ダンディ・ダディ? 〜恋愛小説家・伊崎龍之介〜

脚本 - 永田優子
演出 - 池添博、本橋圭太、梶山貴弘
プロデューサー - 中込卓也、大川武宏、平部隆明、梶野祐司

http://www.tv-asahi.co.jp/dandy/


第7話 妻に似た恋人

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テレビ討論番組、"これからのジャパン"にレギュラー出演して
いる龍之介。あかりは朋香と一緒にその番組を見ていた。
今日は恋愛家二人によるトークバトルという企画で、龍之介と
対峙するのはかつてはNO.1ホステスでラブゲームの達人と
呼ばれる女流作家の藤崎かれんだった。一目見た瞬間、龍之介
やあかり、朋香は亡くなったあかりの母・みのりに似ていると
呟く。
トークバトルのテーマは男女間に友情は存在するのかという
もの。
かれんは友情など存在しないという。女性は損得を第一に考え
タイプ以外の人とは友達にはならないというのである。
それに反論する龍之介を見てどちらが正しいのか。かれんは
同じテーマで小説を共同執筆して、その作業の中で恋愛が生ま
れるか友情が生まれるか賭けをしようという。

あかりは龍之介が目の前の女性にデレデレしているのを見て、
電話を掛けるが龍之介は無視。帰宅後、その事実を問い詰め
番組収録が終わった3時以降何をしていたのか尋ねる。
後藤ちゃんと打ち合わせだという龍之介だが、彼女は自宅まで
資料を届けに来たとして嘘が発覚する。
いつもは私を優先してくれていたのに・・・そう考えると
あかりは父の態度を不審に思う。
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前回は佐々木泰三視点で描かれた物語だったが、今回はあかり
の視点で描かれた話だった。
ドラマとしての主旨は分かるのだが、一話からこれくらい雰囲
気の有る内容が描けていればドラマとしての全体的な評価は
もっと高いものになったんだろうと感じさせる。
ようやく龍之介の中に"ダンディ"さが描かれ、ドラマ本来の
良さが上手く出てきたと思う。

今回はあかりと龍之介の関係の中に突如女性が入り込んでくる。
あかりにとって父親の存在は、互いに寂しさを紛らわす存在で
有って友達の様な関係で有り、亡き母親の絶対的な存在である
と認識している。
しかもその女性・藤崎かれんは母親と似ていることも有って
とても複雑な心境に陥る。

一話から描かれてきた親子関係に於けるイニシアチブが完全に
入れ替わったような内容で、父親に恋人が出来る事への違和感
は、父が娘に抱く感情とはまた違うものだが、内容としては
似ているものが有ってなかなか良くできていた。

ただ今回のドラマ、龍之介とかれんが急速に接近するだけ有っ
て、バタバタ感を否めない。
互いの恋愛に於ける男女の価値観の違いをぶつけるという
意味合いが含まれているために、純粋に二人が恋愛関係に陥る
とは考えづらく、特にかれんが龍之介に好きにさせて見せる
と公言してしまったことで裏の意図ばかりが気になって内容
に集中できない状況が作られてしまった。

更にかれんの中には小説家で大成するという夢があるために
龍之介にアプローチする意図の中に不純なものが含まれている
であろう事が脳裏を過ぎる部分は残念なところ。

この二人が純粋に出会い恋愛に陥るようなシチュエーションの
方がしっくりと来る内容だと思う。

伊崎龍之介 …… 舘ひろし (56歳・恋愛小説家)
伊崎あかり …… 南沢奈央 (15歳・高校生・龍之介の娘)
(幼少時代 …… 宮武祭)
後藤美羽 …… 平山あや (25歳・新米編集者)
小早川悠樹 …… 石黒英雄 (15歳・あかりの彼)
沢村潤一 …… 池田努 (30歳・担任・剣道部顧問)
坂本サチ …… 野際陽子 (70歳・亡き妻の母)
葉山修二 …… 佐藤二朗 (40歳・セラピスト)
松原朋香 …… 林丹丹 (15歳・あかりの友人)
堂島寛 …… 八嶋智人 (37歳・新興出版社・編集者)
三嶋貴和子 …… 余貴美子 (50歳・編集長)
佐々木泰三 …… 鹿賀丈史 (56歳・文芸批評家)
山本浩輔 …… 前田公輝 (朋香の彼氏)
伊崎みのり …… 笛木優子 (あかりの母。既に亡くなっている)

内野達彦 …… 布施博
藤崎かれん …… 笛木優子 (女流作家)

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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