外事警察

原案:麻生幾
脚本:古沢良太
演出:吉村芳之、堀切園健太郎、梶原登城

http://www.nhk.or.jp/dodra/gaiji/


第2話 テロリスト逃走

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陽菜は爆風に巻き込まれて火傷と軽い脳震盪を起こす。
誰が彼女を殺そうとしたのか・・・

二ヶ月前、住本は外交官・ラモン・バルガスを外為法で捕まえ
る。私に協力すれば祖国にも黙っている事を告げ、"FISH"の
存在を尋ねる。するとバルガスは落ち着かない様子を見せ始め
るが、協力するから守って欲しいと願い出てくる。
交差点でバルガスが歩いている所を後から青い服の外国人男性
が近づいてきて、4課のメンバーは緊張が走るが、別の人物に
よって注射されてバルガスは亡くなってしまう。住本はすぐに
撤収命令を出してバルガスについてはこれ以上関わらない様
下す。

内閣官房長官から9月3日にテロリスト防止の国際会議が日本で
開催される事を発表される。このタイミングでテロリストの
脅威が有ることがマスコミに流れれば国民がパニックを起こし
かねないと有賀は心配する。

4課の陽菜と大友はジュリオ・ロッシを監視し始める。
大友は彼女に外事に来て良かったか?と尋ねる。私が必要にされ
る事はあまりないので、やり甲斐は有るとするが・・

青い服を着た外国人はラモンに封筒を渡すよう頼まれただけで
ある事が分かる。バルガスに注射を打った人物は特定できなか
った。

倉田は住本たちが内緒で動いている事実を知って内緒にするのは
構わないが失敗したときは有賀共々引きずり下ろすと圧力を
掛ける。

バルガスが愛人にしていた女性の家を捜索すると、テロリスト
対策会議を行う会場の資料が多数見つかった事から、やはり
この会議に併せたテロ計画で有ることを実感。更にゴミの中か
ら取引に使った大金を入れた袋が見つかり、それらが地下銀行
から動いた金であることが分かる。

ジュリオ・ロッシをマークしていた陽菜と大友。陽菜は彼を
尾行するとして彼に近づく。ロッシは美容師の下村愛子に
好意を寄せてよく花を届けている事が分かる。彼は外国人相手
の会員制バー"アレス"の店長をやっていた。

一方住本はニケと接触する。彼に地下銀行を探って欲しい事を
依頼し、この件が最後のミッションであることを告げる。
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バルガスからFISHに繋がる情報を得ようとするが、あっさりと
殺害されてしまう。手がかりを求めて地下銀行を探るが、
FISHに繋がる情報はなく、残すところはジュリオ・ロッシだけ
だった。ロッシの懐に入り込める人物を探っていく内に、
陽菜は自分が4課に呼ばれた意味を知っていく。

ドラマとして面白くなった要因は、やはり外事という特殊任務
の事を警備企画課理事官自体がイマイチ理解しておらず、軋轢
を生んでいくことか。
この人が住本班の周りで動くことは、邪魔な存在としか思えず、
まさに住本が言うところの"ハエ"である。

CSI程ではないけれど、今回は随分科学捜査で証拠を詰めていく
シーンも有ったし、今回はなんといっても協力者と運営者の
関係について、面白いレクチャーの形で進行する。

この関係を成立させるために三段階の段取りが存在し、
相手の情報を徹底的に洗い出すこと、世話役作業を行いこの人
の為ならばと思わせるまでに関係を発展させること、そして
最後は協力者にするという事である。

住本とニケの関係はこんな段取りをもって過去に成立させた
関係なのかも知れない。

面白いことに住本のやることの意味を探る過程で、陽菜は
五十嵐を頼りにしていくわけだが、陽菜自身もまた五十嵐を
信用する様し向けられていたという段取りの巧さが存在する。

陽菜と愛子の関係はとても興味深いものが存在するし、
愛子が何故夫の介護に固執しているのかを突き詰めていく辺り
の懐深いシナリオが用意されている点で、とても面白いドラマ
になった。
酷なドラマの主旨からすると、愛子は殺害されて陽菜に自責の
念が芽生えていくような展開に発展していくのかも知れないが
彼女の成長の犠牲になっていくのかな。

最後はまるでアクティヴフェイズの住本とパッシヴ・フェーズ
の陽菜の構図で、相手を労るだけが信頼関係では無いことが
描かれとても深いドラマになったと思う。

住本健司 …… 渡部篤郎 (警視庁公安部外事4課主任)
下村愛子 …… 石田ゆり子 (おしどり夫婦と評判の理容店の妻)
松沢陽菜 …… 尾野真千子 (所轄から突然外事4課)
倉田俊貴 …… 遠藤憲一 (警備企画課理事官)
村松久美 …… 余貴美子 (内閣官房長)
有賀正太郎 …… 石橋凌 (警視庁警備局長)

金沢涼雅 …… 北見敏之 (外事4課)
大友遥人 …… 山本浩司 (外事4課)
森永卓也 …… 滝藤賢一 (外事4課)
五十嵐彩音 …… 片岡礼子 (外事4課・今回で引退?)
滝沢大聖 …… 斎籐歩 (係長)

久保田岳 …… 平岳大 (豊島南署)
住本絵美 …… 奥貫薫 (健司の妻)
住本由樹 …… 稲垣鈴夏 (健司の娘)
住本栄司 …… 堀部圭亮 (元外事1課・殉職)
ニケ渡辺 …… ルドルフ・マッカラン (情報協力者)
幼少時代の住本健司 …… 北村匠海

ラモン・バルガス …… エディ・サイトウ (ゴルビア大使館・書記官)

ジュリオ・ロッシ …… チェホ・イムレ (会員制バー)
カリム・クレメンテ …… ロア・アラン (バーの客)
ジム・コンラッド …… イアン・ムーア (CAI極東支部)
アルトゥール・マルケス …… リカヤ・スプナー (地下銀行)
渡部昌子 …… 遊井亮子 (ニケの妻)

中野剛、鈴木綜馬、小山由美、ジェン、デヴィッド・キンテーロ

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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