副担任を
していた事のある二宮奈津子に話を聞くも、体面ばかりを気に
していて、なかなか事件解決に繋がりそうな話を聞けそうに
なかった。
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どんなに知能犯で有っても、人間が犯す犯罪にはミスが付き
もので有り、必ず暴かれるものという警察としての信念みたい
なものが描かれている話だった。

世代差を取り込んだ話の流れというのは、天海祐希さんが
演じると右に出る者がいないなと実感させられる。

互いに分析官らしい言葉のやりとりが秀逸で、若者の代表として
石原由貴を志田未来が演じた。

ドラマとして面白くなった要素としては、状況証拠だけでなく
完璧な物証を掴んで追いつめたこと。そして何と言っても
遺体現場を偽装するという犯人の挑戦状を真っ向から受けて立ち
それを暴いていくという段取りだったことか。

刑事物ドラマとしては王道のアリバイ崩しと現場の偽装工作。
死亡推定時刻は内臓の温度によって判明できる事や死斑から
判明されていく捜査を遮断したこと。

ドラマとして良くできているのは、多少説明っぽいところは
有るが一つ一つの容疑や嫌疑に対して、論理的な理由を以て
可能性を潰している所だと思う。
現場から指紋を完璧に拭き取るくらいの周到さを見せながら
も現場近くで証拠品を杜撰に捨てておくという矛盾点を突い
たりする分析力とか、説得力があるしね。

また石原由貴が意図的なミスリードを引き起こして、容疑者
の攪乱を求めていたのに対して、警察側も敢えてその流れに
乗った上で真意を見極めていたり、逆に心理戦に持ち込み
日記というアイテムを犯人から引き出すという巧みな戦術が
実に心地良くもあり説得力がある。
この辺の醍醐味は、林宏司さんの過去の作品である「離婚弁
護士」なんかでも見られるけど、ホント上手い脚本家さんだね。

高山直也さんなども脚本に協力して居るみたいだが、この手の
クオリティの高いドラマが見られると嬉しいのだけどね。
これだけのクオリティが有れば海外ドラマ好きな人にも耐えら
れるレベルのものではないか。

ただドラマとしては一点、沙織が現場近くに居た事をタクシー
か何かの映像によって求めている辺りはかなり苦しかったな。
この辺の証拠が事件解決に向けて急速に進展していく辺りの
シーンだったのでもう少し説得力が欲しかった。
林さんの脚本は時々聞き込みなどによって有り得ない類の
証言や証拠を引き出して決定的なシーンに繋げてしまう強引な
所があるのも確かだね。

大澤 絵里子 …… 天海 祐希 (課特別犯罪対策室・室長)
野立 信次郎 …… 竹野内 豊 (警視庁・参事官補佐)
木元 真実 …… 戸田 恵梨香 (科学警察研究所から異動)
花形 一平 …… 溝端 淳平 (葛飾交番勤務から異動)
奈良橋 玲子 …… 吉瀬 美智子 (科学捜査研究所)
岩井 善治 …… ケンドーコバヤシ (組織対策課から異動)
山村 啓輔 …… 温水 洋一 (生活安全課から異動)
片桐 琢磨 …… 玉山 鉄二 (刑事)

丹波 博久 …… 光石 研 (刑事部・刑事部長)
屋田 健三 …… 相島 一之 (刑事部・参事官、丹波博久の側近)
池上 浩 …… 丸山 智己
川野 昭夫 …… 長谷川 博己 (捜査一課・刑事)
森 政夫 …… HILUMA (捜査一課・刑事)
小野田 忠 …… 塩見 三省 (捜査一課・係長)

石原由貴 …… 志田未来 (16歳・英明女子学園生徒)
二宮奈津子 …… 西山繭子 (理科教師)
増岡剛 …… 松田悟志 (28歳・体育教師。被害者)
沙織 …… 水沢奈子 (由貴の同級生)

須田邦裕、児玉頼信、仲原舞、高田彩香、石丸佐知
坂田梨香子、川崎珠莉、小野村麻郁

評価:★★★★★★★★☆☆ (8.0)

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