交渉人
(シーズン2)

脚本/寺田敏雄(1)(2)、深沢正樹(3)(4)、稲葉一広(5)
チーフプロデューサー/五十嵐文郎
プロデューサー/内山聖子、[木夘]川由紀子
演出/松田秀和

http://www.tv-asahi.co.jp/koshonin/


第5話 感染30時間ワクチンの身代金!?

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AM2:00、40度を超える高熱にうなされる5歳児・宮本絵里を乗せ
た救急車が恵林医大病院へと運ばれる。母・和美と父・英介が
心配そうに見守る中、対応に出た医師・清水香織と看護師の
坂田良子は、メキシコで猛威をふるうSAFSを疑う。検査キット
で調べると陽性が出るのだった。日本初の感染例としてマスコ
ミでもすぐに報道される。

玲子はこの日久しぶりの休暇を妹が働くコーヒーショップで
過ごす。話題の中心はここでもSAFSで、妹・澪は姉が病気に
かかっても看病はしないと憎まれ口を叩く。

SAFSだが感染から30時間以内にワクチンを注射すれば症状を
抑えることが出来るという。
PM12:00、国立感染症研究センターで開発されたワクチンを
持って八木は病院事務長の古沢慎一に渡す。すぐにワクチン
治療をしようとするが、患者の隔離される病棟が停電のために
一時的に保管庫にしまっておくことになる。そして停電騒ぎが
済んだ後、ロックのかかった保管庫からワクチンを取り出そう
とする全て無くなっている事に気がつく。すぐに古沢は病院長
の大賀浩一郎に報告する。それと同時に院長宛に電話が鳴り、
犯人と思われるものからワクチンの変わりに1億円を要求される
のだった。

玲子は休日を返上し捜査に加わることになる。
ワクチンのアンプルは国内に10本しかない。これが盗まれた
事がマスコミに知られればパニックになる事は必至。極秘の
捜査が展開されることになる。玲子らは医師として病院に
潜入することになった。

PM2:00、医師の香織から病気に関する説明が行われる。
発症から30時間内、つまり残り18時間以内に注射すれば患者は
助かるという。翌日のAM8:00がタイムリミットで有ることが
告げられる。香織は病院の杜撰な運営に対して批判的な発言を
行うが、たまたまだとして古沢は認めようとはしなかった。

再度犯人から入電があり、警察が居ることがバレてしまう。
金の要求額を1億5千万円に引き上げるという。玲子はワクチン
を持っているという証拠は有るのか尋ねるが、こっちは別に
信じて貰わなくても困らないとして、使用済みの紙幣で金を
用意しろと告げる。犯人は病状を把握していることが明らかだ
った。
受け渡し方法は2時間後に連絡するとして電話を切るのだった。
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この手のドラマに最も大切な犯行の動機がかなり抽象的なもの
で、殆ど説得力を感じない展開だった。
ありがちな動機ではあるが、この病院に於ける数々の不正を
正義感の下に訴えるという方がドラマとしてはしっくりと来る。

正直冒頭から登場してくる前田美波里演じる岸本の存在感故に
主犯である事が明らかだし、保管庫に於ける4桁のロックに
関しても、どのように破ったのかは最初の段階でほぼ確定化し
犯人が既成事実化している状況なので、あまり興味深いネタ
が含まれているとも思えなかった。

ただ上述するような動機を持つ使いっパシリの西岡を交渉して
計画を頓挫させたという面では、このドラマ本来のテーマは
成立しているのかもしれない。

一介の病院に全てのワクチンを差し出してしまう辺りの不自然
さだったり、院内感染して一気に病院中がウィルスに感染して
しまう辺りの危機感の持たせ方というのはもう少し考えて欲し
かった。
これだけ短期間に感染から発症に至るウィルスだと相当殺傷
能力が有り、5歳の患者がきっちり30時間を律儀に守って生死を
決するというような設定が滑稽に見えてくる。

デジタル時代の世の中で、あれだけ長い時間犯人と交渉していて
逆探知出来ないという設定も少々無理がある。
海外ドラマ「FBI失踪者を追え」の様に、逆探知の過程をコン
ピューター上で描くくらいの演出は欲しいな。

警視庁捜査一課・桐沢班
宇佐木玲子 …… 米倉涼子 (SIT5係・交渉班・主任)
木崎誠一郎 …… 筧利夫 (交渉班・係長)
甘利祐介 …… 高岡蒼甫 (交渉班。刑事に苦悩、休暇届を出す)
墨田耕平 …… 笹野高史 (交渉班・係長)
長谷部邦男 …… 鈴木浩介 (無線係・主任。UFO探してAREA51へ)
菅原由美 …… 中山恵 (総務係)
山本緑 …… 河本麻希 (オペレーション係)
桜庭健二 …… 塚地武雄
桐沢圭吾 …… 陣内孝則 (管理官)

蓮見芳樹 …… 高知東生 (捜査一課)
真里谷恭介 …… 城田優 (死刑囚)
三村留美子 …… 安めぐみ (玲子の友人)
宇佐木澪 …… 林丹丹 (玲子の妹)

高林静雄 …… 大杉漣 (元捜査一課・課長)
工藤幹夫 …… 伊武雅刀 (新聞記者)
片山一義 …… 高橋克実 (警視庁警備部警護課・管理官)
弓坂史子 …… 浅野ゆう子 (捜査一課長)
王子隼人 …… 八神蓮 (FBI帰りの刑事)
佐山葵 …… 永池南津子 (警察・緊急入電係)
橘雅也 …… 山田悠介 (澪が働く喫茶店オーナー)

岸本恵子 …… 前田美波里 (薬剤師)
清水香織 …… 浅見れいな (医師)
西岡保 …… 遠藤章造 (ラビット、32歳、グリーンレンタル社)
大賀浩一郎 …… 森下哲夫 (恵林医大病院・院長)
古沢慎一 …… ヨシダ朝 (恵林医大病院・事務長)
坂田良子 …… 浜丘麻矢 (看護師)
飯塚美樹 …… せきぐちきみこ (看護師)
宮本絵里 …… 池田心雪 (5歳、SAFSの日本初感染者)
宮本英介 …… 田中護 (父)
宮本和美 …… 細谷里絵 (母)
八木 …… 中村哲也 (国立感染症研究センター員)

大須賀王子、奥田崇、堂元健児、遠藤史樹、岡本亮一
沼田光仁、松崎由香、櫂作真帆、伊藤圭、山崎崇史、西山宗佑
竹島正義、越智俊光、浜崎サトル、勢堂公大、伊藤博幸
入野佳子、田辺ひかり、関根順子

本間智恵(アナ)、天本咲、後藤将士、村山真夏

評価:★★★★★☆☆☆☆☆ (5.0)

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