派遣のオスカル 〜少女漫画に愛をこめて〜

原作/松田奈緒子
脚本/金子ありさ
演出/笠浦友愛

http://www.nhk.or.jp/kindora/haken/


第6話 自由・平等・友愛、失恋?

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三沢はアンティガ社に寝返ったさやかの後を追ってMIZUKIを
退社しアンティガ社に就職。
三沢はさやかが持つ情報ファイルを盗み出して、なんとか買収
を阻止しようと考える。敢えて敵側に潜入するなんて凄いと
あんは告げる。しかしこのままではみんなにとっては裏切り者
だとしてなんとかしないとダメだと告げる。

MIZUKIでは社員の中には有給をとって転職活動をするものが
多く現れる。原材料会社で、保湿成分に必要なシノールゲン酸
を製造する東雲ケミカルを買収されたら打つ手がないという
五十嵐。
MIZUKIの岩槻常務や庄司専務は内密にさやかたちと接触し、
アンティガ社の重役達との会食の機会を持つ。
MIZUKIの社員達はそんな会食の場にやってきて、暁生に現在
会社がどのような状況なのか説明を求める。

三沢は内村と会う。
内村は三沢が何を考えているのか全く分からないが、五十嵐の
事が引っかかっていることだけは分かるという。

三沢はあんからスパイ活動のノウハウを教わり、さやかのオフ
ィスに忍び込む。しかし途中で戻ってきたさやかと鉢合わせ。
そこでさやかが今後しようとしている事が分かる。
MIZUKIの商品をアンティガ社名で売ろうとしている事。
あくまで中身だけが必要であり、ブランド名は要らないために
買収するにしてもMIZUKIの約3割の社員は切られるという。
そして経営陣の全てに退陣してもらうことを告げる。

一方社員達が不安に思っていることを知り五十嵐は、社内放送
を使って会社の現状を語り始める。
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ドラマとしては買収の圧力をかわすことが出来るのかという
点と、勝子と暁生の関係はどうなるのかという事が最大の
焦点だった。

買収騒動に関しては、かなり安っぽい展開になってしまった。
特に勝子がアンティガ社に潜入した事は、そんな意味が有る
ような事にも思えず、また買収阻止のための青写真も全く
描かれたものが無かった。
会社から機密情報でも持ち出せばそれだけで逮捕されるんじゃ
ないかと思ってヒヤヒヤする流れだった。

ドラマとして面白かった点は、社長Jr.はこの買収の問題点を
東雲ケミカルの存在だけに着眼点を絞っていた事によって、
有る意味社員達の気持ちを見誤っていたこと。
自分を犠牲にしてアジア化学を抱き込もうとするが、これまで
に行ったリストラ・経費削減策は想像以上に社員達に不信感
を与えていたことだ。

そんな状況を一気に形勢逆転させるべく、勝子を使った演説は
なかなか気分の良いモノで、自らが派遣という立場を利用して
社員として働けることの喜びや誇りを感じさせるものだった。

結局自分を捨てることなく、会社を切り捨てて一から始める
とした暁生。その決意の中に勝子の存在や主張が多大に影響を
及ぼしたことは明らかで、勝子のキャラクターを上手く生かし
切った展開だったと思う。

あんとの関係も気がつくと親友みたいになっているし、
自分が絵を描く理由を少女漫画オタクの勝子を引き合いに出して
上手く見つけだした点では、とても気分の良い形だった。

また一から始める会社という事で、その辺もドラマとして成立
しそうな気もする。

しかし新型和風美人。野球のボール大くらい有る入浴剤ってなんか
嫌だな。20分以上風呂に浸かっていなければならず、一度の湯
であれだけのものを使ってしまうというのは、かなり贅沢な
商品だと思う。

三沢勝子 …… 田中麗奈 (少女漫画好き。派遣社員)
五十嵐暁生 …… 徳井義実 (社長の息子。)
俵あん …… 鈴木杏 (漫画家)
森谷清正 …… 尾美としのり (課長)
八城さやか …… 朝海ひかる (部長。マリーアントワネットみたい)
内村武志 …… 佐藤智仁 (社員)
静田弘美 …… たくませいこ (派遣社員。娘一人)
井手奈々子 …… 金子さやか (社員)
五十嵐達郎 …… 平泉成 (社長)
佐藤克弘 …… 上條恒彦 (管理部)

岩槻雅彦 …… 小林隆 (常務)
庄司公孝 …… ベンガル (専務)
高橋チエミ …… 橋本真実 (社員)
矢口純子 …… 弘中麻紀 (社員)
橋本隼人 …… 山中聡 (人材派遣会社)

オスカル(声) …… 田島令子

立花由香里 …… 菊地美香 (アジア化学・社長令嬢)
立花麻里武 …… 松本春姫 (由香里の娘)
立花沙亜歩 …… 田中颯 (由香里の息子)

水木薫、川俣しのぶ、阪田マサノブ、柊巴、内海修宏

若林幸樹、松本大卒、せきぐちきみこ、本間剛、佐藤博秋

評価:★★★★★☆☆☆☆☆ (5.0)

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