外事警察

原案:麻生幾
脚本:古沢良太
演出:吉村芳之、堀切園健太郎、梶原登城

http://www.nhk.or.jp/dodra/gaiji/


第4話 裏切り〜消えた爆弾を追え

--------------------------------------------------------
ジュリオの携帯電波を調べると川崎市の工業地帯にアクセスし
ているのが分かる。該当地域には7社の企業があり、その中の
一つに峰谷化学という営業実績のない企業が有ることを知る。
窒素系肥料や軽油を大量に購入していることから、明らかに
爆弾工場にしている事が分かる。従業員は全部で7名。2名は
日本人で残りは外国人であると、日本人従業員の一人から
密かに話しを聞く。全部で2トン分の爆弾を使っているであろう
事が判明する。

陽菜は愛子に会いに行く。とんでもないことに巻き込んでしま
った事を謝罪し、全ては住本の責任だという。ジュリオと関係
を持たせてしまった事に謝罪するが、ジュリオとの関係はあく
まで自分の意思であり誰も憎んでいないという。住本は使う
だけ使って捨てるつもりである事を告げると、愛子は陽菜に
貴方ならば最後まで守ってくるのか?と尋ねる。

陽菜は住本の協力者である愛子に勝手に面会したことを受けて
陽菜を捜査から外すと言われる。陽菜は愛子の事を何故正式
に運用しないのか尋ねる。何時でも切るつもりで、今回も
また見捨てるつもりかと食って掛かる。

陽菜は久保田と食事し、捜査から外された事を愚痴る。
外事から外れられて寧ろ良かったとして、また所轄で一緒に
やろうと言われる。

そんな中、ジュリオの携帯の電波を受信する。ジュリオは
峰谷化学に電話していることが分かる。そんな中、峰谷化学
をマークしていた捜査員から、複数のトラックが発進した
事が告げられる。金沢はトラックが出た後の工場内を調べる。
そこには"827"と血文字でメッセージが残されていた。
トラックの尾行はまかれてしまうが全てのナンバープレイト
は一応確認できた。
住本は有賀に報告する。国際会議まではあと17日だった。
--------------------------------------------------------

住本の協力者を使い捨てにするやり方について行けない陽菜は、
愛子を助けるために住本を裏切ることになる。
果たしてその行動が吉と出るのか凶と出るのか。

ジュリオが嘘を付いていることは、前回の展開を見ていれば
明らかで、彼は愛子に盛られた薬の存在を知って敢えて泳が
せていたことも有り、今回の様な展開になった。

住本のやり方が間違えている事を証明するかのように、ニケ
が遺体として発見された事。より陽菜の中に反発心を抱く形と
なり彼に不信感を募らせる様子が描かれる。

色んな人の思惑が展開されるが、端的な話として住本と倉田の
一騎打ちのような形にしたところは見やすくなったと思う。

ドラマとしては住本の内面やら過去から現在に至るまでの経緯、
父親の件が語られることで、彼の正体に迫る話であること。
また住本と有賀の関係もそんな過去から起因していることが
分かり、その辺りの関係性は確かに面白いものがあった。
ただ倉本が言っていた"公安の魔物"と呼ばれる理由はイマイチ
伝わってこなかったかな。

またこのドラマ、フェイクの流れというものが分かりづらく、
ジュリオに踊らされていたという部分がイマイチ分からない。
今回の件でも途中で4課は倉田たちの表舞台の情報を元に動き
始めるが、現実に大和田団地にたどり着いたことでトラックが
有り1トン分の爆薬が回収できたことは、決してフェイクな流れ
とまでは言えないモノがあるのではないかと思う。

トラックがNシステムに引っかからない理由も描かれていないし、
久保田刑事が途中で住本の尾行を始める所なども逆に展開を
複雑化させる為に省略してしまった方が良かったかも。

一番複雑怪奇なのは、やはり愛子がスパイ活動を率先してやる
気を見せる一面だ。
五十嵐が事件に関わりたい理由とは明らかに違い、好奇心の
度が過ぎている感じに思える。
ニケにしても任務が終わった後に独自に捜査していたために
殺された訳で、全てを住本の責任に押しつけるというのも
かなり違和感が有る展開なのかも知れない。

取りあえずテロリストが爆発物を所持している事が分かり、
これまでの展開の中に度々描かれている陽菜が爆発現場にいる
ような映像がどういう状況なのか、徐々に想像できるように
なってきた所も興味をそそられる部分だ。

住本健司 …… 渡部篤郎 (警視庁公安部外事4課主任)
下村愛子 …… 石田ゆり子 (おしどり夫婦と評判の理容店の妻)
松沢陽菜 …… 尾野真千子 (所轄から突然外事4課)
倉田俊貴 …… 遠藤憲一 (警備企画課理事官)
村松久美 …… 余貴美子 (内閣官房長)
有賀正太郎 …… 石橋凌 (警視庁警備局長)

金沢涼雅 …… 北見敏之 (外事4課)
大友遥人 …… 山本浩司 (外事4課)
森永卓也 …… 滝藤賢一 (外事4課)
五十嵐彩音 …… 片岡礼子 (外事4課・今回で引退?)
滝沢大聖 …… 斎籐歩 (係長)

久保田岳 …… 平岳大 (豊島南署)
住本絵美 …… 奥貫薫 (健司の妻)
住本由樹 …… 稲垣鈴夏 (健司の娘)
住本栄司 …… 堀部圭亮 (元外事1課・殉職)
住本妙子 …… 占部房子 (母)
ニケ渡辺 …… ルドルフ・マッカラン (情報協力者)
幼少時代の住本健司 …… 北村匠海

ラモン・バルガス …… エディ・サイトウ (ゴルビア大使館・書記官)

ジュリオ・ロッシ …… チェホ・イムレ (会員制バー)
カリム・クレメンテ …… ロア・アラン (バーの客)
ジム・コンラッド …… イアン・ムーア (CAI極東支部)
ウィリアム・スペイダー …… グレゴリ・ベーカー (警備会社)
アルトゥール・マルケス …… リカヤ・スプナー (地下銀行)
ジョン・リー …… パク・ソモ
渡部昌子 …… 遊井亮子 (ニケの妻)
尾崎毅 …… 升毅 (国際テロ対策課長)
和泉大我 …… 中村靖日 (外事技術調査室技官)
近藤仁志 …… 嶋田久作 (警視庁公安部長)
前野透 …… 鷲生功
西村順平 …… 中村太一
鑑識課長 …… ノゾエ征爾
管理人 …… 飯島大介
稲垣純也 …… 片岡弘鳳
中島哲司 …… 遠山俊也

伏見嘉将、清水英行、井殿雅和、富永研司、伊藤教人
ウェイン・トスター

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

inserted by FC2 system