コールセンターの恋人 脚本：中園ミホ ほか チーフプロデューサー：黒田徹也 プロデューサー：奈良井正巳、樽井勝弘、壁谷梯之 演出：片山修、田村直己

第1話 TV通販の光と影…涙の高枝バサミ
--------------------------------------------------------
徹子の部屋に出演する都倉渉。彼が出版したクレームの女王
が100万部を突破してのこと。しかし渉のテレビだということ
も忘れて、カメラの前で目の前から消え去った青山響子の事を
呼び続ける。

通販番組の商品企画部に所属する都倉渉は企画会議の中で、
今度は高枝切り鋏を売ることを提案。
通販番組の中で、ナビゲーターの南極アイスはそれを売るとき
に"何でも切れる"と発言してしまい、冷や汗をかく。

渉は彼女である奥村静香と食事しているときに南極アイスの
陰口を叩いているとそれを聞いていたアイス本人は激怒し、
人事に圧力を掛けて彼をコールセンターお客様相談窓口に飛
ばしてしまう。上司は半年から一年は辛抱しろと告げるが・・・

コールセンターは千葉・勝浦の奥に有った。
現場に向かう渉に対してアイスは"青山響子にクレームの処理
だけして余計なことはするな"と言っておいてと告げる。
予想以上に何もない場所にコールセンターは有った。
駅から相当な距離有ったこと。更に熱い日であることで喉は
カラカラ。対応に出た宇野勉は麦茶を持ってきてくれるという
が、突然女性が渉の顔に手持ちの水筒の水をかける。文句言う
以上に喉が渇いていた彼はその水筒の水を飲み干した。
--------------------------------------------------------

ドラマ「ハケンの品格」や「anego」の脚本家・中園ミホさんの
ドラマ。
やはり近年彼女が題材にしているお仕事系の内容である。

コールセンターの苦労を描くものかと思っていたが、思った
以上に、スタッフの対応のスペシャリストぶりにあまり苦労
らしい苦労は感じなかった。

取りあえず初回は購入した客がどんな目的、どんな気持ちで
クレームを付けてきたのかを探っていく内容だった。
まるで刑事ドラマのように購入履歴を辿っていく様、そして
購入したアイテムから購入した人物の生活をプロファイリング
するかのように探り当てていくシーンはとても面白い部分の
一つ。もちろんここまでする必要があるのか、コールセンター
の範疇なのかという疑問は存在するが、その辺に少し目を瞑れ
ば、ドラマとしてはなかなか良くできた内容だった。

目の前の人間には興味が無く不器用な女性・青山響子の仕事
上での客への対応っぷりに感化されて、仕事に対する姿勢や
人生観まで変えられそうな内容だが、青山響子自身に起こって
いる過去やら柵が気になる点か。

"何でも切れる"との文句をTVの前で言っただけで本当に何でも
切れると勘違いしクレームを付ける人は世の中居るんだろうな
と思わせる内容で、ドラマとしてはこんなクレーマーが居ます
よという紹介的内容も含まれていくのかも知れないね。

それにしてもハサミで看板を切ろうとする豪快さには笑えた。
最後にハサミを本来の目的で使ったこと。それを利用して
販売促進に使おうとするソツの無さには脱帽するところで
その辺がテレビショッピング界のカリスマたる由縁なのかも
知れないね。

コールセンター組
都倉渉 …… 小泉孝太郎 (若手社員)
青山響子 …… ミムラ ("クレームの女王"の異名)
酒巻謙一 …… 松重豊 (コールセンター長)
宇野勉 …… 安田顕 (お客様相談窓口係)
八田ゆみえ …… 中島ひろ子 (お客様相談窓口係)
近藤渚 …… 滝沢沙織 (東京にあこがれを持つイマドキの女性)
上原千夏 …… 山崎野々華 (ほめ殺しの千夏)
大村ミサキ …… 真下玲奈 (受注係)
小松なみ …… 福井仁美 (受注係)
中谷あさり …… 愛未 (受注係)
川辺勇次郎 …… 若林豪 (人生相談の達人)

本社組
金原舞 …… えれな (南極アイスのバックダンサー)
白井萌 …… はねゆり (南極アイスのバックダンサー)
奥村静香 …… 樋場早紀 (渉の恋人。本社の秘書課に勤務)
三上慶太 …… 中林大樹 (中島局長の部下で、通販部に所属)
明石涼介 …… 石井康太 (通販番組のアシスタント)
中島栄作 …… 柴俊夫 (渉の上司、メディア物販局長)
南極アイス …… 名取裕子 (テレビショッピング界のカリスマ)

柳幸一 …… 小倉久寛 (印刷業。高枝切り鋏購入)
南 …… 樋渡真司 (徳栄銀行支店長)

黒柳徹子、樋渡真司、磯西真吾、上原由恵、堀越富三郎
阿部六郎、ドクターHIRO、東さや香、磯山香、勝田和宏(アナ)

評価：★★★★★☆☆☆☆☆ (5.0)