ハンチョウ 〜神南署安積班〜

脚本/石原武龍(1)、奥村俊雄(2)(6)、難波江由紀子(5)
小澤俊介(3)、末安正子(4)
プロデューサー/橋本 孝、遠藤正人
演出/酒井聖博、竹之下寛次、和田旭、竹村謙太郎

http://www.tbs.co.jp/hanchou2009/


第6話 存在しない男を愛した女…3650円の人生


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神涛不動産の社長・山並道代が昼休みの休憩中に灰皿で
殴られ死亡する。第一発見者は事務員の神田で、彼は出て行く
犯人の姿を見たという。犯人は並木金融の河原崎伸一だという。

一方娘の涼子に頼まれご飯の買い出しにいく剛志。公園の前で
子供がボールを追い掛け飛び出す場面に遭遇するも間一髪助か
る。車を運転していたみやび食品の山根健二も気をつけろと
注意し去っていく。
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目撃者の男性は、犯人は河原崎伸一だというが、彼にはアリ
バイが存在するという。証言を取るために走り回るハンチョウ
らは、伸一が語るとおり公園に居たことを証明する証言が取れ
てくるのだが・・

ドラマとしてはとても工夫されたシナリオで、一癖も二癖も
有る内容だった。
序盤には顔見せだった男が最終的には事件解決のための鍵を
握っているというのは、刑事ドラマの常套手段でもあるのだが
どのような繋がりが有るのかが興味深い点。

何と言っても全く関係のない二つの事件から同時にアプローチ
していき一人の人物にたどり着くというシナリオの妙が光る内容
だ。

いずれの事件にせよ共通する人物である河原崎伸一の非道さ加減
が関わってくる話で、その分利用される男性の人生が上手く
あぶり出されてくる内容だった。

今回のドラマとして最も難しい点は、野上が山根として生きる
ことになる一夜の出来事をどのように描くのかということだ。
冷静に考えれば有り得無さを感じてしまう二人の人間の接点を
上手く結びつけた居酒屋の存在が絶妙で、必要以上に証言しない
店主を山田明郷が上手く演じている。

正直ドラマを見ているとクレジット的に冒頭から名も無き
俳優が演じても良さそうなシーンを鶴見辰吾が演じていたり、
上述する山田明郷が演じているので、このシーンが一つのポイ
ントとなるであろう事は想像に難くはない。
最後に全てが明らかにされた時に、アリバイを偽装した公園の
近くに安積剛志が居て、野上拓也と既に出会っていたと思うと
何処かニヤリとさせられる内容だ。

ちょっと出来過ぎなのは人情シーンを彷彿とさせる安積剛志が
野上拓也の事を信じて待ち続ける所か。
もう少し相手の性格が分かっていたりすると説得力が有るん
だけどね。過去に安積剛志が逮捕して世話をしていた過去なんか
有ると完璧だったのだが・・・

安積剛志 …… 佐々木蔵之介 (42歳、刑事課・係長)
村雨秋彦 …… 中村俊介 (36歳、刑事課)
須田三郎 …… 塚地武雅 (31歳、刑事課)
水野真帆 …… 黒谷友香 (31歳、刑事課)
黒木和也 …… 賀集利樹 (29歳、刑事課)
桜井太一郎 …… 山口翔悟 (26歳、刑事課)
速水直樹 …… 細川茂樹 (42歳、交通課・係長)
金子禄朗 …… 田山涼成 (52歳、刑事課長)
相良一樹 …… 近童弐吉 (捜査一課・警部補)
芝山洋介 …… 鈴木拓 (捜査一課)

安積涼子 …… 渋谷飛鳥 (19歳、新人看護師)
山口友紀子 …… 安めぐみ (27歳、東報新聞記者)
相馬遥 …… 近野成美 (和食処"磯樽"の従業員)
小島杏子 …… 奥貫薫 (和食処"磯樽"の女将)

山根健二 …… 鶴見辰吾 (本当は野上拓也)
河原崎伸一 …… 由地慶伍 (並木金融)
店主 …… 山田明郷 (居酒屋・炭々亭)

中村綾、杉村暁、庵原涼香、山口隆、柴田正和、伊藤正之
康知、飯尾麻耶、一矢麻矢、金子幸生、鈴木鈴枝、玉井雅子
島崎弥生、荒井健太郎

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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