仁 -JIN-

脚本/森下佳子
演出/平川雄一朗、山室大輔、川嶋龍太郎
プロデュース/石丸彰彦、津留正明

http://www.tbs.co.jp/jin2009/


第11話 タイムスリップの果て…時空を超えた物語が今!!

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龍馬が襲われそうになるのを助けた仁だが、二人で一緒に
谷底へと落ちていく。下は川が流れていたこともあって無事に
助かるが、龍馬の姿が無くなっていた。
すぐに仁は咲の家に行き、恭太郎に事情を話す。勝らと一緒に
探すも結局見つからなかった。
仁は秘密を分かち合う人が周りから居なくなった事を悟る。

咲は蒲生家と見合いする。野風もいよいよ身請けの時が近づい
てくる。

そんな中、佐分利が仁の元に乳の岩と呼ばれるガンに関する
書籍を持ってくる。全ては自分で女郎達に頼んで研究したガン
に対するものが書かれていた。佐分利は野風について手術の事
を口にするが、仁は先方からはこれ以上調べて欲しいと言われて
居ないことを告げて自らも納得させようとする。しかし佐分利
はもう一度調べてみないかとして、仁は野風に手紙を送ること
になる。
佐分利が診断すると間違いなくガンであることを告げる。しか
しそれでも仁は悪性とは限らないとして手術をしようとしない。
野風もそれを受けて仁が言うのならば切らない方が良いと納得
してしまう。
佐分利は仁から信用されていないとして落ち込む。
山田から佐分利の事を聞かされる。過去に華風良平先生にも
ガンの件では認められた事。それを受けて手術を頼まれたが
感染症を併発して手術をした人は亡くなったこと。佐分利は
過去を封印して身を隠していたが、それを明かしてでも仁に
協力していた事を言われる。腑分けの事を償いたい気持ちも
有ったのだろうという。その頃、佐分利は茜の店で飲んだくれ
ていた。

緒方先生の墓参りにいく仁。そこで野風の件で緒方に相談して
いるところを龍馬が耳にする。それを聞いて龍馬は勝に相談。
自分で決められないのならば運を天に任せるのも一つの手だと
聞かされる。

いよいよ野風も最後の時。
彦三郎から家紋の有る人物の妾になる事は女郎にとっても最高
の名誉であり他の女郎の希望にもなると声を掛けられる。
龍馬は仁の元に行くと、土下座をして彼にオレのために野風を
助けてくれと言う。身請けが流れた後、自分が野風を引き取り
面倒をみるというのである。先生は黙って頼みを聞けばいいと
してその後の責任は全て自分が持つ事を告げる。
それを受けて仁は野風の手術を行うことにする。
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仁は果たして野風の手術を行うのか。

仁の中の心の葛藤が永遠と描かれ、龍馬や辰五郎の影響もあっ
てようやく非現実という世界の現実というものを受け入れた
感じの流れだった。

過去と未来に関する謎の一切は未解決のままで、如何にも続編
や劇場化の為に残して置いた感じのする内容だ。

仁を巡る咲と野風の話も決着が付いたようでいて、実はあんまり
決着した感じもしなかったし、龍馬を巡る暗殺の件も結局肩透
かしに有った感じ。まぁ何度も未遂に有っている人物なのかも
知れないが・・・

龍馬が漁師町についたとされる所で、現代の世界に行って戻って
きたくらいの話が隠されているのかと思ったけど、流石にそれを
展開するだけの時間は無く、仁が未来から来た人である事は墓の
前で話を聞いている訳だけど、実際には上述するところで未来の
彼を見てきているからこそ、聞き分けの良い部分が有ったのでは
無いかなという感じ。
普通過去だ未来だと言ってもそう簡単に聞き分けが良く話が
進むわけも無いしね。

写真を巡る話や、未来に有った不気味な赤ちゃんのホルマリン
漬けに関しても全く謎のまま。

最後に野風の手術場所が襲われるけれど、物語としては
強引に咲の見せ場を作った感じで、藩医・三隅俊斉の言動には
説得力がなかった。何故あそこで仁の事を恨むのだろうか。

しかしようやく吉原を出ることが出来た野風の複雑な心情と
彼女に対する展開上の見せ場が最終話のドラマを興味深くさせた。

南方仁 …… 大沢たかお (脳外科医)
野風・友永 未来 (2役) …… 中谷美紀 (植物状態)
橘咲 ……綾瀬はるか (橘家の長女)

橘恭太郎 …… 小出恵介 (咲の兄)
佐分利祐輔 …… 桐谷健太 (関西出身の若く優秀な医師)
山田純庵 …… 田口浩正 (西洋医学所の医師)
タエ …… 戸田菜穂 (枝豆や卵を売り)
喜市 …… 伊澤柾樹 (タエのひとり息子)
初音 …… 水沢エレナ (吉原・玉屋の若い花魁)
茜 …… 橋本真実 (茶屋の看板娘。)

緒方洪庵 …… 武田 鉄矢 (最高峰の蘭方医であり、西洋医学所の頭

取)
新門辰五郎 …… 藤田まこと (火消し「を組」の親分)->変更
夕霧 …… 高岡早紀 (野風の姐さん女郎、梅毒)
鈴屋彦三郎 …… 六平直政 (吉原の大見世・鈴屋の廓主)
橘栄 …… 麻生祐未 (咲と恭太郎の母で未亡人)
勝海舟 …… 小日向文世 (坂本龍馬の師)
坂本龍馬 …… 内野聖陽 (豪快で女好きな土佐出身の脱藩浪人)

松本良順 …… 奥田達士 (西洋医学所)
伊東玄朴 …… 小林勝也 (西洋医学所)
福田玄孝 …… 佐藤二朗 (漢方治療館)
濱口儀兵衛 …… 石丸謙二郎 (ヤマサ醤油)
澤村田之助 …… 吉沢悠 (歌舞伎役者・女形)

久坂玄端 …… 林泰文 (長州藩士・尊皇攘夷派)
三隅俊斉 …… 深水三章 (藩医)

山口龍人、松本実、浜田学、川畑信介、大塚良重
浦ちあき、佐藤正行、萩原隆乃介

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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