ハンチョウ 〜神南署安積班〜 脚本／石原武龍、奥村俊雄、難波江由紀子 プロデューサー／橋本　孝、遠藤正人 演出／酒井聖博、竹之下寛次、和田旭、竹村謙太郎 http://www.tbs.co.jp/hanchou2009/

第1話 自首

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容疑者・高部智之が拳銃を持ったまま逃走していると連絡が
入り捜索していると神南署が真っ先に見つける。全員で包囲し
近づくと犯人は威嚇発砲。しかし焦らず安積剛志は犯人に
近づく。犯人は橋の上から飛び降りると下で待ち受けていたの
は本庁の刑事達。手柄をかっさらわれた格好となる。

一方公園で女性が後頭部を痛打し亡くなっているのを発見され
る。被害者は横谷美津江。宝飾商社長の女性で持ち物から財布
が無くなっている事から強盗目的の犯行かに思われた。
現場検証の場に居た須田は刑事の感から単なる強盗ではない
と推論を語るが、初動捜査に憶測は禁物だと告げられる。
そんな中拡声器で喋る女性・大田トヨの声が聞こえると、安積
と水野はその現場に向かう。そこは偶然被害者・美津江の自宅
の有る場所。しかもトヨは横谷の名前を連呼していることから
二人の間に何かあったのではないかと調べることになる。
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この枠のドラマを見るのは初めてかも。

冒頭の事件を取り扱うことによって、現状をさらりと描いた
感じ。本庁との手柄の争い。そして予算切迫により、上層
部からは手柄を求められているという一面。

さて初回は人情モノを扱うような話だった。
何故トヨは自首してきたのか。そして冒頭から描かれている
拡声器を使った奇怪な行動の意味は何なのか。

亡くなったものの心の声を拾うというドラマが世を賑わせて
いたけれど、ドラマは生きた人間の心の声を拾うという内容だ。

トヨという人物の行動を読み解くと自ずと彼女の心情が伺い
知られる展開だ。
特に志村浩平という人物との出会い。
嘘や金目的で近づいてきた男だと分かっていても、孤独よりは
マシだとして自らを犠牲にして他人のために尽くそうとする。
自首してきた件も自らを犠牲にして未来有る若者の事を気遣い
起こした行動だった。

冒頭の猟奇的な一面とは余所に、この様な人間味溢れるキャラ
クター性が隠れているという憎い演出であると共に、近所迷惑
してでも注目を浴びて他人の目を引きつけようとする彼女の
心寂しい一面が何とも切なく映る。

ドラマとしては二つの親子関係を面白く描いた格好だった。
トヨと離れている息子の関係。そして今回被害者となる美津江
とホストで働く息子の関係。金が有っても無くても関係が
上手くいかないところは世知辛さを感じて、それだけに
班長らの関係が上手く浮かび上がってくる。

流石にエクステから犯人を割り出していく最後の過程はかなり
簡略化されていたけど、また仕方がないか。


中村俊介さん、美男子で高身長で言うことがないけど、
これまであんまり良い役が巡ってこなかったので、この手の
ストイックな役で活躍して欲しいね。
それにしても佐々木蔵之介さんと横に並んだときに中村俊介さん
の方が大きかったのは驚かされた。

安積剛志 …… 佐々木蔵之介 (42歳、刑事課・係長)
村雨秋彦 …… 中村俊介 (36歳、刑事課)
須田三郎 …… 塚地武雅 (31歳、刑事課)
水野真帆 …… 黒谷友香 (31歳、刑事課)
黒木和也 …… 賀集利樹 (29歳、刑事課)
桜井太一郎 …… 山口翔悟 (26歳、刑事課)
速水直樹 …… 細川茂樹 (42歳、交通課・係長)
金子禄朗 …… 田山涼成 (52歳、刑事課長)
相良一樹 …… 近童弐吉 (捜査一課・警部補)
芝山洋介 …… 鈴木拓 (捜査一課)

安積涼子 …… 渋谷飛鳥 (19歳、新人看護師)
山口友紀子 …… 安めぐみ (27歳、東報新聞記者)
相馬遥 …… 近野成美 (和食処"磯樽"の従業員)
小島杏子 …… 奥貫薫 (和食処"磯樽"の女将)

大田トヨ …… 市原悦子 (孤独。拡声器で迷惑を掛ける)
陽一 …… 加藤厚成 (トヨの息子、ホスト)
高部智之 …… 遊木康剛 (冒頭の強盗傷害犯人)
横谷美津江 …… 長坂しほり (宝飾店社長の女性)
白咲 …… ヒロシ (ホスト)
江藤弘一 …… 大橋智和 (路上ライブをしている男。財布盗み)
香澄 …… 吉川麻美 (妊婦)
志村浩平 …… --- (トヨを騙していた男)
横谷茂之 …… 野口征吾 (美津江の息子)
ミチル …… 井料彩美 (ヨウイチの彼女。エクステを落とす)
主婦A …… 田上香織
主婦B …… 吉田晃代

評価：★★★★★☆☆☆☆☆ (5.0)