仁 -JIN-

脚本/森下佳子
演出/平川雄一朗、山室大輔、川嶋龍太郎
プロデュース/石丸彰彦、津留正明

http://www.tbs.co.jp/jin2009/


第7話 生きる遺言…

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仁は西洋医学所を辞めることになった。
しかしその事で一つ大きな事が発覚し、西洋医学所内で仁の
活躍を快く思っていないものの存在が浮かび上がってくる。
特にペニシリンという薬を巡って、医学所内に作られた製造所
は度々妨害を受けるようになっていた。そんな現状を見かねた
緒方洪庵はなんとか別の策を講じないといけないと感じる。

一方仁は、何をするわけでもなく10円玉を見つめていた。
そんな彼に咲は声を掛ける。10円玉が落ちていたことを知ると
この世界に未来から誰か来たのか?という。仁の顔を見て、未来
に戻れる道を探しているのではないか?と語る。心を見透かされ
た仁は驚く。ただ今戻ったところで未来が手術を成功できる
世界になっているのかどうか分からない事を口にする。
咲は全ては天命から来るものなので、慌てずに待てばよい事を
告げる。

そんな中、喜市が慌ててやってくる。茜が熱湯を被って首もと
に火傷を負ったというのである。
失った皮膚を別の部分を剥がして貼り直すことが必要だが、
その為には感染症を防ぐためにも大量のペニシリンが必要であ
るという。その事実を緒方に詳細に語ると、手術に自分の知人
を立ち会わせてくれないかと言われる。その男性は濱口儀兵衛
だった。彼が立ち会う中手術は無事終わるが、その頃西洋医学所
では製造所が何者かによって放火され焼け崩れていたのであった。
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緒方亡き後サポートする人物との対面といった感じの話だった。

これまでにも多大な尽力で仁の事をサポートしてきた緒方だが、
最後の置き土産といった感じだったね。

ドラマとしては色々と変えようとしている事が多い訳だが、変わ
らないものも有るとした事で、緒方の最後を上手く演出した。

武田鉄矢さんの演技力に脱帽の展開で、キャラクターとして誰もが
認める立派な人物の中にも心の寂しい一面が有ったとする辺り
とても深いものが有ったし、死に際までも仁を気にしている所
は何処まで人が良いのかと驚くばかり。

ペニシリンをどのように継続して作っていくのか。
ヤマサ醤油がこの時代から有ったというサプライズを演出した
いような流れだったけれど、醤油造りから上手く培養の技術へと
応用させてペニシリン作りをさせる辺りは上手かったなと思う。

仁の天命は西洋と東洋の医学を上手く融合させようとすること。
緒方の掲げていた医学の道を市民達へと転嫁させようとする
事でより医療が身近なものになっていくのかな。

一番気になるのは、初音と恭太郎の関係かも知れない。
野風が女郎の言葉をあまり信じない方が良いような事を言われて
いたけど、何かエピソードとして膨らみそうだね。

また幕末故の物騒さで地殻変動が起こりそうな所もドラマとして
ハラハラさせるものがあるかな。

南方仁 …… 大沢たかお (脳外科医)
野風・友永 未来 (2役) …… 中谷美紀 (植物状態)
橘咲 ……綾瀬はるか (橘家の長女)

橘恭太郎 …… 小出恵介 (咲の兄)
佐分利祐輔 …… 桐谷健太 (関西出身の若く優秀な医師)
山田純庵 …… 田口浩正 (西洋医学所の医師)
タエ …… 戸田菜穂 (枝豆や卵を売り)
喜市 …… 伊澤柾樹 (タエのひとり息子)
初音 …… 水沢エレナ (吉原・玉屋の若い花魁)
茜 …… 橋本真実 (茶屋の看板娘。)

緒方洪庵 …… 武田 鉄矢 (最高峰の蘭方医であり、西洋医学所の頭

取)
新門辰五郎 …… 藤田まこと (火消し「を組」の親分)
夕霧 …… 高岡早紀 (野風の姐さん女郎、梅毒)
鈴屋彦三郎 …… 六平直政 (吉原の大見世・鈴屋の廓主)
橘栄 …… 麻生祐未 (咲と恭太郎の母で未亡人)
勝海舟 …… 小日向文世 (坂本龍馬の師)
坂本龍馬 …… 内野聖陽 (豪快で女好きな土佐出身の脱藩浪人)

松本良順 …… 奥田達士 (西洋医学所)
伊東玄朴 …… 小林勝也 (西洋医学所)
福田玄孝 …… 佐藤二朗 (漢方治療館)
濱口儀兵衛 …… 石丸謙二郎

小須田康人、累央、小須田康人、木村靖司

評価:★★★★★★★☆☆☆ (7.0)

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