ゴーストフレンズ

脚本/高橋留美
プロデューサー/谷口卓敬

http://www.nhk.or.jp/drama8/ghostfriends/


第7話 ずっとそばに〜残された姉へ贈る最後のエール


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美空が何故あんな酷い行動をするのか分からない明日香は、
その答えを考えながら歩いていると、一人の女性ゴーストが
道行く人たちに悪さしているのを目撃。明日香が声を掛けると
来て欲しいというゴースト。連れて行かれた先には、鉄橋から
今にも飛び降りて自殺しようとする高校生・山城静香の姿が
有った。静香と明日香は一年生の時、深い仲ではなかったが
同じクラスメイトだった。そして連れてきたゴーストの姉だと
いう。

3年前に両親を飛行機事故で亡くし、姉・静香と妹・圭の二人で
寄り添って生きてきたという。姉は大学に行きたい思いがある
のに妹の為に仕事に就くことを考え就職するという。幾ら忙し
くてもバラバラになりたくない思いでいたのだった。
しかし半年前に妹・圭が先立ち静香は独りぼっちになってしま
う。やる気を無くし、心配して声を掛けてくれる人にも八つ当
たりし独りぼっちの状況。ゴーストは明日香に姉を助けて欲し
いと頼む。
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ドラマとしては何故美空がカイトらに対して酷い行動に出るのか
を念頭に置きつつ、今回の姉妹の件を解決する話だった。

ドラマは端的に言って、海外ドラマ「ゴースト」的な話だった。
ゴーストと遺族の間に立って、後悔している妹の気持ち
を伝えると同時に、意気消沈して今にも自害しようとしている姉
に生きる為の糧を与えるような展開だ。

美空とカイトの話がドラマとして流れを邪魔している感じにしか
見えないのが残念だった。
今回の様なケースだと最後に美空とカイトの話を入れるだけで
良いのに、重要な場面でメインの話を放っておいていきなり美空
たちの話を振ってしまう。
勿論ドラマとしては姉妹の話をヒントに、生きている者は生きて
いる者同士で生きていかねばならないことを示唆する内容なので
明日香の中にカイトとの関係に踏ん切りを付けさせる意味合いが
有ったのかも知れないが、もう少し上手い処理の仕方をして
欲しかった。

姉妹にしか分かり得ないことを使って、ゴーストの存在を焙り
出させる展開は良くできていたと思う。ドラマでは卵焼きの
詳細な作り方をもって、姉にゴーストの存在を信じ込ませた
感じ。

ドラマとしての興味は何故妹があの日亡くなってしまったのか
という事。ちょっと強引ではあるが、当日の状況を記憶の中に
閉じこめていた事にして次第に思い起こさせるような展開を
用意していたし、幼馴染みの存在をこれまた強引だが引っ越し
した様な展開を用意する。
互いに必要としている間柄なのに、幼馴染みの関係を巡って
嘘つき有って居たというのが切ないオチだった。女性同士の関係
に男性が入ると途端に関係が崩れてしまうという興味深い要素
が存在していたな。

神谷明日香 …… 福田沙紀
速水カイト …… 西島隆弘 (ゴースト)
新庄辰巳 …… 岡田義徳 (美術部顧問)
本郷美空 …… 入山法子 (ゴースト)
青山ミク …… 水崎綾女 (ゴースト)
三島ユイ …… 愛衣 (ゴースト)
永井拓海 …… 川久保拓司 (サッカー部キャプテン)
柴田ナオ …… 渋谷飛鳥
神谷武志 …… 入江甚儀 (明日香の弟)
小野あやか …… 片瀬那奈 (カフェ「マージュ」)
橘真知子 …… 中山恵 (明日香の担任教師)
神谷聖子 …… 友近 (6年前に亡くなった明日香の母)
神谷孝太郎 …… モト冬樹 (明日香の父、料理研究家)
アンナ …… 鰐淵晴子 (ゴースト)
橋本冬美 …… 愛実

山城圭 …… 荒井萌
山城静香 …… 大平奈津美

ヒロシ、山田伊久磨、村瀬香奈、青木琴子、矢口侑奈
三瓶真理、飯森なつ美、原田久明、山本いつみ、岸潤一郎
江藤純

評価:★★★★★☆☆☆☆☆ (5.0)

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