ふたつのスピカ

チーフプロデューサー/竹内敬明
脚本/荒井修子(1)(2)、松居大悟(3)(4)(5)
演出/山本剛義、塚本あゆ子

http://www.nhk.or.jp/drama8/spica/


第5話 宇宙へのライバル

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シュウとアスミの二人は塩見敏子らに突然呼び出される。
なんとNASAへの留学の最終選考に選ばれたのはこの二人だと
いう。先に面接したシュウは覚悟しておいた方が良いとして
後からやってきたアスミに声を掛ける。
教師たちから説明を受ける。そしてアスミは面接と称して
他の生徒たちよりも自分の優れた点を述べるよう告げられる。
一人一人の生徒達と比較していくことに、友人を蹴落とす感覚
のするアスミは嫌な気持ちになるも、選考のためには仕方がな
いと割り切る。

一学期の授業日程が終了する。来週から補習が有る事を告げら
れるが、近江圭は補習が始まる前の週末にみんなで旅行しない
かと提案。新之介が週末はアスミの母親の命日だという事を
告げると、墓参りの為に帰郷するアスミの実家・唯ヶ浜にみん
なで行こうと言うことになる。ちょうど花火大会も有るとの事。

アスミは鈴木と二人っきりになったときに面接のことを相談
する。鈴木は全ての面に於いて誰よりも優れている事を述べた
と聞かされる。その程度の気持ちであるのならば選考から下り
て欲しいとアスミは告げられる。
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今回はこのドラマとしてはもっとも難しいと思われる、仲間と
ライバル心について描いた話だった。
これまでにもこのテーマについて散々触れられてきたことでは
あるが、現実にはまだ相手を蹴落とさねばならない状況は表面
的には描かれていなかった。

青春ドラマらしく結束感を表すような思い出の旅行のシーンを
描く中で、その意味を考えさせるという気難しい展開では有る
が、子供達が迷うときに人生の先輩である二人の大人(佐野貴仁
と鴨川友朗)が現状を正しく分析して、前向きにさせるのだから
これ程有り難いものはない。
ドラマとしては本来自分でその意味が何なのかを吟味し、苦悩
を重ねて前を向いていくという段取りだと思うが、流石に全7話
のドラマではそういう流れもなく一気に処理してしまった感じ
だ。

仲間の団結をうたう様な旅行シーン。
夏の風物詩である花火と祭りを使うのは有る意味お約束だね。

どちらがNASAに選出されたのか、面白い具合に引き延ばした
感じの演出。パジャマで川の字になる女性陣。出来れば男性陣
も同じ空間に居るとまた面白かったのだけど、流石にNHKでは
不純さを臭わすシーンは描けないか。

アスミが落ちてシュウが選出された。
ドラマとしては一番気難しい性格の万里香が落ちたときの心境
を表すシーンが随分省かれ、アスミや圭など落選組と一緒くた
に取り扱われた感じ。
砂浜を走って物事を忘れさせようとする流れはちょっと強引
だったが、一昔前の青春ドラマみたいな味付け。

生徒達だけでなく、鴨川友朗や佐野貴仁の気持ちにも整理を
付けさせて前進させたところは良かったと思う。
やはり政治的な圧力で慎重さよりも計画通りに実行させられた
事が事故に繋がったのね。
今回のNASAの件も政治的な圧力によって振り回される感じが
なんとも嫌だが、それを唱える前にシュウが倒れてしまうとは
韓国ドラマのような演出だな。

鴨川アスミ …… 桜庭ななみ
鈴木秋(シュウ) …… 中村優一
府中野新之介(ふっちー) …… 大東俊介
宇喜多万里香 …… 足立梨花
近江圭 …… 高山侑子

拝島涼子 …… 本上まなみ
鴨川友朗 …… 高嶋政宏
桐生春樹 …… 向井理
宇喜多千里 …… RIKACO
大西耕次郎 …… ゴルゴ松本
塩見敏子 …… かとうかず子
佐野貴仁 …… 田辺誠一

秋葉吾朗 …… おかやまはじめ
藤井ルミ …… 霧島れいか
鴨川今日子 …… 原史奈
アスミの幼少期 …… 大森絢香
新之介の幼少期 …… 柴田洸翔
沢渡百合 …… 小林恵美
野々宮隆 …… 二階堂智
川本校長 …… 大石吾朗
桐生夏樹 …… 桑代貴明

(生徒達)
飯嶋耕大、飯塚友敬、小川祐依、小野寺未来、河原田巧也
小林和輝、佐久間夏帆、佐藤史果、菅沼司、内藤義明
長谷川直人、長谷川舞、ほしの智世、間宮祥太朗、三原秀次

伊藤正宏、五王四朗、更井孝行

評価:★★★★★☆☆☆☆☆ (5.0)

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