チャレンジド

脚本/渡邉睦月
演出/国本雅広
制作統括/千葉行利

http://www.nhk.or.jp/dodra/challenged/


第1話 熱血先生、再び!盲目の教師と生徒の感動のドラマ

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熱血中学教師の塙啓一郎だが、授業中に違和感を覚えて検査
したところ、網膜色素変性症だと診断を受ける。残念ながら
治らないと言われる。
帰宅してそれを妻の幸江に語って聞かせると彼女は涙し、一番
綺麗な私を貴方の脳裏に焼き付けるとして化粧を始める。

ついに洗面をしている時に視界から光りが消える。それでも
学校に行こうとする啓一郎。もう無理だとして幸江はリハビリ
センターに行こうと諭す。
半年間のリハビリ施設での生活が始まる。
年が明けた頃に職業訓練の時間になり、目に障害がある人たち
の就職はマッサージ師か鍼灸師という二つしかない事に失望
する。
しかしある時啓一郎は妻子を呼び出し、盲目の教師の会という
ものがあり、自分にもやれるかも知れないと希望を持ち始める。
浜松に居る会の会長が逢ってくれるとの事で、約束の場所へと
足を運ぶことになる。

約束した場所は競艇場だった。
会長の筧丈治はそこで人一倍聴覚の優れた事を利用して賭け事
をしていた。周りには彼の予想を聞くために色々と集まってく
る。
彼に会うと覚悟はどれ程のモノなのかと尋ねられ、子供達に
友情や信じることの大切さを伝えたいことを述べる。すると
教育委員会に掛け合うことだと聞かされる。そして傷害は
個性ではなく新しい力である事を聞かされる。

盲導犬のポン太を受け取り一ヶ月の歩行訓練をした後、東京の
教育委員会を手当たり次第に回る。しかしウチの地域では無理
だとして殆どの場合断られてしまう。妻からは負のオーラを出す
なと言われ、信条のようにしていた走れメロスも諦めなかった
でしょと告げる。
そんな妻は実家の母校に掛け合い、かつての恩師に話をつける
と啓一郎の事に興味を持ってくれたという。
早速彼は会いに行くと、校長の花村聡吉は彼を気に入りすぐに
採用が決まる。

9月の新学期。生徒達の前で啓一郎は紹介される。
啓一郎は張り切るものの、無理だとする教師達は多く、そんな
彼に冷たく当たってくるのだった。
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視覚を失われることは本当に辛いことだと思う。
しかしそんな辛さとは逆に活き活きとした主人公のキャラクター
に好感を持てる内容で、それを支える家族もまた前向きでユー
モアに溢れている家庭で有るために、何処かそんなハンデも感じ
ない程のドラマとなった。

意外とよく描かれているなと思ったのが、周りの教師達も
同情より先に、素性の分からない盲目の教師が来たことで
戸惑い・不審に思っている様子が描かれた事だ。
冷たい態度にも思えるけれど、最初の出会いの場面などこんな
感じだろうし、そんな状況を打開するためにはやはり啓一郎
側からのアプローチが必要なんだと思う。

上述したとおり支える家族がまたよく出来た家族だった。
必要以上に同情していないし、彼がやりたいと思う道をサポート
してくれる。

初回なので生徒との関わり以上に、目の障害を持った人がどの
様な過程を経て社会復帰を果たすのかが描かれた。

生徒とのアプローチに於いて、ポン太の存在も欠かせないアイ
テムだった。

ドラマとして違和感を感じたのは、アクティブ過ぎる点。
妻も夫の自立心を求めている為なのか、一緒に行動を取ると
言うことが限りなく少なかったし、初めての場所でもスムーズに
移動していたりする点では信憑性があるのかよく分からなかった。

ドラマでは色んな名言も飛び出したと思う。
そして障害者に対する視線が時代毎に進化しているなと感じた。
昔は確かに障害は一つの個性だと教わっていた。それが新しい
力だとして前向きに捉える様は、素晴らしい事だと思う。
最後に飛び出したアメリカでは障害者はチャレンジドと言うと
いう結びもこのドラマにピッタリだったね。

ドラマではパニック障害の生徒が取り上げられた。
頑張りすぎて傷ついている状況を主人公と同じくダブらせて
描いた点は良くできていた。
まぁこんなに簡単に感化されるとは思えないが、パニック障害
も軽いモノから重いモノまで色々と分けられるからね。

取りあえずNHKらしい題材のドラマかなと思う。

塙啓一郎 …… 佐々木蔵之介 (38歳・中学2年3組担任の国語教師)
塙幸江 …… 富田靖子 (35歳・啓一郎の妻)
新谷京子 …… 村川絵梨 (22歳・新米の国語教師。啓一郎のクラスの

副担任)
筧丈治 …… 夏八木勲 (65歳・盲目の元教師)
花村聡吉 …… 西郷輝彦 (58歳・都丸中学の校長)

落合拡 …… 田中実 (40歳・学年主任で生活指導担当の数学教師)
山崎ロビンソン武 …… 川平慈英 (35歳・英語教師)
板橋律子 …… くわばたりえ (33歳・体育教師)
阿掛登志彦 …… 南周平 (25歳・保健の先生)

月本麗 …… 夏未エレナ (14歳・学級委員。両親は旅館を経営)
奥寺比夜 …… 小池里奈 (14歳・父は病死。母は保険の外交員)
友坂真鈴 …… 藤本七海 (14歳・母との2人暮らし。おとなしい性格)
鵜飼秀彦 …… 竹内寿 (14歳・学級委員。父は大学の准教授)

都丸中学・2年3組の生徒たち (誤字が有るかも知れません。)

会田省吾 …… 柿澤司
飯村華子 …… 神崎れな
江藤元気 …… 秋元龍太郎
角田みず帆 …… 村崎真彩
目下部一哉 …… 岩岡誠也
近藤恭一 …… 小杉茂一郎
紺野未来 …… 木下綾菜
斎木由岐奈 …… 鈴木米香
篠塚瑛太 …… 志村勇樹
鈴木卓 …… 坂倉輝
祖父江美湖 …… 小川千菜美
田口太陽 …… 牧野成譲
名波豊 …… 大石悠馬
野崎景 …… 松島広太郎
畑山優月 …… 長谷川愛美
北条麻紀 …… 千葉なおみ
真鍋流星 …… 玉野力
村瀬響 …… 糟谷健二
本村梨乃 …… 重高麗奈
谷田部好 …… 長村航希
響野真昼 …… 久野みずき
吉田勇努 …… [木外]井賢斗
吉川美琴 …… 西園みすず
和久田千寿 …… 谷内里早
鷲尾久志 …… 松林啓太

吉村涼、佐藤瑠生亮、遠山俊也、舟木幸、白石タダシ、並樹史朗
朱源実、沼崎悠、内山翔人、鈴木麻衣花、茂木和範、森村玲
浦崎宏、椿基之、田端かや乃、藤田三三三、吉田愛美、西崎果音
佐藤勇輝、加藤美月、土橋育美、小越勇輝、鈴木愛吏、米本来輝
田村もとこ、竹光桂子、大嶋捷稔

評価:★★★★★☆☆☆☆☆ (5.0)

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