ふたつのスピカ

チーフプロデューサー/竹内敬明
脚本/荒井修子(1)(2)(6)(7)、松居大悟(3)(4)(5)
演出/山本剛義、塚本あゆ子

http://www.nhk.or.jp/drama8/spica/


第7話 さよなら宇宙学校

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高校生がNASAへと第一号生として留学する。
マスコミの前で正式な会見を行い大々的にアピールする。
しかしカメラの前に立つアスミに対して、インタビュワーは
次々と親友の秋の死に関する質問や、ロケット開発者である
父親のこと、そして天国の母親に対する気持ちなどを問いかけ
てくる。アスミの事を宇宙開発のためのイメージアップ作りの
為に広告塔として利用しようとしていたのである。
会見を取り仕切る刈谷譲二は、彼女のバックボーンを知らせる
事で視聴者に感情移入させる事が目的だという。

万里香も既にシュウの死から切り替えて新たな宇宙医学の講座
を受講する手筈を整えていた。私には無理だという圭。
昨晩の会見に対して新聞が取り上げる記事の大げさな見だしと
脚色された物語に違和感を感じる。それを見た万里香も母親に
対してこんな仕事をしてプライドは無いのか?と告げる。

アスミはNASA留学までのカリキュラムが綿密に組まれていた。
シュウの四十九日が土曜日に行われるためその打ち合わせを
したいというが、週末はスケジュールが立て込んでいた。
なんとか出席したいと思うが、拝島涼子からは個人的な予定
を優先させるのかと冷ややかな目で見られる。しかし意外にも
四十九日の法事に出席しても良いとしたのは、刈谷だった。
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いよいよアスミはNASAへ留学することになる。
初めての日本の高校生のNASAへの留学にマスコミも大騒ぎする。

ドラマは急ぎ足な内容だった。
韓国やアメリカのドラマを見た後に日本のドラマを見ると
1.5倍凝縮しているかのような内容で、セリフに関しても説明
っぽく、一つ一つの展開や意味合いを吟味する間もなく、感情
移入するのが難しい。

今回はシュウの夢を引き継いだアスミが彼の残した言葉を受け
今一番すべきことを優先していく様な内容だった。

しかしエピソードの構成の仕方が雑で、四十九日の法要の場に
居るにも関わらず、私には優先べき事が有ると言い出したり、
突然宇宙飛行士のカリキュラムと友人の法事とを比較に出す
辺りの展開はちょっと的外れな感じも受けた。

夢を掴むと言うことは他の大事な事を手放すことだという
桐生のセリフにも納得できるような出来ないような微妙な
ものが存在しているし、カリキュラムをきちんとこなせない
様なクルーを信用できないとする涼子のセリフも唐突感がある。

カリキュラムの大切さは分かるのだが、友達の法事を無視
するようなやり方が良いとは思わないし、それこそクルーと
して信用できるものなのかと問いたくなる。

マスコミの使い方もえげつさが足りないというか、仲間との
関係にヒビを入れたり、アスミのペースを乱すほどの存在と
は思えないところがあった。

ただ本当の友情とは何なのかをふっちーが語るシーンは納得
するものが有った。ここで出会えたのはベタベタする為では
なく、くじけそうになる時もう一踏ん張り喚起し合える存在の
形こそが友情ではないかというもの。

前回の感想の最後に、シュウから彼女に思いを託すような
メッセージでも有れば良かったと書いたのだが、まさにそんな
メッセージが今回アスミの心に響いたという点では面白い使い
方だったと思う。

鴨川アスミ …… 桜庭ななみ
鈴木秋(シュウ) …… 中村優一
府中野新之介(ふっちー) …… 大東俊介
宇喜多万里香 …… 足立梨花
近江圭 …… 高山侑子

拝島涼子 …… 本上まなみ
鴨川友朗 …… 高嶋政宏
桐生春樹 …… 向井理
宇喜多千里 …… RIKACO
大西耕次郎 …… ゴルゴ松本
塩見敏子 …… かとうかず子
佐野貴仁 …… 田辺誠一

秋葉吾朗 …… おかやまはじめ
藤井ルミ …… 霧島れいか
鴨川今日子 …… 原史奈
アスミの幼少期 …… 大森絢香
新之介の幼少期 …… 柴田洸翔
川本校長 …… 大石吾朗
刈谷譲二 …… 神保悟志
鈴木さくら …… 菊里ひかり

(生徒達)
飯嶋耕大、飯塚友敬、小川祐依、小野寺未来、河原田巧也
小林和輝、佐久間夏帆、佐藤史果、菅沼司、内藤義明
長谷川直人、長谷川舞、ほしの智世、間宮祥太朗、三原秀次

中村哲人

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