神の雫

脚本/渡辺雄介
演出/中島悟、石尾純

http://www.ntv.co.jp/shizuku/


第1話 遺産対決究極の味


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大手ビール会社「太陽ビール」の営業マンの神咲雫。
彼は世界的なワイン批評家の父親に反発し、ワインだけは決し
て口にはしないような生活を送る。
接待先の飛田が食事に出された高級ワインに不満を漏らした
為に彼はワインをボトルから他の容器に移し替え(デキャンタ
ージュ)、飲みやすいワインへと変貌させる。
そんな嫌っていた父親が突然亡くなり、遺産として残された
20億円相当の貴重なワインを巡って、弁護士の監視下の元、
戦う事になる。相手は新進気鋭のワインの批評家・遠峰一青。
彼は父が亡くなる前に養子縁組をしており、遺産相続の権利が
発生していた。ワインから離れた生活をしている神咲雫は、
遺産の相続を放棄しようとするが、紫野原みやびとの出会いに
よって少しずつワインと向き合うようになっていく。
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正直お酒を飲まない私にとって、マリアージュだのデキャ
ンタージュだのと歯の浮くような気取った言葉で飾られる内容
のドラマに全く興味はなく、銘柄なんかを並べ立てられても
何のことだけ分からないわけだが、ドラマとしてはなかなか
興味深い部分も存在している。

特に潜在的に神咲雫の中に閉じこめられている記憶がワインの
臭いを嗅いでいくことによって少しずつ明らかにされていく
という意味ではとても面白そうな内容だ。
今回飲んだワインには、母親が亡くなった日の事が隠されて
(忘れて)おり、即ちそれが1990年代に作られた葡萄だったと
いう事に繋がる。
父親が何を言いたかったのかは、そんな記憶が全て蘇るときに
一つに繋がっていくのだろうか。
そして最後に飲んだ1985年のワインにはどんな謎が隠されている
のか。五感の一つを刺激することで当時の記憶が蘇るというのは
面白いアイディアだと思う。

でもワインなんてそれこそ数限りなく有るわけで、臭いをかぎ
分ける事が出来たとしても、そのワインが目の前に来ない限り
はなんとも出来そうにない。
幾ら感や思いこみは必要がないと言ってもワインに関する知識
は皆無であり、幼い頃に体験した父親との出来事の中で培った
知識力と、鋭い嗅覚だけを元に今後降り掛かる問題を上手く切り
抜けられるのかどうか。

初回は評論家の遠峰一青に酷評された事が元で経営に悩んでい
るフレンチレストランのエピソードも同時並行に描かれた。
雫がワインに向き合うための一つのステップという感じもした
が、仲違いしていた感じの親子が最後に仲良くなっていく姿は
とても良くできていた。特に酒を飲んで帰ってくる娘の意図が
最初は分からなかったが、ソムリエになるために一生懸命勉強
していたオチは良かったと思う。

竹中直人はまたしても日本人だかハーフなんだか分からない
怪しい役柄だね。


神咲雫:亀梨和也(幼少:本田海青)
遠峰一青:田辺誠一 (ワイン評論家)
紫野原みやび:仲里依紗 (ソムリエ見習い)
霧生涼子:戸田菜穂 (弁護士)
河原毛茂:升毅 (ワイン事業部の部長)
本間長介:田口浩正 (雫の上司)
セーラ:佐々木希 (一青の異父妹、トップモデル)
木戸竜介:平方元基 (雫の部下)
皆本さおり:萩美香 (ワイン事業部)
西園寺マキ:内田有紀 (サイオンコーポレーション代表)
藤枝司郎:辰巳琢郎 (ソムリエ)
土肥ロベール:竹中直人 (雫と一青の戦いの立会人)
神咲豊多香:古谷一行 (父)

綿貫:益岡徹 (フレンチレストラン)
綿貫鈴香:本仮屋ユイカ (ソムリエ見習い)
飛田:笹野高史 (高級ワインの味に不満を漏らす客)

野村信次、本田海音、平沼紀久、沼崎悠、谷川清美
上の原多香

評価:★★★★★☆☆☆☆☆ (5.0)

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