ハンチョウ 〜神南署安積班〜

脚本/石原武龍(1)(8)、奥村俊雄(2)(6)(9)、難波江由紀子(5)(7)
小澤俊介(3)、末安正子(4)
プロデューサー/橋本 孝、遠藤正人
演出/酒井聖博、竹之下寛次、和田旭、竹村謙太郎

http://www.tbs.co.jp/hanchou2009/


第9話 たった一人の反乱…さようなら安積警部補


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安積はこの日、囚人である根岸(江口)美佐子から呼び出されて
一人関東女子刑務所へと赴く。美佐子は5年前に女癖の悪い夫が
恋人にしていたホステスの腕を刺した短気な女性。その時は
執行猶予が付いていたが、二年前には夫を刺し殺したことで
10年の実刑になっていた。
江口は安積に逢うと自分は無実だと告げる。
夫が亡くなった2年前の5月16日、浮気した夫を連れ戻しに部屋
を訪れたとき夫は刺されて亡くなっており、落ちていた凶器を
拾ったところを宅配業者に見られたという。状況証拠が揃って
いた事から無実を訴えるも効果が無く、当時検事が耳元で取り
あえず罪を認めて楽になるよう告げて公判でひっくり返せば
良いと言われたことを告げる。
当時部屋に行ったときに階段ですれ違った男が犯人であり、
先週その男を雑誌の中で見かけたという。それは城都大学病院
の医師・佐久間徹だという。
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受刑者の声にも耳を傾けるハンチョウ・安積の正義感を描いた
話だった。

彼の正義感の前では組織の論理など一切通用しないとばかりに
敵も味方もなく真相を追求していく姿がとても印象的な話だっ
た。

ドラマでは相変わらず刑事課長・金子いじりの楽しい内容で、
怒る理由を探して歩いている金子の事を安積班の面々が軽く
スルーしている姿が笑えた。

ドラマを見ていると、どう言う人間が他人から信用されるのか。
そして部下達からの信頼を寄せられるのかが描かれている。
それを証拠に上司であり要求ばかりを貫き通してくる金子課長
に対しては、みんなが無視しだしているのに対し、リスクを
承知で安積の為に動こうとしている部下達の信頼関係が面白い
様描かれていたと思う。

さてドラマでは2年前の事件の真相究明という事でとても難しい
案件だった。正直近年の精巧なドラマで起こる論法だと、これで
事件を解決させるには無理がある訳だが、最後は必要以上に
追求しなかった点も好感出来る演出だった。

ドラマでは受刑者が証言した容疑者・佐久間徹のアリバイ崩し
と、彼が何故根岸の夫を殺害しなければならないのか、その
理由を解き明かしていく。
佐久間が突然思い出したかのようにアリバイを語り始める
不自然さと同時に佐久間のアリバイを証言する野々村勝治
という胡散臭い人物が浮かび上がる。
2年前の5月16日は、大井川鉄道の蒸気機関車の復活の日という
イベントを利用しアリバイ工作を崩した。
如何にも須田に課せられたキャラクターの特性って感じだった
けど、これがまた別の人から出てくると面白かったかも。

これぞハンチョウ的ドラマという話だったと思う。

安積剛志 …… 佐々木蔵之介 (42歳、刑事課・係長)
村雨秋彦 …… 中村俊介 (36歳、刑事課)
須田三郎 …… 塚地武雅 (31歳、刑事課)
水野真帆 …… 黒谷友香 (31歳、刑事課)
黒木和也 …… 賀集利樹 (29歳、刑事課)
桜井太一郎 …… 山口翔悟 (26歳、刑事課)
速水直樹 …… 細川茂樹 (42歳、交通課・係長)
金子禄朗 …… 田山涼成 (52歳、刑事課長)
相良一樹 …… 近童弐吉 (捜査一課・警部補)
芝山洋介 …… 鈴木拓 (捜査一課)

安積涼子 …… 渋谷飛鳥 (19歳、新人看護師)
山口友紀子 …… 安めぐみ (27歳、東報新聞記者)
相馬遥 …… 近野成美 (和食処"磯樽"の従業員)
小島杏子 …… 奥貫薫 (和食処"磯樽"の女将)

江口美佐子 …… 川上麻衣子 (囚人。冤罪を訴える)
佐久間徹 …… 大河内浩 (城都大学病院・医師)
矢島伸一 …… 中谷彰宏 (検事)
野々村勝治 …… 黒部幸英 (45歳・東洋食品。佐久間のアリバイ)

有福正志、川俣しのぶ、五宝孝一、黒部幸英、竹嶋康成
客川幸司、中山広大、内村つぐみ

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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