外事警察

原案:麻生幾
脚本:古沢良太
演出:吉村芳之、堀切園健太郎、梶原登城

http://www.nhk.or.jp/dodra/gaiji/


第6話 その男に騙されるな

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愛子とジュリオを接触させるも、彼から助けを求められる。
住本は彼らをセーフティハウスへ連れていくよう陽菜に告げる。
ジュリオに対して、本当の名前、テロ計画の全貌、クレメンテ
の居場所、組織の事を話せと迫り、変わりに新しいパスポート
と一億円を用意するよう告げる。情報にはそれだけの価値が
有るという住本。利用されるだけの人生から逃げて本当の人生
が送られるという愛子の説得により、彼はゴラン・マリッチと
言う名であり、クレメンテとの出会いについて語る。
そして彼からは人員の調達とブースター(起爆装置)の制作を
告げられ、アンホ爆薬にセットするのが役目だった事を告げる。
明日の電話でクレメンテに場所を指示されるという。

その頃、滝沢は住本が命令に無視している事を倉田に報告する。
その上で倉田はスペード社と村松周辺の事を付いて調べるよう
指示する。

住本は有賀局長に会い、スペード社の進出に伴い世界中で
何故か暴動やテロ騒動が起こっていることを報告し、更には
官房長官・村松に取り入っていることを告げる。
スペード社の目的は日本の警察の権威を失墜させようとしてい
ること、ジム・コンラッドと有賀は友達なので何が情報を
渡しているのではないか?と尋ねる。局長は警察組織の巨大化
を目指しているので利害は一致するという事。局長ほどの人が
スペード社の思惑に全く思いも寄らなかったというのは不自然
だという。

一方村松はスペード社に逢い、スペイダーらから村松がテロの
ターゲットになっていること、そして我々ならばクレメンテを
見つけ出すことが出来る事を告げる。

陽菜は倉田に面会し、機密費の一億円を出すよう要求する。
決して理事長には迷惑を掛けないという彼女。住本を監視して
いるのは私だけであり貶めることで出来ると告げる。

そんな陽菜の前に久保田が現れる。彼は住本をつるし上げるた
めには陽菜の協力は欠かせないという。遺族のために賠償金を
勝ち取ること。困っている女性を助けるために警察官になった
のではないかという。陽菜は五十嵐に協力を求める事になる。
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果たして爆発の意味は何だったのか。
そして組織内に存在するモグラの正体は誰なのか。

前回の展開の中で既にフィッシュは存在せず、テロの犯行計画
に置いてもスペード社による自作自演である可能性に言及され
ていたので、その辺の確認と細部を煮詰めていった感じのする
展開だった。

既に2話辺りから爆発についての描写が有ったし、住本の服に
付着している血痕が誰のものなのか、その辺の関係が今回の
メインの流れかも知れない。

前回の展開の中でも言及したが、陽菜は一体どういう人物へと
なろうとしているのか。住本の件を否定しつつも彼女が完全に
住本の様な足取りを辿っている辺りは面白い所だし、郷に入っ
た彼女がそれに従うように、上手い交渉術をもって関わっていく
所は彼女の成長を描いた点でもある。

一つの爆発事件を元に、全く違う別の真実が存在する所など
最後の最後で住本が言った"この世に真実なんてどこにもない"
とする言葉の証明が為されている所でとても面白い部分だった。

結局モグラの件は五十嵐がそれに当たっていた。
陽菜が住本らの動きを知るために盗聴装置を仕掛けているのを
回収したのかと思ったけど、五十嵐のものだったのね。

運営者と協力者の関係もとても興味深く、最後は協力者が本当
の自分に戻る事への心情が描かれたり、住本は住本のままで有
ったとするところは面白いところ。続編も十分に作れるだけの
余地は残しているところが憎い。

先日イギリスのドラマ「ステート・オブ・プレイ」がNHKで放送
されハリウッド化も為されたが、このドラマもそれだけの
クオリティは存在していると思う。

渡部篤郎が全ての真実を知った後に、クレメンテに対して銃を
突きつける辺りのシーンなんて、渡部篤郎ワールドって感じで
とても雰囲気がある名シーンだったな。
役者の演技力を引き出すようなドラマが今の日本では足りなく、
役者達の演技力が幼稚に映るような作品が乱立している様に
思う。

住本健司 …… 渡部篤郎 (警視庁公安部外事4課主任)
下村愛子 …… 石田ゆり子 (おしどり夫婦と評判の理容店の妻)
松沢陽菜 …… 尾野真千子 (所轄から突然外事4課)
倉田俊貴 …… 遠藤憲一 (警備企画課理事官)
村松久美 …… 余貴美子 (内閣官房長)
有賀正太郎 …… 石橋凌 (警視庁警備局長)

金沢涼雅 …… 北見敏之 (外事4課)
大友遥人 …… 山本浩司 (外事4課)
森永卓也 …… 滝藤賢一 (外事4課)
五十嵐彩音 …… 片岡礼子 (外事4課・今回で引退?)
滝沢大聖 …… 斎籐歩 (係長)

久保田岳 …… 平岳大 (豊島南署)
住本絵美 …… 奥貫薫 (健司の妻)
住本由樹 …… 稲垣鈴夏 (健司の娘)
住本栄司 …… 堀部圭亮 (元外事1課・殉職)
住本妙子 …… 占部房子 (母)
ニケ渡辺 …… ルドルフ・マッカラン (情報協力者)
幼少時代の住本健司 …… 北村匠海

ラモン・バルガス …… エディ・サイトウ (ゴルビア大使館・書記官)

ジュリオ・ロッシ …… チェホ・イムレ (会員制バー)
カリム・クレメンテ …… ロア・アラン (バーの客)
ジム・コンラッド …… イアン・ムーア (CAI極東支部)
ウィリアム・スペイダー …… グレゴリ・ベーカー (警備会社)
アルトゥール・マルケス …… リカヤ・スプナー (地下銀行)
ジョン・リー …… パク・ソモ
渡部昌子 …… 遊井亮子 (ニケの妻)
尾崎毅 …… 升毅 (国際テロ対策課長)
和泉大我 …… 中村靖日 (外事技術調査室技官)
近藤仁志 …… 嶋田久作 (警視庁公安部長)
前野透 …… 鷲生功
稲垣純也 …… 片岡弘鳳
中嶋哲司 …… 遠山俊也
須藤勲 …… 中野剛

評価:★★★★★★★☆☆☆ (7.0)

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